忘れてしまいたい事は忘れてしまおうじゃないか。
2016年06月03日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
6月3日金曜日です。
今週もなんとかここまでやってきました。
あと一息、頑張らないとね。
え〜、この間から、少々記憶についてお話していて、昨日は忘れられない人のお話をしましたが、今日はそんな記憶の番外編です。
記憶とはつまり、その情報を脳内にとどめ、いつでも取り出せる状態に置くことと定義できます。
ですから、うまく記憶すると一生忘れない場合もあります。
では、これ、意図的に行われない場合どうなるか?
例えば、よく聴いた歌を耳にしたり、漂ってくるニオイから、昔を思い出して懐かしい気持ちになった経験はないですか?
逆に、失恋したとき、悲しい別れがあったときによく聞いていた歌を後に聞くと、その悲しい記憶がフラッシュバックされてその曲を聞くこともできない…
人間の脳はその時形成された記憶の背景にある、特定の音やニオイ、人物や風景などを、文脈(特定の人物、風景、ニオイなど)として、記憶と一緒にタグづけている為、思い出したくないことも思い出してしまうって寸法なんですねぇ…
で、人間の脳としては、嫌な事(危険な事という意味合いがある)は、特別深く記憶するって特性がありますから、簡単に言うと嫌なことほど忘れにくいわけです。
まぁ、人間も動物ですから、基本危険に対する警戒心というものが一番発達してますから、嫌な事=危険なことは覚えとかないとね〜。
てことで、頭に刷り込まれた嫌な記憶は、できるだけ思い出したくないですよね?
こういった刷り込み型(文脈型)の記憶も、忘れる方法が実はあるらしいんです。
新たなる研究によると、悲しい過去の記憶は、その文脈(特定の人物、風景、ニオイなど)を意図的に変えることで忘れることができるそうなんですよ。
記憶の研究そのものの歴史は古く、古代ギリシャ時代から、記憶が形成された文脈の重要性が知られてきたそうです。
今回、ダートマス大学とプリンストン大学の研究者が挑んだのは、これを利用して記憶を意図的に忘れる方法を発見すること。
実験では、被験者に森林や山、海岸などの屋外の風景を見せながら、無作為な単語のリストを提示し、これを「忘れる」か、「憶える」かいずれかの指示を出します。
ここで意図されたのは、風景の画像によって被験者の文脈的な思考にバイアスを起こすことで、この間MRIで脳を測定し、風景、すなわち単語にまつわる文脈が頭の中に現れ、消えていく様子を調査したそうです。
すると忘れるよう指示された被験者からは、その直後に風景に関連する神経活動が追い出される様子が観測されたらしいのです。
これは例えるなら、母親について考えたくないときは、母親の料理についても頭から追い出してしまうようなものだということで、「忘れる」ということを意識した場合、自然と脳がおこなっていた切り離し作業と考えられます。
反対に憶えるよう指示された被験者の脳では、風景関連の神経活動を追い出す現象は起きなかったそうで、この追い出し現象の活発さから記憶した単語の数が予測できたそうで、それはすなわち、この方法が記憶の忘却を助けるうえで有効であることを示しているのだそうです。
つまり、追い出し現象の数が少ない方が、記憶した単語の数は増えるってことになります。
研究の中心人物ジェレミー・マニング氏によれば、記憶に関する研究は忘却の仕組みよりも、記憶する仕組みに焦点を当てたものが多かったそうで、忘却はある意味において、記憶の失敗とみなされるのが普通だったそうです。
そりゃ、そうですよね。
記憶と言えば「覚える」ことですから、いかに効率よくたくさんの情報をインプットさせるかが鍵となるわけで、ここでの「忘却」は、記憶しきれなかったってことになりますもんね。
しかし、実際には忘れることによる恩恵も存在します。例えば、元兵士などがかかるPTSDなど、トラウマとして残っている出来事は忘れない限り、治らないといわれています。
また、新しい内容を学習しやすいように、古い情報を頭から追い出した方がいいという説(これは実際は間違いだという説も根強くある)もありますしね。
まぁ、そちらの真意はおいておいて、実際意図的に忘れることが出来るのか?
例えば、辛い別れの記憶と、当時聴いていて失恋を思い出させる歌があったとしましょう。そんなときは、その歌をジムで運動しながら聴いてみるなど、全く違う環境で聴いてみるんだそうです。すると、脳が歌を運動の爽快感と結びつけてくれるんだそうです。
あるいは恐ろしいホラー映画の記憶に悩まされているのなら、それを昼間に観てみたり、音を消して、代わりにお笑いビデオの音声を流しながら見とかすると、文脈がすり替えられ、恐ろしい記憶が消えてしまうんやって。
ちょっとほんまかいなって気もしますが、これを繰り返せば、本当に文脈はすり替わるようなんですね。
んん〜…
割と乱暴な方法やな(笑)
でも、本当にトラウマ的に、その音や匂いに悩まされてるんだとすれば、思い切ってこういう方法もいいかもしれません。
さきほど出てきたPTSDなどは、直線的に治療できる可能性があるわけですから、試す価値はありますよね。
なおこれは、ちょっとした裏技だそうなんですが、トラウマ的な出来事が起きた後に、文脈が形成される前に、笑気ガスとして知られる亜酸化窒素を吸い込むと嫌な記憶が形成されにくいらしいんです。
これは記憶を貯めるために必要なNMDA型グルタミン酸受容体が笑気ガスによって阻害されることが原因なんですって。
まぁ、日本じゃ、亜酸化窒素は指定薬物に属しており、医療などの目的以外に製造や販売、所持、使用することは禁止されているんで、こんな事には使えないですけどね…
この方法はまぁ、話のタネとしても、文脈をすり替える「忘却」方法。
記憶についてお悩みの方は、是非試してみてはいかがでしょうか。
てな感じで、今日のお話はこんなもんです。
忘れないうちに、身体を仕事モードに戻して頑張ってきま〜す
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月3日金曜日です。
今週もなんとかここまでやってきました。
あと一息、頑張らないとね。
え〜、この間から、少々記憶についてお話していて、昨日は忘れられない人のお話をしましたが、今日はそんな記憶の番外編です。
記憶とはつまり、その情報を脳内にとどめ、いつでも取り出せる状態に置くことと定義できます。
ですから、うまく記憶すると一生忘れない場合もあります。
では、これ、意図的に行われない場合どうなるか?
例えば、よく聴いた歌を耳にしたり、漂ってくるニオイから、昔を思い出して懐かしい気持ちになった経験はないですか?
逆に、失恋したとき、悲しい別れがあったときによく聞いていた歌を後に聞くと、その悲しい記憶がフラッシュバックされてその曲を聞くこともできない…
人間の脳はその時形成された記憶の背景にある、特定の音やニオイ、人物や風景などを、文脈(特定の人物、風景、ニオイなど)として、記憶と一緒にタグづけている為、思い出したくないことも思い出してしまうって寸法なんですねぇ…
で、人間の脳としては、嫌な事(危険な事という意味合いがある)は、特別深く記憶するって特性がありますから、簡単に言うと嫌なことほど忘れにくいわけです。
まぁ、人間も動物ですから、基本危険に対する警戒心というものが一番発達してますから、嫌な事=危険なことは覚えとかないとね〜。
てことで、頭に刷り込まれた嫌な記憶は、できるだけ思い出したくないですよね?
こういった刷り込み型(文脈型)の記憶も、忘れる方法が実はあるらしいんです。
新たなる研究によると、悲しい過去の記憶は、その文脈(特定の人物、風景、ニオイなど)を意図的に変えることで忘れることができるそうなんですよ。
記憶の研究そのものの歴史は古く、古代ギリシャ時代から、記憶が形成された文脈の重要性が知られてきたそうです。
今回、ダートマス大学とプリンストン大学の研究者が挑んだのは、これを利用して記憶を意図的に忘れる方法を発見すること。
実験では、被験者に森林や山、海岸などの屋外の風景を見せながら、無作為な単語のリストを提示し、これを「忘れる」か、「憶える」かいずれかの指示を出します。
ここで意図されたのは、風景の画像によって被験者の文脈的な思考にバイアスを起こすことで、この間MRIで脳を測定し、風景、すなわち単語にまつわる文脈が頭の中に現れ、消えていく様子を調査したそうです。
すると忘れるよう指示された被験者からは、その直後に風景に関連する神経活動が追い出される様子が観測されたらしいのです。
これは例えるなら、母親について考えたくないときは、母親の料理についても頭から追い出してしまうようなものだということで、「忘れる」ということを意識した場合、自然と脳がおこなっていた切り離し作業と考えられます。
反対に憶えるよう指示された被験者の脳では、風景関連の神経活動を追い出す現象は起きなかったそうで、この追い出し現象の活発さから記憶した単語の数が予測できたそうで、それはすなわち、この方法が記憶の忘却を助けるうえで有効であることを示しているのだそうです。
つまり、追い出し現象の数が少ない方が、記憶した単語の数は増えるってことになります。
研究の中心人物ジェレミー・マニング氏によれば、記憶に関する研究は忘却の仕組みよりも、記憶する仕組みに焦点を当てたものが多かったそうで、忘却はある意味において、記憶の失敗とみなされるのが普通だったそうです。
そりゃ、そうですよね。
記憶と言えば「覚える」ことですから、いかに効率よくたくさんの情報をインプットさせるかが鍵となるわけで、ここでの「忘却」は、記憶しきれなかったってことになりますもんね。
しかし、実際には忘れることによる恩恵も存在します。例えば、元兵士などがかかるPTSDなど、トラウマとして残っている出来事は忘れない限り、治らないといわれています。
また、新しい内容を学習しやすいように、古い情報を頭から追い出した方がいいという説(これは実際は間違いだという説も根強くある)もありますしね。
まぁ、そちらの真意はおいておいて、実際意図的に忘れることが出来るのか?
例えば、辛い別れの記憶と、当時聴いていて失恋を思い出させる歌があったとしましょう。そんなときは、その歌をジムで運動しながら聴いてみるなど、全く違う環境で聴いてみるんだそうです。すると、脳が歌を運動の爽快感と結びつけてくれるんだそうです。
あるいは恐ろしいホラー映画の記憶に悩まされているのなら、それを昼間に観てみたり、音を消して、代わりにお笑いビデオの音声を流しながら見とかすると、文脈がすり替えられ、恐ろしい記憶が消えてしまうんやって。
ちょっとほんまかいなって気もしますが、これを繰り返せば、本当に文脈はすり替わるようなんですね。
んん〜…
割と乱暴な方法やな(笑)
でも、本当にトラウマ的に、その音や匂いに悩まされてるんだとすれば、思い切ってこういう方法もいいかもしれません。
さきほど出てきたPTSDなどは、直線的に治療できる可能性があるわけですから、試す価値はありますよね。
なおこれは、ちょっとした裏技だそうなんですが、トラウマ的な出来事が起きた後に、文脈が形成される前に、笑気ガスとして知られる亜酸化窒素を吸い込むと嫌な記憶が形成されにくいらしいんです。
これは記憶を貯めるために必要なNMDA型グルタミン酸受容体が笑気ガスによって阻害されることが原因なんですって。
まぁ、日本じゃ、亜酸化窒素は指定薬物に属しており、医療などの目的以外に製造や販売、所持、使用することは禁止されているんで、こんな事には使えないですけどね…
この方法はまぁ、話のタネとしても、文脈をすり替える「忘却」方法。
記憶についてお悩みの方は、是非試してみてはいかがでしょうか。
てな感じで、今日のお話はこんなもんです。
忘れないうちに、身体を仕事モードに戻して頑張ってきま〜す
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院