海草と糖
2022年07月06日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
7月6日の水曜日でございます。
梅雨が明けてからの方が、天気がパッとしませんなぁ。
では今日のネタですが、今日は海に漂う、海草のお話しでございます。
海草は世界の気候にとって重要な役割を果たしています。
海草の群生地は地球上最大級の二酸化炭素吸収源となるからですが、それだけではありません。
最新の研究によると、なんとその地下には缶コーラ320億本分に相当する「糖」が蓄えられているんだとか…。
海草には地下に排出した糖を守る作用もあるために、糖が微生物によって分解されることはないそうで、二酸化炭素をたっぷり保管できるのもそのおかげであるそうなんです。
世界の海岸沿いには豊かな海草の草原が広がっています。
こうした海草群生地は地球上で最大級の二酸化炭素吸収源でもあり、海草1平方キロあたりに蓄えられている二酸化炭素は、陸上の森林の2倍もの量であり、吸収速度は35倍も速いそうなんです。
こうした海や海洋生態系によって吸収された二酸化炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶんだそうです。
今回ドイツ、マックス・プランク海洋微生物学研究所のグループは、海草が「根圏」(根から出る分泌物と土壌微生物が織りなす地下空間のこと)に大量の糖を放出していることを発見しました。
海草が作り出す糖は、砂糖の主成分である「スクロース(ショ糖)」で、そこにある糖の濃度は、これまで海で計測されたものの80倍も高いんだとか…。
ここから試算すると、世界の海草の根圏には60万〜130万トンもの「スクロース」が存在すると考えられるそうなんです。
これはじつに、コーラ320億缶分の砂糖に相当する量なんだとか。
なんでここでコーラを例に出してるのか分かりませんが、相当な量だと言う事は間違いないでしょう。
微生物は、消化しやすくエネルギー豊富な糖が大好きです。
ですが海草の根元にある糖は、微生物によって食い尽くされたりはしません。
それは地上の植物と同じく、海草もまた地中に、ある化合物を放出して守っているからなんですね。
このある化合物とは、赤ワインやお茶でお馴染みの「フェノール類」(ポリフェノールとは、フェノール類のうち複数のヒドロキシ基を持つもの)のことです。
健康にいいとされるフェノール類ですが、抗菌作用があり、ほとんどの微生物の代謝を阻害してしまいます。
これがあるおかげで、海草の根の周囲には御馳走がたくさんあるというのに、微生物はそれを食べることができないわけです。
ではなぜ海草はこれほどの糖を作り、地中に捨てるのでしょうか?
それでいて糖を微生物から守っている格好になりますから、非常に不思議な話です。
研究グループによれば、理由の1つは、安全弁のような機能があるからではないかと言う事のようです。
海草は光合成を通じて糖を作り出します。
この時、日光が平均的な強さならば、海草はきちんと糖を消費して、そのエネルギーを使うことができます。
しかし昼間や夏場のような特に日差しが強い時期には、必要以上に糖を作ってしまいます。
そこで余分なものを地中に捨てているのであろうと…。
ですが、ただ捨てているばかりではないようなんです。
どうもそこには共生関係が育まれているようで、実は海草の防御にもかかわらず、スクロースを食べられる特殊な微生物が存在するようなんです。
そうした微生物は、スクロースを消化して、フェノール類を分解できるわけです。
ですがそれだけではありません。
「窒素」のような海草の成長に必要な養分まで作り出しているのではないかとも考えられるようなんです。
陸上の植物なら根圏の微生物との互恵的な関係がよく知られていますが、海草と根圏微生物との関係はようやく解明され始めたばかりです。
海草群生地には温暖化を食い止める重要な働きがあるわけですが、地球上でもっとも危機に瀕した生息域の1つでもあります。
もし海草が失われれば、そこに蓄えられていたブルーカーボンが大気に放出されることになります。
それまで海草が守っていた糖が微生物によって分解されてしまうからですね。
研究グループの試算によると、そうなれば少なくとも154万トンの二酸化炭素が大気に放出されるそうなんです。
これは33万台の車が1年に排出する二酸化炭素に相当する量だと考えられます。
今、海草群生地の中には毎年7%ずつ失われているところもあるそうなんです。
これはサンゴ礁や熱帯雨林の消失速度に匹敵すると言われています。
また、すでに世界の海草の3分の1が失われた可能性もあるという試算も出ています。
今回の研究は、海草が私たちにとっていかに大切な存在であるのか浮き彫りにしているわけです。
が、これも危険ですね。
守ろうとしなければ、確実に減っていくんじゃないでしょうかね。
その結果、温暖化に拍車がかかると…。
やはり、何でも個々に考えるのではなく、全体として守っていかないとね。
と、強く思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月6日の水曜日でございます。
梅雨が明けてからの方が、天気がパッとしませんなぁ。
では今日のネタですが、今日は海に漂う、海草のお話しでございます。
海草は世界の気候にとって重要な役割を果たしています。
海草の群生地は地球上最大級の二酸化炭素吸収源となるからですが、それだけではありません。
最新の研究によると、なんとその地下には缶コーラ320億本分に相当する「糖」が蓄えられているんだとか…。
海草には地下に排出した糖を守る作用もあるために、糖が微生物によって分解されることはないそうで、二酸化炭素をたっぷり保管できるのもそのおかげであるそうなんです。
世界の海岸沿いには豊かな海草の草原が広がっています。
こうした海草群生地は地球上で最大級の二酸化炭素吸収源でもあり、海草1平方キロあたりに蓄えられている二酸化炭素は、陸上の森林の2倍もの量であり、吸収速度は35倍も速いそうなんです。
こうした海や海洋生態系によって吸収された二酸化炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶんだそうです。
今回ドイツ、マックス・プランク海洋微生物学研究所のグループは、海草が「根圏」(根から出る分泌物と土壌微生物が織りなす地下空間のこと)に大量の糖を放出していることを発見しました。
海草が作り出す糖は、砂糖の主成分である「スクロース(ショ糖)」で、そこにある糖の濃度は、これまで海で計測されたものの80倍も高いんだとか…。
ここから試算すると、世界の海草の根圏には60万〜130万トンもの「スクロース」が存在すると考えられるそうなんです。
これはじつに、コーラ320億缶分の砂糖に相当する量なんだとか。
なんでここでコーラを例に出してるのか分かりませんが、相当な量だと言う事は間違いないでしょう。
微生物は、消化しやすくエネルギー豊富な糖が大好きです。
ですが海草の根元にある糖は、微生物によって食い尽くされたりはしません。
それは地上の植物と同じく、海草もまた地中に、ある化合物を放出して守っているからなんですね。
このある化合物とは、赤ワインやお茶でお馴染みの「フェノール類」(ポリフェノールとは、フェノール類のうち複数のヒドロキシ基を持つもの)のことです。
健康にいいとされるフェノール類ですが、抗菌作用があり、ほとんどの微生物の代謝を阻害してしまいます。
これがあるおかげで、海草の根の周囲には御馳走がたくさんあるというのに、微生物はそれを食べることができないわけです。
ではなぜ海草はこれほどの糖を作り、地中に捨てるのでしょうか?
それでいて糖を微生物から守っている格好になりますから、非常に不思議な話です。
研究グループによれば、理由の1つは、安全弁のような機能があるからではないかと言う事のようです。
海草は光合成を通じて糖を作り出します。
この時、日光が平均的な強さならば、海草はきちんと糖を消費して、そのエネルギーを使うことができます。
しかし昼間や夏場のような特に日差しが強い時期には、必要以上に糖を作ってしまいます。
そこで余分なものを地中に捨てているのであろうと…。
ですが、ただ捨てているばかりではないようなんです。
どうもそこには共生関係が育まれているようで、実は海草の防御にもかかわらず、スクロースを食べられる特殊な微生物が存在するようなんです。
そうした微生物は、スクロースを消化して、フェノール類を分解できるわけです。
ですがそれだけではありません。
「窒素」のような海草の成長に必要な養分まで作り出しているのではないかとも考えられるようなんです。
陸上の植物なら根圏の微生物との互恵的な関係がよく知られていますが、海草と根圏微生物との関係はようやく解明され始めたばかりです。
海草群生地には温暖化を食い止める重要な働きがあるわけですが、地球上でもっとも危機に瀕した生息域の1つでもあります。
もし海草が失われれば、そこに蓄えられていたブルーカーボンが大気に放出されることになります。
それまで海草が守っていた糖が微生物によって分解されてしまうからですね。
研究グループの試算によると、そうなれば少なくとも154万トンの二酸化炭素が大気に放出されるそうなんです。
これは33万台の車が1年に排出する二酸化炭素に相当する量だと考えられます。
今、海草群生地の中には毎年7%ずつ失われているところもあるそうなんです。
これはサンゴ礁や熱帯雨林の消失速度に匹敵すると言われています。
また、すでに世界の海草の3分の1が失われた可能性もあるという試算も出ています。
今回の研究は、海草が私たちにとっていかに大切な存在であるのか浮き彫りにしているわけです。
が、これも危険ですね。
守ろうとしなければ、確実に減っていくんじゃないでしょうかね。
その結果、温暖化に拍車がかかると…。
やはり、何でも個々に考えるのではなく、全体として守っていかないとね。
と、強く思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院