脂肪細胞の科学
2022年09月23日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
9月23日の金曜日でございます。
今日は秋分の日でお休みですな。
では今日のネタですが、秋分ってことで、これからの季節は食べのもが美味しいので、ついつい食べ過ぎてしまうってな人は多いと思います。
食べ過ぎると、身体に脂肪が蓄積されていくわけですが、今日は脂肪について、新しい発見のお話しでもしてみようかと思います。
ダイエットをしたことがある人は、ただ食事を減らせばいいだけの単純な話ではないことは分かっておられると思います。
新たな研究によると、脳と脂肪組織は直接コミュニケーションを交わしながら、代謝や脂肪の燃焼をコントロールしているのだそうなんですよ。
これまで人体の代謝は、ホルモンなどのシグナルを利用して調節されていると考えられてきました。
ですがこのほど、脳は脊椎から枝分かれした「感覚ニューロン」で、脂肪に直接指令を出しているらしいことが明らかになったんだとか…。
今回、米スクリプス研究所のグループは、まったく新しい2種類の画像撮像法を考案し、ニューロン(神経細胞)が具体的にどのように脂肪とつながっているのか調査しました。
その1つは、脂肪組織を透明にして、その中のニューロンをのぞき見できる「HYBRiD法」というもので、もう1つは、脂肪組織内のニューロンが人体のほかの部分とコミュニケーションする様子を調べる「ROOT法」というものだそうです。
研究の筆頭著者ワン・ユ氏は、「この研究は、これらの新しい方法のおかげで可能になりました」と、プレスリリースで話しています。
この2つの方法で判明したのは、脊椎から脂肪組織に広がる「感覚ニューロン」の存在です。
このニューロンは、脳内の「後根神経節」という部分と直接コミュニケーションを交わしています。
これまで脂肪組織に伸びるニューロンは、ほとんどが「交感神経」につながっていると考えられてきました。
エネルギーが必要になった体は、ホルモンなどのシグナル伝達分子で交感神経にメッセージを送り、これをきっかけに脂肪燃焼がうながされると…。
ところが今回の発見によって、脳は脂肪についての情報を受動的に受け取るだけでなく、自ら積極的に調べていることが明らかになったそうです。
「これが意味するところは大きいでしょう」と、研究グループのイエ・リ氏は話しています。
では、こうした感覚ニューロンは脳にどんなメッセージを伝えているのでしょうか?
この感覚ニューロンからの通信を遮断すると、脂肪組織の代謝が活発になることがわかっています。
感覚ニューロンが黙ってしまうと、交感神経系が脂肪細胞である「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」に作り替えるので、脂肪の燃焼がアップすると考えられます。
研究グループは、こうした2つの相反する神経シグナルによって、代謝のバランスが保たれていると推測しているわけです。
どうやら、交感神経が脂肪燃焼をうながすのに対し、感覚ニューロンはそれを抑えるよう働いているようだと…。
イエ氏は、「ここから、脳が脂肪に送る命令は1つだけではないとわかります」と説明しています。
交換神経と感覚ニューロンは、それぞれ脂肪燃焼のアクセルとブレーキのように機能しているということのようです。
今の時点ではっきり言えるのは、新たに発見された仕組みが脂肪組織の健康にとって非常に重要ということだけです。
新しい発見は、それにまつわる数々の疑問を浮かび上がらせます。
たとえば、脂肪細胞の感覚ニューロンは、どうやって交感神経とやりとりしているのでしょう?
脂肪細胞の感覚ニューロンと脳とで交わされるメッセージの内容も気になりますわなぁ。
ほかにも、後根神経節が司る代謝機能が部位によって異なるのか、こうしたメッセージを調節することで肥満や代謝性疾患の治療につながるのかといった疑問もあります。
こうしたメカニズムが解明されれば、脳から脂肪に直接命令を出して脂肪燃焼アップなんてダイエット法も考案されるかもしれませんよねぇ。
人間の脳はまだまだ未知の部分が多いですし、この研究も今後に期待大ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
9月23日の金曜日でございます。
今日は秋分の日でお休みですな。
では今日のネタですが、秋分ってことで、これからの季節は食べのもが美味しいので、ついつい食べ過ぎてしまうってな人は多いと思います。
食べ過ぎると、身体に脂肪が蓄積されていくわけですが、今日は脂肪について、新しい発見のお話しでもしてみようかと思います。
ダイエットをしたことがある人は、ただ食事を減らせばいいだけの単純な話ではないことは分かっておられると思います。
新たな研究によると、脳と脂肪組織は直接コミュニケーションを交わしながら、代謝や脂肪の燃焼をコントロールしているのだそうなんですよ。
これまで人体の代謝は、ホルモンなどのシグナルを利用して調節されていると考えられてきました。
ですがこのほど、脳は脊椎から枝分かれした「感覚ニューロン」で、脂肪に直接指令を出しているらしいことが明らかになったんだとか…。
今回、米スクリプス研究所のグループは、まったく新しい2種類の画像撮像法を考案し、ニューロン(神経細胞)が具体的にどのように脂肪とつながっているのか調査しました。
その1つは、脂肪組織を透明にして、その中のニューロンをのぞき見できる「HYBRiD法」というもので、もう1つは、脂肪組織内のニューロンが人体のほかの部分とコミュニケーションする様子を調べる「ROOT法」というものだそうです。
研究の筆頭著者ワン・ユ氏は、「この研究は、これらの新しい方法のおかげで可能になりました」と、プレスリリースで話しています。
この2つの方法で判明したのは、脊椎から脂肪組織に広がる「感覚ニューロン」の存在です。
このニューロンは、脳内の「後根神経節」という部分と直接コミュニケーションを交わしています。
これまで脂肪組織に伸びるニューロンは、ほとんどが「交感神経」につながっていると考えられてきました。
エネルギーが必要になった体は、ホルモンなどのシグナル伝達分子で交感神経にメッセージを送り、これをきっかけに脂肪燃焼がうながされると…。
ところが今回の発見によって、脳は脂肪についての情報を受動的に受け取るだけでなく、自ら積極的に調べていることが明らかになったそうです。
「これが意味するところは大きいでしょう」と、研究グループのイエ・リ氏は話しています。
では、こうした感覚ニューロンは脳にどんなメッセージを伝えているのでしょうか?
この感覚ニューロンからの通信を遮断すると、脂肪組織の代謝が活発になることがわかっています。
感覚ニューロンが黙ってしまうと、交感神経系が脂肪細胞である「白色脂肪細胞」を「褐色脂肪細胞」に作り替えるので、脂肪の燃焼がアップすると考えられます。
研究グループは、こうした2つの相反する神経シグナルによって、代謝のバランスが保たれていると推測しているわけです。
どうやら、交感神経が脂肪燃焼をうながすのに対し、感覚ニューロンはそれを抑えるよう働いているようだと…。
イエ氏は、「ここから、脳が脂肪に送る命令は1つだけではないとわかります」と説明しています。
交換神経と感覚ニューロンは、それぞれ脂肪燃焼のアクセルとブレーキのように機能しているということのようです。
今の時点ではっきり言えるのは、新たに発見された仕組みが脂肪組織の健康にとって非常に重要ということだけです。
新しい発見は、それにまつわる数々の疑問を浮かび上がらせます。
たとえば、脂肪細胞の感覚ニューロンは、どうやって交感神経とやりとりしているのでしょう?
脂肪細胞の感覚ニューロンと脳とで交わされるメッセージの内容も気になりますわなぁ。
ほかにも、後根神経節が司る代謝機能が部位によって異なるのか、こうしたメッセージを調節することで肥満や代謝性疾患の治療につながるのかといった疑問もあります。
こうしたメカニズムが解明されれば、脳から脂肪に直接命令を出して脂肪燃焼アップなんてダイエット法も考案されるかもしれませんよねぇ。
人間の脳はまだまだ未知の部分が多いですし、この研究も今後に期待大ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院