多性染色体
2022年08月09日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
8月9日の火曜日でございます。
今週末からはいよいよお盆ですなぁ。
ゴールデンウイーク以来の大型連休です。
コロナもこんなんですが、今年は帰省も活発なんじゃないでしょうか。
ま、基本的な対策は忘れずにね。
では今日のネタですが、ちょっとショッキングな染色体のお話しです。
なんでも、500人に1人の男性が余分な染色体を持っていることが判明したんだとか…。
通常、男性が持つ性染色体は、XとYがそれぞれ1本ずつです。
ですが男性20万人分の遺伝子を調査した英国の研究によれば、性染色体を1本余分に持つ男性が想像以上に多かったそうなんです。
最新の研究によると、約500人に1人の男性が性染色体を1本多く持っていることが明らかとなったそうなんです。
500人に1人というとなかなかの確率じゃないの。
これまでの常識では、かなり珍しい症状とされてきたんですが、それよりはるかに一般的なものであることが明らかになったわけです。
こうした男性は、特定の遺伝的疾患のリスクが高いことが知られていましたが、他にも糖尿病や動脈硬化などの病気になるリスクが高いことも確認されたそうです。
通常、男性の各細胞の中には、X染色体とY染色体がそれぞれ1つずつ入っています。
つまり男性の性染色体は一般にXYとなります(ちなみに女性はXX)。
ところがUKバイオバンクに登録されている男性20万人分の遺伝子データを調べたところ、そのうち213名はX染色体が1本多く(XXY)、143名はY染色体が1本多い(XYY)であることが判明しました。
性染色体が1本多い男性がいることは以前から知られていました。
これは性染色体の異常とされており、「クラインフェルター症候群」(XXYの男性)や「ヤコブ症候群」(XYYの男性)と呼ばれていました。
ですが、性染色体が余分にあるからといって、必ずしも何か大きな問題が起きるというわけではありません。
実際、そうした男性の中で、性染色体異常など何らかの異常があると知っている人はほとんどいなかったそうなんです。
XXYの男性で過去にそう診断されたことがある人は23%、XYYの男性だとわずか0.7%のみなんだとか…。
つまり、何も起こってなかったって事ですな。
特に、Y染色体を余分に持つことで生じる症状は、ごく軽いものでしかないそうです。
このことは自分がXYYと知っている人がほとんどいなかったことからもわかります。
ケンブリッジ大学のケン・オン博士は、「この現象が非常に一般的であることに驚いた」「これまでは相当に稀なことだと考えられていた」と、語っています。
これまでの推定では、XXY型は男性10万人に100〜200人、XYY型は10万人に18〜100人とされてきました。
ところが今回の研究では、性染色体を余分に持っていたのは男性全体の0.17%、およそ580人に1人の割合ですが、この結果は実際より少ない可能性があります。
というのも、UKバイオバンクの登録者は人口全体よりも健康で、遺伝的疾患の発生率も平均より低い傾向にあるからです。
このことから、研究グループは余分な性染色体を持つ男性の実際の割合は、500人に1人(0.2%)くらいではないかと見積もっています。
自覚している人が少ないとはいえ、余分な性染色体があると特定の病気にかかりやすくなることも明らかとなっています。
そのことは、バイオバンクの参加者でもうかがえました。
例えば、クラインフェルター症候群の人は、不妊や思春期の遅れといった生殖に関係する問題を抱えやすいとされています。
今回の研究でも、XXY型男性の不妊率は、XY型男性より4倍高く、思春期が遅れる割合も3倍多いことが確認されています。
一方、ヤコブ症候群の人の場合、生殖については問題はありません。
ただしヤコブ症候群は、学習障害、言語や運動能力の獲得の遅れ、筋力の低さなどと関係することが知られていますが、これらについて今回の研究では評価されていません。
また今回の研究では、原因は不明ながら、クラインフェルター症候群・ヤコブ症候群のいずれも、ほかの病気と関連していることが明らかにされています。
XY型男性に比べて、XXY型・XYY型の男性は2型糖尿病、動脈硬化(動脈へのプラークの蓄積)、静脈血栓症・肺塞栓症(静脈や肺動脈の血栓)、慢性閉塞性肺疾患(肺への空気の流れが阻害)になる割合が高かったそうなんです。
「クラインフェルター症候群とヤコブ症候群に、共通する数多くの疾病のリスクが高くなるという驚くべき類似性が見られる理由は不明」と、研究では述べられています。
その原因については、今後の研究課題になるとのことです。
ま、とは言え、今回の研究は、40〜70歳のヨーロッパ系男性に限られた限定的なものですから、我々日本人がどこまでどうかと言う事は分かりません。
ひょっとすると、彼ら以上にこの症状を持つ人がいるかもしれませんしねぇ…。
これはただの染色体の異常なのか、もしくは進化の一環なのか…。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月9日の火曜日でございます。
今週末からはいよいよお盆ですなぁ。
ゴールデンウイーク以来の大型連休です。
コロナもこんなんですが、今年は帰省も活発なんじゃないでしょうか。
ま、基本的な対策は忘れずにね。
では今日のネタですが、ちょっとショッキングな染色体のお話しです。
なんでも、500人に1人の男性が余分な染色体を持っていることが判明したんだとか…。
通常、男性が持つ性染色体は、XとYがそれぞれ1本ずつです。
ですが男性20万人分の遺伝子を調査した英国の研究によれば、性染色体を1本余分に持つ男性が想像以上に多かったそうなんです。
最新の研究によると、約500人に1人の男性が性染色体を1本多く持っていることが明らかとなったそうなんです。
500人に1人というとなかなかの確率じゃないの。
これまでの常識では、かなり珍しい症状とされてきたんですが、それよりはるかに一般的なものであることが明らかになったわけです。
こうした男性は、特定の遺伝的疾患のリスクが高いことが知られていましたが、他にも糖尿病や動脈硬化などの病気になるリスクが高いことも確認されたそうです。
通常、男性の各細胞の中には、X染色体とY染色体がそれぞれ1つずつ入っています。
つまり男性の性染色体は一般にXYとなります(ちなみに女性はXX)。
ところがUKバイオバンクに登録されている男性20万人分の遺伝子データを調べたところ、そのうち213名はX染色体が1本多く(XXY)、143名はY染色体が1本多い(XYY)であることが判明しました。
性染色体が1本多い男性がいることは以前から知られていました。
これは性染色体の異常とされており、「クラインフェルター症候群」(XXYの男性)や「ヤコブ症候群」(XYYの男性)と呼ばれていました。
ですが、性染色体が余分にあるからといって、必ずしも何か大きな問題が起きるというわけではありません。
実際、そうした男性の中で、性染色体異常など何らかの異常があると知っている人はほとんどいなかったそうなんです。
XXYの男性で過去にそう診断されたことがある人は23%、XYYの男性だとわずか0.7%のみなんだとか…。
つまり、何も起こってなかったって事ですな。
特に、Y染色体を余分に持つことで生じる症状は、ごく軽いものでしかないそうです。
このことは自分がXYYと知っている人がほとんどいなかったことからもわかります。
ケンブリッジ大学のケン・オン博士は、「この現象が非常に一般的であることに驚いた」「これまでは相当に稀なことだと考えられていた」と、語っています。
これまでの推定では、XXY型は男性10万人に100〜200人、XYY型は10万人に18〜100人とされてきました。
ところが今回の研究では、性染色体を余分に持っていたのは男性全体の0.17%、およそ580人に1人の割合ですが、この結果は実際より少ない可能性があります。
というのも、UKバイオバンクの登録者は人口全体よりも健康で、遺伝的疾患の発生率も平均より低い傾向にあるからです。
このことから、研究グループは余分な性染色体を持つ男性の実際の割合は、500人に1人(0.2%)くらいではないかと見積もっています。
自覚している人が少ないとはいえ、余分な性染色体があると特定の病気にかかりやすくなることも明らかとなっています。
そのことは、バイオバンクの参加者でもうかがえました。
例えば、クラインフェルター症候群の人は、不妊や思春期の遅れといった生殖に関係する問題を抱えやすいとされています。
今回の研究でも、XXY型男性の不妊率は、XY型男性より4倍高く、思春期が遅れる割合も3倍多いことが確認されています。
一方、ヤコブ症候群の人の場合、生殖については問題はありません。
ただしヤコブ症候群は、学習障害、言語や運動能力の獲得の遅れ、筋力の低さなどと関係することが知られていますが、これらについて今回の研究では評価されていません。
また今回の研究では、原因は不明ながら、クラインフェルター症候群・ヤコブ症候群のいずれも、ほかの病気と関連していることが明らかにされています。
XY型男性に比べて、XXY型・XYY型の男性は2型糖尿病、動脈硬化(動脈へのプラークの蓄積)、静脈血栓症・肺塞栓症(静脈や肺動脈の血栓)、慢性閉塞性肺疾患(肺への空気の流れが阻害)になる割合が高かったそうなんです。
「クラインフェルター症候群とヤコブ症候群に、共通する数多くの疾病のリスクが高くなるという驚くべき類似性が見られる理由は不明」と、研究では述べられています。
その原因については、今後の研究課題になるとのことです。
ま、とは言え、今回の研究は、40〜70歳のヨーロッパ系男性に限られた限定的なものですから、我々日本人がどこまでどうかと言う事は分かりません。
ひょっとすると、彼ら以上にこの症状を持つ人がいるかもしれませんしねぇ…。
これはただの染色体の異常なのか、もしくは進化の一環なのか…。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院