脳保存
2022年08月26日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
8月26日の金曜日でございます。
さ、8月も残り5日となりました。
今月も支払い週間ですなぁ。
8月は盆休みがあったり、コロナ第七波の影響や猛暑の影響もあり、かなりキビシイ状況なんですが、乗り越えられるでしょうか(笑)
とりあえず、コロナだけは終わって欲しいです。
では今日のネタにいきましょう。
今日は人体の不思議についてのお話しです。
人体、最大の不思議と言えばやはり脳でしょう。
実際、脳についてはまだまだ解明されていない部分が多いと言われています。
映画なんかでも、脳を切り離し保存するなんてシーンを観たことある人もいると思うんですが、そもそもそれって可能なんでしょうか?
脳を肉体から切り離し、何らかの方法で生き続けさせることができたら、はたしてそこに意識はあるのでしょうか?
1982年に哲学者ヒラリー・パトナムは、「今自分が体験しているこの世界は、水槽の中で特殊な装置に繋がれた脳が見ている夢なのではないか?」という仮説を立てたんだそうです。
これは思考実験の一種で「水槽の脳」と呼ばれています。
ですが近年の神経科学の発達により、この話はただのSF的思考実験ではなくなりつつあるようなんですね。
2020年に発表された論文で、オーストラリア・モナシュ大学の哲学者ティム・ベイン氏らが、徐々にSFから現実へ飛び出しつつある「水槽の脳」について解説しています。
例え意識の有無を確かめたいからといっても、人間の脳を体から取り出すなど許されることではありません。
ですが、神経科学が進歩したおかげで、それに近い状況を作り出すことは可能なんだそうです。
例えば、ベイン氏ら次のような状況を指摘しています。
まず2019年に発表された研究では、ブタの脳を使ったある実験を行っています。
この研究では、死んだブタから取り出した脳を「BrainEx」なる装置につなぎ、酸素入りの人工血液を流したそうです。
その結果、脳細胞への血流・神経細胞の細胞機能・自発的なシナプス活性が回復したそうなんです。
つまりブタの脳は、切り離しても機能するということです。
また重い難治性てんかんを治療するため、外科手術で水槽の脳が作られることがあります。
それは「大脳半球切除術」という治療法で、障害のある脳の半球を、もう片方の半球・脳幹・視床から完全に切り離します。
この時、障害のある半球は頭蓋骨から取り出されたりはせず、そのまま残されます。
血管にもつながっているので、脳が機能するために必要な栄養も酸素も補給されるわけです。
まさに頭蓋骨の中で、水槽の脳のような状態にあるわけなんですね。
さらに幹細胞から、三次元構造のミニ脳(オルガノイド)を作ることもできるそうです。
こうしたオルガノイドには発達中のヒト脳に見られる特徴があり、早産児にも似た脳波が確認されたこともあるそうです。
いずれも肉体から切り離されつつも、部分的に機能している脳といえます。
はたして、こうした脳の中に意識を宿したものはあるのでしょうか?
ってなお話しなわけですよ。
もちろん、こうした脳の振る舞いから意識があるのかどうか判断はできませんし、脳に直接質問することもできません。
意識の有無を確認するには、それを客観的に測定する何らかの方法が必要になります。
一つの方法として、「摂動複雑性指標(PCI/perturbational complexity index)」という、脳内の神経細胞同士の相互作用レベルを表す指標を利用できるかもしれないと考えられています。
例えば、脳の一部だけを電気で刺激し、PCIでその時の神経活動の複雑さを測定したとします。
この時、もしも神経活動に大量の情報が保持されているようならば、それだけ意識的であると言えるだろうと…。
これは、池に石を投げて、広がる波紋を計測するのに似ているのかもしれないと言われています。
その波紋が池に浮かぶ物体に当たってさらに波紋が広がるようならば、それはより意識的であるということになります。
PCIは、意識が低下している場合には、意識レベルを知る確かな指標となります。
例えば、昏睡状態の人や眠っている人のPCIを計測すれば、意識レベルが低いと出るわけですね。
ベイン氏は、「PCIは、夢を見ている時や麻酔時のような、切り離された意識を検出する上で有効であることが証明されています。
また脳に重い障害を負って反応しなくなった患者にも有効です」と語っています。
比較的簡単に計測できる脳の活動と意識が密接に関連していたとしても、特に不思議なことではない。
しかしPCIで意識の有無がわかると証明されたわけでもないわけです。
意識が脳の神経シグナルから推測できるような現象ではない可能性もあります。
ですがそれでも、ベイン氏は意識の客観的な計測法の開発は意義あることだと考えているようです。
仮にPCIによって水槽の脳に意識があるかどうか明確に答えられないのだとしても、「意識の神経活動は、意識ある人間の脳と同じくらい複雑なものか?」など、いくつかの本質的な問いに応えることができるからです。
あるいは、外部から切り離された脳は、徐々に意識を失っていくのでしょうか?
そのような状況にある意識の中身はどのようなものか…
これはより難解な問題であるようですが…。
まぁ、興味はありますけどねぇ(笑)
仮に保存された脳に、完全な意識があったとしたなら、その脳は一体なにを考えるでしょう?
脳があるだけで、目があるわけでも口があるわけでもないわけで、モノは考えれてもそれだけですからねぇ…。
ま、まだまだ謎が深い脳ですから、少しずつ解明されるのを待ちましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月26日の金曜日でございます。
さ、8月も残り5日となりました。
今月も支払い週間ですなぁ。
8月は盆休みがあったり、コロナ第七波の影響や猛暑の影響もあり、かなりキビシイ状況なんですが、乗り越えられるでしょうか(笑)
とりあえず、コロナだけは終わって欲しいです。
では今日のネタにいきましょう。
今日は人体の不思議についてのお話しです。
人体、最大の不思議と言えばやはり脳でしょう。
実際、脳についてはまだまだ解明されていない部分が多いと言われています。
映画なんかでも、脳を切り離し保存するなんてシーンを観たことある人もいると思うんですが、そもそもそれって可能なんでしょうか?
脳を肉体から切り離し、何らかの方法で生き続けさせることができたら、はたしてそこに意識はあるのでしょうか?
1982年に哲学者ヒラリー・パトナムは、「今自分が体験しているこの世界は、水槽の中で特殊な装置に繋がれた脳が見ている夢なのではないか?」という仮説を立てたんだそうです。
これは思考実験の一種で「水槽の脳」と呼ばれています。
ですが近年の神経科学の発達により、この話はただのSF的思考実験ではなくなりつつあるようなんですね。
2020年に発表された論文で、オーストラリア・モナシュ大学の哲学者ティム・ベイン氏らが、徐々にSFから現実へ飛び出しつつある「水槽の脳」について解説しています。
例え意識の有無を確かめたいからといっても、人間の脳を体から取り出すなど許されることではありません。
ですが、神経科学が進歩したおかげで、それに近い状況を作り出すことは可能なんだそうです。
例えば、ベイン氏ら次のような状況を指摘しています。
まず2019年に発表された研究では、ブタの脳を使ったある実験を行っています。
この研究では、死んだブタから取り出した脳を「BrainEx」なる装置につなぎ、酸素入りの人工血液を流したそうです。
その結果、脳細胞への血流・神経細胞の細胞機能・自発的なシナプス活性が回復したそうなんです。
つまりブタの脳は、切り離しても機能するということです。
また重い難治性てんかんを治療するため、外科手術で水槽の脳が作られることがあります。
それは「大脳半球切除術」という治療法で、障害のある脳の半球を、もう片方の半球・脳幹・視床から完全に切り離します。
この時、障害のある半球は頭蓋骨から取り出されたりはせず、そのまま残されます。
血管にもつながっているので、脳が機能するために必要な栄養も酸素も補給されるわけです。
まさに頭蓋骨の中で、水槽の脳のような状態にあるわけなんですね。
さらに幹細胞から、三次元構造のミニ脳(オルガノイド)を作ることもできるそうです。
こうしたオルガノイドには発達中のヒト脳に見られる特徴があり、早産児にも似た脳波が確認されたこともあるそうです。
いずれも肉体から切り離されつつも、部分的に機能している脳といえます。
はたして、こうした脳の中に意識を宿したものはあるのでしょうか?
ってなお話しなわけですよ。
もちろん、こうした脳の振る舞いから意識があるのかどうか判断はできませんし、脳に直接質問することもできません。
意識の有無を確認するには、それを客観的に測定する何らかの方法が必要になります。
一つの方法として、「摂動複雑性指標(PCI/perturbational complexity index)」という、脳内の神経細胞同士の相互作用レベルを表す指標を利用できるかもしれないと考えられています。
例えば、脳の一部だけを電気で刺激し、PCIでその時の神経活動の複雑さを測定したとします。
この時、もしも神経活動に大量の情報が保持されているようならば、それだけ意識的であると言えるだろうと…。
これは、池に石を投げて、広がる波紋を計測するのに似ているのかもしれないと言われています。
その波紋が池に浮かぶ物体に当たってさらに波紋が広がるようならば、それはより意識的であるということになります。
PCIは、意識が低下している場合には、意識レベルを知る確かな指標となります。
例えば、昏睡状態の人や眠っている人のPCIを計測すれば、意識レベルが低いと出るわけですね。
ベイン氏は、「PCIは、夢を見ている時や麻酔時のような、切り離された意識を検出する上で有効であることが証明されています。
また脳に重い障害を負って反応しなくなった患者にも有効です」と語っています。
比較的簡単に計測できる脳の活動と意識が密接に関連していたとしても、特に不思議なことではない。
しかしPCIで意識の有無がわかると証明されたわけでもないわけです。
意識が脳の神経シグナルから推測できるような現象ではない可能性もあります。
ですがそれでも、ベイン氏は意識の客観的な計測法の開発は意義あることだと考えているようです。
仮にPCIによって水槽の脳に意識があるかどうか明確に答えられないのだとしても、「意識の神経活動は、意識ある人間の脳と同じくらい複雑なものか?」など、いくつかの本質的な問いに応えることができるからです。
あるいは、外部から切り離された脳は、徐々に意識を失っていくのでしょうか?
そのような状況にある意識の中身はどのようなものか…
これはより難解な問題であるようですが…。
まぁ、興味はありますけどねぇ(笑)
仮に保存された脳に、完全な意識があったとしたなら、その脳は一体なにを考えるでしょう?
脳があるだけで、目があるわけでも口があるわけでもないわけで、モノは考えれてもそれだけですからねぇ…。
ま、まだまだ謎が深い脳ですから、少しずつ解明されるのを待ちましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院