哺乳類単為生殖
2022年04月21日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
4月21日の木曜日でございます。
もう来週にはゴールデンウィークがきますわなぁ。
すっかり春っぽくなったかと思うと寒い日があったりと、まだまだ安定しませんが、まぁそれでも春ですな。
ま、その暖かさも1ヶ月もあるかないかですよね。
次に来るのは、蒸し暑いだけの梅雨でございますよ。
何といっても、一年で一番過ごしにくい、不快指数的にはダントツトップの梅雨ですわ。
そしてその鬱陶しさがなくなったかと思うと、次は灼熱の夏と、これからは苛酷な日々が待ってますんで、過ごしやすい今を出来るだけ楽しみましょう。
ってことで、今日のネタですが、なんと、母親の卵子だけで子供を作ることに成功したってなニュースをお届けしようかと思います。
哺乳類の場合、通常なら父親と母親が受精することで子供が生まれると言う事は子供でも知っています。
ところが父親の精子なしで、母親の卵子だけから子供生まれるケースも稀ですがあります。
これは「単為生殖」と呼ばれているものですが、そのメカニズムは完全には解明されていません。
聖母マリアがそうだったのかどうかもわからないわけですな。
しかし最新の研究で大きな進展がありました。
少なくとも実験室で整えた条件下なら、哺乳類でも単為生殖を起こせることが判明したそうなんです。
マウスを使った最新の研究では、遺伝学的な方法によって、哺乳類の単為生殖を阻んできたとあるハードルをクリアすることに成功したと報告されています。
父親なしで母親に単為生殖させるその方法を「後成的書き換え法」というそうなんです。
DNA配列をいじることなく、遺伝子の発現だけを変えて、オスの精子なしで未受精の「単為生殖胚」を作り出す方法なんだとか…。
この胚をメスに移植して生まれてきたマウスのうちの1匹は、大人にまで成長し、オスと子供を作ることにも成功したそうです。
その後の実験では、さらに2匹の単為生殖マウスが誕生し、無事大人にまで成長しています。
この単為生殖という現象は、子供を作るにはオスとメスの遺伝情報が必要という私たちの常識をくつがえすものとなってます。
実のところ、自然界には、普段は有性生殖でも、折に触れて単為生殖で子供を作る生き物は結構存在します。
たとえば、サメ、ヘビ、カリフォルニアコンドルなどは、オスがいなくても子供が生まれることがあります。
ですが、野生の哺乳類で単為生殖が確認されたことはまだありません。
2004年の実験で、マウスの単為生殖が確認されたことはありますが、同じことが人間でも可能なのかどうかはわからないと…。
今回の研究では、哺乳類の単為生殖を実現する新しい方法が考案されたわけです。
そして、それは「ヘイグ仮説」というものを裏付けるものなんだそうです。
この仮説によれば、母親と父親の胚性遺伝子が対立するために、遺伝子の発現に違いが出てくるのだという話しですが…。
本来、私たちは父親と母親から同じ遺伝子を1つずつ(合計2つ)受け継ぐのですが、ものによっては片方しか発現しない遺伝子があるってことなんですね。
このような母・父いずれか一方に由来する遺伝子しか発現しないことを「ゲノム刷り込み」といいます。
そして、哺乳類の単為生殖が困難とされたのは、これが原因だったわけです。
この問題をクリアするために採用されたのが、「メチル化書き換え法」という方法なんです。
DNA自体は何ら変更することなく、その発現だけを調整するんだそうです(なお、メチル化とは「メチル基」という化学基がDNAに付着したり、外れたりするプロセスのことなんだそうです)
今回、メチル化書き換え法によって、未成熟な卵子(卵母細胞)の「刷り込み制御領域」が7ヶ所書き換えられました。
この領域は、「刷り込み遺伝子」(父か母か、どちらかに由来するものしか発現しない遺伝子)が発現するうえで、重要な役割を果たしています。
そして書き換えの結果、普通なら受精したときにしか活性化しない卵母細胞が活性化し、単為生殖胚の作成に成功。
これをメスに移植すると、無事子供が生まれたということです。
このプロセスには、オスの精子は1匹たりとも使われていないわけです。
ですが、この方法はことさら効率的というわけではないようで、単為生殖胚は数百と作られた中で、きちんと大人になれたのは数匹だけなんだそうです。
では逆に、なぜこの子だけが生き残ったのでしょう?
単為生殖で生まれる子供の生存率を上げるにはどうすればいいのか?
こうしたことは今後の研究で明らかにしていくという話です。
なお研究グループは、今回の成果が、単為生殖技術を「不妊治療」や「再生医療」といった分野に応用する際の基礎になればと期待しているとのことです。
「哺乳類での単為生殖の成功は、農業・研究・医療など各種分野での豊富なチャンスの扉を開く」と、研究グループは結んでいます。
まぁ、不妊治療にももちろんですが、これが人間で行えるとなったら、女性だけで子供が作れるわけですから、それはそれで色々ありそうですなぁ…。
まだ実験段階ですから、何とも言えませんが、こういう生殖行為に関して言えば、自然に任せるってのが一番な気もします。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月21日の木曜日でございます。
もう来週にはゴールデンウィークがきますわなぁ。
すっかり春っぽくなったかと思うと寒い日があったりと、まだまだ安定しませんが、まぁそれでも春ですな。
ま、その暖かさも1ヶ月もあるかないかですよね。
次に来るのは、蒸し暑いだけの梅雨でございますよ。
何といっても、一年で一番過ごしにくい、不快指数的にはダントツトップの梅雨ですわ。
そしてその鬱陶しさがなくなったかと思うと、次は灼熱の夏と、これからは苛酷な日々が待ってますんで、過ごしやすい今を出来るだけ楽しみましょう。
ってことで、今日のネタですが、なんと、母親の卵子だけで子供を作ることに成功したってなニュースをお届けしようかと思います。
哺乳類の場合、通常なら父親と母親が受精することで子供が生まれると言う事は子供でも知っています。
ところが父親の精子なしで、母親の卵子だけから子供生まれるケースも稀ですがあります。
これは「単為生殖」と呼ばれているものですが、そのメカニズムは完全には解明されていません。
聖母マリアがそうだったのかどうかもわからないわけですな。
しかし最新の研究で大きな進展がありました。
少なくとも実験室で整えた条件下なら、哺乳類でも単為生殖を起こせることが判明したそうなんです。
マウスを使った最新の研究では、遺伝学的な方法によって、哺乳類の単為生殖を阻んできたとあるハードルをクリアすることに成功したと報告されています。
父親なしで母親に単為生殖させるその方法を「後成的書き換え法」というそうなんです。
DNA配列をいじることなく、遺伝子の発現だけを変えて、オスの精子なしで未受精の「単為生殖胚」を作り出す方法なんだとか…。
この胚をメスに移植して生まれてきたマウスのうちの1匹は、大人にまで成長し、オスと子供を作ることにも成功したそうです。
その後の実験では、さらに2匹の単為生殖マウスが誕生し、無事大人にまで成長しています。
この単為生殖という現象は、子供を作るにはオスとメスの遺伝情報が必要という私たちの常識をくつがえすものとなってます。
実のところ、自然界には、普段は有性生殖でも、折に触れて単為生殖で子供を作る生き物は結構存在します。
たとえば、サメ、ヘビ、カリフォルニアコンドルなどは、オスがいなくても子供が生まれることがあります。
ですが、野生の哺乳類で単為生殖が確認されたことはまだありません。
2004年の実験で、マウスの単為生殖が確認されたことはありますが、同じことが人間でも可能なのかどうかはわからないと…。
今回の研究では、哺乳類の単為生殖を実現する新しい方法が考案されたわけです。
そして、それは「ヘイグ仮説」というものを裏付けるものなんだそうです。
この仮説によれば、母親と父親の胚性遺伝子が対立するために、遺伝子の発現に違いが出てくるのだという話しですが…。
本来、私たちは父親と母親から同じ遺伝子を1つずつ(合計2つ)受け継ぐのですが、ものによっては片方しか発現しない遺伝子があるってことなんですね。
このような母・父いずれか一方に由来する遺伝子しか発現しないことを「ゲノム刷り込み」といいます。
そして、哺乳類の単為生殖が困難とされたのは、これが原因だったわけです。
この問題をクリアするために採用されたのが、「メチル化書き換え法」という方法なんです。
DNA自体は何ら変更することなく、その発現だけを調整するんだそうです(なお、メチル化とは「メチル基」という化学基がDNAに付着したり、外れたりするプロセスのことなんだそうです)
今回、メチル化書き換え法によって、未成熟な卵子(卵母細胞)の「刷り込み制御領域」が7ヶ所書き換えられました。
この領域は、「刷り込み遺伝子」(父か母か、どちらかに由来するものしか発現しない遺伝子)が発現するうえで、重要な役割を果たしています。
そして書き換えの結果、普通なら受精したときにしか活性化しない卵母細胞が活性化し、単為生殖胚の作成に成功。
これをメスに移植すると、無事子供が生まれたということです。
このプロセスには、オスの精子は1匹たりとも使われていないわけです。
ですが、この方法はことさら効率的というわけではないようで、単為生殖胚は数百と作られた中で、きちんと大人になれたのは数匹だけなんだそうです。
では逆に、なぜこの子だけが生き残ったのでしょう?
単為生殖で生まれる子供の生存率を上げるにはどうすればいいのか?
こうしたことは今後の研究で明らかにしていくという話です。
なお研究グループは、今回の成果が、単為生殖技術を「不妊治療」や「再生医療」といった分野に応用する際の基礎になればと期待しているとのことです。
「哺乳類での単為生殖の成功は、農業・研究・医療など各種分野での豊富なチャンスの扉を開く」と、研究グループは結んでいます。
まぁ、不妊治療にももちろんですが、これが人間で行えるとなったら、女性だけで子供が作れるわけですから、それはそれで色々ありそうですなぁ…。
まだ実験段階ですから、何とも言えませんが、こういう生殖行為に関して言えば、自然に任せるってのが一番な気もします。
今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院