トマトとビタミン
2022年07月05日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。
7月5日の火曜日でございます。
梅雨明けからの、猛暑日、そして梅雨のような雨…。
なんとも落ち着きのない夏ですが、気温はまずまずそこまで暑くないですな。
では今日のネタですが、今日はみんな大好き「トマト」のお話しです。
腸の栄養吸収や、カルシウムの吸収を促進してくれるのが「ビタミンD」なんですが、これを含む食品は意外と限られています。
英国などの研究グループは、遺伝子編集技術で、ビタミンDが多く含まれるトマトを作ることに成功したんだそうです。
EUを離脱した英国では、こうした遺伝子編集食品の導入へ向けた動きが進んでおり、先日、遺伝子編集作物の商業的な栽培を許可する法案が提出されると報道されました。
もし可決されれば、イギリスのスーパーの棚に、ビタミンDが含まれたトマトが並ぶようになるかもしれません。
ビタミンDは肝臓と腎臓を経て、活性型ビタミンDに変わり、主に体内の機能性たんぱく質の働きを活性化させます。
正常な骨格と歯の発育を促し、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがある大切な栄養素です。
ビタミンというと野菜類に多く含まれているイメージがありますが、実はビタミンDは野菜にはほとんど含まれていません。
きのこ類、魚介類、卵類、乳類に含まれている他、皮膚が紫外線に当たることによっても生成されますが、現状は、世界的なビタミンD不足が問題となっているんですね。
ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となる場合もあります。
そのため、骨に影響を与えるほか、がん・パーキンソン病・認知症といった病気になるリスクが高まるという研究データもあるくらいです。
世界では10億人もの人々がビタミンD不足に起因する病気を患っていると推計されているそうです。
30分も日光を浴びれば人体は十分なビタミンDを生成してくれるんですが、それだけの時間毎日外にいられない人もいます。
わたくし院長もその一人です。
日頃は、ずっと室内にいますから、日光を浴びるのは夏場で1日15分、冬場だと限りなくゼロに近いです(笑)
だからこそ、食べ物からきちんと摂取することが大切なわけです。
そこで英ジョン・イネス・センターなどの研究グループは、遺伝子を編集したトマトでビタミンD不足を解消しようと考えたようなんです。
体に良い成分が含まれるトマトですが、特にビタミンDは含まれていません。
ビタミン前駆体である「プロビタミンD3」が「7-デヒドロコレステロール(7-DHC)還元酵素」によってコレステロールに変換されてしまうからです。
そこで研究グループは、還元酵素を作る遺伝子を編集して、ビタミン前駆体からコレステロールへの変換を阻害しました。
なお遺伝子編集と遺伝子組換えとこの微妙な言葉の違いなんですが、遺伝子編集が遺伝子を切除するのに対して、遺伝子組換えは遺伝子を追加する点にあります。
そうした遺伝子編集トマトの皮に含まれたプロビタミンD3は、紫外線に当たると「ビタミンD3」に転換されます。
ですからトマトでありながら、ビタミンDが豊富に含まれているというわけです。
研究グループの調べによると、遺伝子編集トマトのビタミンD3は、中サイズの卵2個分やツナ28グラム分に相当するそうです。
これなら子供にも大人にも1日の量としては十分と言えるでしょう。
また遺伝子編集によるトマトの発育や収穫量への影響はなかったとのことです。
ま、これは将来的にどうなるか分かりませんけどね(笑)
こうした成果は、ビタミンD3を主に動物性食品から得ている人にとっては特に意味あることといえるかもしれません。
動物性食品は植物性食品に比べて、生産に必要な資源も多いため環境への負荷も大きいです。
EUを離脱した英国では、こうした遺伝子編集食品を容認しようという動きがあるようなんですね。
BBCでは先日、遺伝子編集が安全であると判断し、この技術を利用した食品開発を認める旨の法案が英国議会に提出されると報じています。
これは栄養だけでなく、温暖化や環境問題とも関係のある話となっています。
温暖化が進み、干ばつが増えるようになれば、干ばつに強い作物が必要になります。
また農薬を減らすならば、病気に強い作物が必要とも言えるでしょう。
遺伝子編集技術ならば、そうした需要に素早く対応できるようになるという考えのようですね。
英国の法案が可決されれば、一番最初にスーパーの棚に並ぶのは、ビタミンDたっぷりの遺伝子編集トマトなんてこともあるかもしれません。
まぁねぇ。
これはまさに対処療法と言えるんじゃないでしょうかね。
遺伝子組み換え、遺伝子操作が悪いかどうかは別として、温暖化や環境問題からってことなら、そこの元を見直さないとねぇ。
対処してたら、元を正さなくてよくなりますし、そうなると悪くなる一方って気もしますしね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月5日の火曜日でございます。
梅雨明けからの、猛暑日、そして梅雨のような雨…。
なんとも落ち着きのない夏ですが、気温はまずまずそこまで暑くないですな。
では今日のネタですが、今日はみんな大好き「トマト」のお話しです。
腸の栄養吸収や、カルシウムの吸収を促進してくれるのが「ビタミンD」なんですが、これを含む食品は意外と限られています。
英国などの研究グループは、遺伝子編集技術で、ビタミンDが多く含まれるトマトを作ることに成功したんだそうです。
EUを離脱した英国では、こうした遺伝子編集食品の導入へ向けた動きが進んでおり、先日、遺伝子編集作物の商業的な栽培を許可する法案が提出されると報道されました。
もし可決されれば、イギリスのスーパーの棚に、ビタミンDが含まれたトマトが並ぶようになるかもしれません。
ビタミンDは肝臓と腎臓を経て、活性型ビタミンDに変わり、主に体内の機能性たんぱく質の働きを活性化させます。
正常な骨格と歯の発育を促し、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、血中カルシウム濃度を一定に調節することで、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがある大切な栄養素です。
ビタミンというと野菜類に多く含まれているイメージがありますが、実はビタミンDは野菜にはほとんど含まれていません。
きのこ類、魚介類、卵類、乳類に含まれている他、皮膚が紫外線に当たることによっても生成されますが、現状は、世界的なビタミンD不足が問題となっているんですね。
ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となる場合もあります。
そのため、骨に影響を与えるほか、がん・パーキンソン病・認知症といった病気になるリスクが高まるという研究データもあるくらいです。
世界では10億人もの人々がビタミンD不足に起因する病気を患っていると推計されているそうです。
30分も日光を浴びれば人体は十分なビタミンDを生成してくれるんですが、それだけの時間毎日外にいられない人もいます。
わたくし院長もその一人です。
日頃は、ずっと室内にいますから、日光を浴びるのは夏場で1日15分、冬場だと限りなくゼロに近いです(笑)
だからこそ、食べ物からきちんと摂取することが大切なわけです。
そこで英ジョン・イネス・センターなどの研究グループは、遺伝子を編集したトマトでビタミンD不足を解消しようと考えたようなんです。
体に良い成分が含まれるトマトですが、特にビタミンDは含まれていません。
ビタミン前駆体である「プロビタミンD3」が「7-デヒドロコレステロール(7-DHC)還元酵素」によってコレステロールに変換されてしまうからです。
そこで研究グループは、還元酵素を作る遺伝子を編集して、ビタミン前駆体からコレステロールへの変換を阻害しました。
なお遺伝子編集と遺伝子組換えとこの微妙な言葉の違いなんですが、遺伝子編集が遺伝子を切除するのに対して、遺伝子組換えは遺伝子を追加する点にあります。
そうした遺伝子編集トマトの皮に含まれたプロビタミンD3は、紫外線に当たると「ビタミンD3」に転換されます。
ですからトマトでありながら、ビタミンDが豊富に含まれているというわけです。
研究グループの調べによると、遺伝子編集トマトのビタミンD3は、中サイズの卵2個分やツナ28グラム分に相当するそうです。
これなら子供にも大人にも1日の量としては十分と言えるでしょう。
また遺伝子編集によるトマトの発育や収穫量への影響はなかったとのことです。
ま、これは将来的にどうなるか分かりませんけどね(笑)
こうした成果は、ビタミンD3を主に動物性食品から得ている人にとっては特に意味あることといえるかもしれません。
動物性食品は植物性食品に比べて、生産に必要な資源も多いため環境への負荷も大きいです。
EUを離脱した英国では、こうした遺伝子編集食品を容認しようという動きがあるようなんですね。
BBCでは先日、遺伝子編集が安全であると判断し、この技術を利用した食品開発を認める旨の法案が英国議会に提出されると報じています。
これは栄養だけでなく、温暖化や環境問題とも関係のある話となっています。
温暖化が進み、干ばつが増えるようになれば、干ばつに強い作物が必要になります。
また農薬を減らすならば、病気に強い作物が必要とも言えるでしょう。
遺伝子編集技術ならば、そうした需要に素早く対応できるようになるという考えのようですね。
英国の法案が可決されれば、一番最初にスーパーの棚に並ぶのは、ビタミンDたっぷりの遺伝子編集トマトなんてこともあるかもしれません。
まぁねぇ。
これはまさに対処療法と言えるんじゃないでしょうかね。
遺伝子組み換え、遺伝子操作が悪いかどうかは別として、温暖化や環境問題からってことなら、そこの元を見直さないとねぇ。
対処してたら、元を正さなくてよくなりますし、そうなると悪くなる一方って気もしますしね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院