人工胚の未来
2022年09月12日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
9月12日の月曜日でございます。
朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。
では今日のネタですが、今日は最先端の医療サイエンスなお話しでもしてみたいと思います。
なんでもイスラエルの研究チームが世界で初めて、精子も卵子も子宮も使わずに、幹細胞だけから人工胚の育成に成功したんだそうです。
イスラエル、ワイツマン科学研究所のグループは、マウスの「幹細胞」をペトリ皿で培養し、精子や卵子に頼ることなく、子宮の外に設置された機械の中で数日間成長させたんだそうです。
学術誌『Cell』(2022年8月1日付)で発表されたこの成果は、将来的には移植用の臓器や組織を育てて作る開発にもつながるかもしれないとのことです。
これは確かにスゴイな。
将来的に移殖用の臓器や組織をって言ってますが、これ、ヒトごと作れてしまうんじゃ…。
成熟した細胞を幹細胞に戻す方法はすでに確立されています。
ですがその逆のプロセス、つまり幹細胞を分化させて、それぞれの役割に特化した細胞や臓器に成長させるのは、はるかに難易度が高いそうなんです。
ヤコブ・ハンナ博士は、「これまでのほとんどの研究では、特化した細胞は作りにくいか、異常であることが多かった。移植できるようなきちんとした構造ではなく、ごちゃ混ぜの組織になってしまう」と述べています。
そんな難題を、幹細胞にプログラムされた自己組織化能力を解放することで突破することができたそうなんです。
今回の成果は、この分野における2つの重要な進歩がベースになっています。
1つは、幹細胞を再プログラムして無垢な状態、つまりさまざまな細胞に分化する最大限の可能性を秘めた、一番最初の状態に戻す効率的な方法です。
そしてもう1つは2021年に発表された、マウスの自然胚を子宮の外で成長させる電子制御の人工子宮です。
お腹の胎児には胎盤を通じて常に血液が供給されています。
人工子宮はその仕組みを真似たもので、ビーカー内の胚に常に栄養液を与えつつ、酸素交換と気圧を細かく調整します。
過去の研究によって、この人工子宮でマウス胚を5日から11日間成長させられることがすでに実証されています。
ですが今回の研究では、受精卵は一切使われていません。
ペトリ皿で数年間培養したマウスの幹細胞を、精子も卵子も使わず、人工子宮の中で成長させることに成功したわけなんです。
受精卵が使われない意味は非常に大き胃と考えられます。
まず、それにまつわる技術的・倫理的な諸問題を回避できます。
成長した合成胚は、内部構造と遺伝子発現パターンの95%がマウスの自然胚と一致していたそうなんです。
また内臓もきちんと機能しているらしいことが、各種指標から確認されています。
幹細胞や胚発生をテーマにする研究者にとっては、まったく新しい研究分野が誕生したことになるわけですな。
ハンナ博士は、「次の課題は、幹細胞が自分の役割を知る仕組みを解明すること。
幹細胞はどうやって内臓に自己組織化し、胚の中でしかるべき位置に移動するのだろうか」と話しています。
人工子宮は、本物の子宮と違って透明なので、胚の先天異常や着床障害のモデル化に役立つ可能性があるとのことです。
また動物実験を減らすことにもつながり、ゆくゆくは人間に移植する組織や臓器の供給源になるとも期待できるそうです。
まぁ、まだまだこれからの研究次第なんでしょうけど、この分野の進歩も凄まじいですな。
こんな技術で、人工的に臓器や組織が作れるようになったら、これはかなり不死に近づくんじゃないのでしょうか。
古くなったり、病気になった臓器を取り換えることもできるかもしれませんし、なんなら骨や軟骨も取り換えられるかもしれませんもんね。
実に興味深い、研究ですな。
ま、わたくし院長の生きてるうちに完成することはないでしょうけど…。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
教徒 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
9月12日の月曜日でございます。
朝晩はだいぶ涼しくなってきましたね。
では今日のネタですが、今日は最先端の医療サイエンスなお話しでもしてみたいと思います。
なんでもイスラエルの研究チームが世界で初めて、精子も卵子も子宮も使わずに、幹細胞だけから人工胚の育成に成功したんだそうです。
イスラエル、ワイツマン科学研究所のグループは、マウスの「幹細胞」をペトリ皿で培養し、精子や卵子に頼ることなく、子宮の外に設置された機械の中で数日間成長させたんだそうです。
学術誌『Cell』(2022年8月1日付)で発表されたこの成果は、将来的には移植用の臓器や組織を育てて作る開発にもつながるかもしれないとのことです。
これは確かにスゴイな。
将来的に移殖用の臓器や組織をって言ってますが、これ、ヒトごと作れてしまうんじゃ…。
成熟した細胞を幹細胞に戻す方法はすでに確立されています。
ですがその逆のプロセス、つまり幹細胞を分化させて、それぞれの役割に特化した細胞や臓器に成長させるのは、はるかに難易度が高いそうなんです。
ヤコブ・ハンナ博士は、「これまでのほとんどの研究では、特化した細胞は作りにくいか、異常であることが多かった。移植できるようなきちんとした構造ではなく、ごちゃ混ぜの組織になってしまう」と述べています。
そんな難題を、幹細胞にプログラムされた自己組織化能力を解放することで突破することができたそうなんです。
今回の成果は、この分野における2つの重要な進歩がベースになっています。
1つは、幹細胞を再プログラムして無垢な状態、つまりさまざまな細胞に分化する最大限の可能性を秘めた、一番最初の状態に戻す効率的な方法です。
そしてもう1つは2021年に発表された、マウスの自然胚を子宮の外で成長させる電子制御の人工子宮です。
お腹の胎児には胎盤を通じて常に血液が供給されています。
人工子宮はその仕組みを真似たもので、ビーカー内の胚に常に栄養液を与えつつ、酸素交換と気圧を細かく調整します。
過去の研究によって、この人工子宮でマウス胚を5日から11日間成長させられることがすでに実証されています。
ですが今回の研究では、受精卵は一切使われていません。
ペトリ皿で数年間培養したマウスの幹細胞を、精子も卵子も使わず、人工子宮の中で成長させることに成功したわけなんです。
受精卵が使われない意味は非常に大き胃と考えられます。
まず、それにまつわる技術的・倫理的な諸問題を回避できます。
成長した合成胚は、内部構造と遺伝子発現パターンの95%がマウスの自然胚と一致していたそうなんです。
また内臓もきちんと機能しているらしいことが、各種指標から確認されています。
幹細胞や胚発生をテーマにする研究者にとっては、まったく新しい研究分野が誕生したことになるわけですな。
ハンナ博士は、「次の課題は、幹細胞が自分の役割を知る仕組みを解明すること。
幹細胞はどうやって内臓に自己組織化し、胚の中でしかるべき位置に移動するのだろうか」と話しています。
人工子宮は、本物の子宮と違って透明なので、胚の先天異常や着床障害のモデル化に役立つ可能性があるとのことです。
また動物実験を減らすことにもつながり、ゆくゆくは人間に移植する組織や臓器の供給源になるとも期待できるそうです。
まぁ、まだまだこれからの研究次第なんでしょうけど、この分野の進歩も凄まじいですな。
こんな技術で、人工的に臓器や組織が作れるようになったら、これはかなり不死に近づくんじゃないのでしょうか。
古くなったり、病気になった臓器を取り換えることもできるかもしれませんし、なんなら骨や軟骨も取り換えられるかもしれませんもんね。
実に興味深い、研究ですな。
ま、わたくし院長の生きてるうちに完成することはないでしょうけど…。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
教徒 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院