プラスチックと外来種
2022年01月19日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
1月19日の水曜日でございます。
1月も後半戦に入り、ボチボチ一番寒い時期に入ってきましたねぇ。
これから2月はホント寒いんで、さらに注意しましょうね。
さて、連日のようにお話ししている、プラスチックゴミ問題なんですが、今日もその驚くべきお話しをしたいと思います。
昨日は微生物が、プラスチックを分解する進化をとげているなんて話をご紹介しましたが、今日もなかなかな生物のお話しです。
海洋のプラスチックゴミ汚染が世界的な問題となっているわけですが、沿岸の生物はゴミを利用して海に進出するというたくましい適応を見せているそうなんです。
米スミソニアン環境センターをはじめとする研究グループが、「太平洋ゴミベルト」と呼ばれる海に浮かぶゴミを調べたところ、沿岸から数百キロ離れた外洋であるにもかかわらず、沿岸生物が生息していることが判明したんだそうです。
研究者によれば、沿岸生物にとって海洋のプラスチックゴミは、「生息域を拡大する想像以上に大きなチャンス」だったという事のようなんです。
凄まじい自然の驚異なんですが、このせいで海や陸上の生態系が大きく乱れるリスクもあるそうなんです。
ゴミベルトは、主に陸地から流れ込んだプラスチックのゴミが、循環する海流にとらわれてしまうことで形成されていきます。
世界には少なくとも5つのゴミベルトの存在が知られていますが、中でも最大のゴミが集まっているのは、カリフォルニアからハワイの間を循環する「北太平洋亜熱帯旋回」と呼ばれるものです。
ここには、98万平方キロの範囲に7万9000トンものプラスチックが浮かんでおり、「太平洋ゴミベルト」とも呼ばれています。
98万平方キロ…
ピンとこないと思いますが、日本の面積が大体、37万8,000平方キロですから、どんだけエグイ、ゴミベルトかお分かりになるでしょう。
しかしゴミベルトと言っても、その大半は粒子のようなマイクロプラスチックで、肉眼ではほとんど見えません。
ですがゴミの中には網・ブイ・プラスチックボトルといったものも流されており、そこにもともとは沿岸に生息していた生物が住み着いているようなんです。
スミソニアン環境センターのリンゼイ・ハラム氏らは、そうしたグループを「新外洋性neopelagic)生物」と呼んでいます。
沿岸生物が、海を漂うプラスチックに乗って長期間生存できる可能性が指摘されたのは、2011年の東北地方太平洋沖地震による津波がきっかけでした。
そのときは実際にそのような生物が確認されることはほとんどありませんでした。
しかし今回ハラム氏らは、ハワイ大学やオーシャン・ボヤージュ研究所と協力して、北太平洋亜熱帯旋回から103トンのゴミを回収して、調査を実施。
その結果、プラスチックゴミを利用して、イソギンチャク・ヒドロ虫・エビに似た端脚類といった沿岸生物が、ただ生き残っているだけでなく、繁栄していることが明らかになりました。
これまで、生息できる場所が限られ、エサも乏しい外洋は、沿岸生物が生きられるような場所とは考えられていませんでした。
ところが、現実はそうではなかったんですねぇ。
海に浮かぶプラスチックゴミが生息地となり、さらには、どうしたわけかエサまで確保しているようなんです。
新外洋性生物がエサを見つける方法はよくわかっていないようなんですが、海を漂ううちに食料が豊富な海域に流れ着くか、プラスチックゴミ自体に珊瑚のようなエサを引き寄せる機能があるのではないかと推測されているそうです。
かくして新天地を見つけた沿岸生物たちだが、単純に生命のたくましさと喜んでばかりはいられません。
彼らは外洋の生物にとっては外来種となるわけなんですね。
当然ながら外洋にも固有の生物が暮らしています。
そこに余所者がやってくれば、数千年もの間変わることのなかった生態系が乱される恐れがあるわけです。
エサや資源をめぐって在来種と外来種が競合した結果、どのような影響が出るのかほとんど理解されていません。
こうした新外洋性生物がどれほど一般的で、今後も存在し続けるのか、よくわかっていないのが現状です。
プラスチックごみ削減の動きはあるものの、50年までには世界のプラスチック廃棄物は250億トン以上になると推定されています。
また温暖化の影響で暴風雨が増え、海に流されるプラスチックゴミも増えるだろうとの予測もあります。
実際、暴風雨とか竜巻とか、増えてますよね。
海のプラスチック汚染が、生物の生息域を変化させるなど、これまでほとんど見落とされていました。
しかし、いずれは海と陸の生物をガラリと変えてしまう可能性もあるといいますから、これはこれで由々しき事態と言えるでしょう。
もう、ホント、このプラスチック問題、解決せんとアカンね。
問題があらゆる方向に飛び火してますもんね。
毎回、この問題のネタでは言ってますけど、まずすぐにプラスチックを廃止しないといけないと思います。
それでも、ゴミをなくせるわけじゃないですしね。
今から、減らしましょう的な事では、もう手遅れになりますよ。
今後一切、プラスチックゴミを出さないとしたうえで、過去のゴミに向き合わないと、キリがないですよ。
と、わたくし院長は思うんですが…。
無理だろうな(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月19日の水曜日でございます。
1月も後半戦に入り、ボチボチ一番寒い時期に入ってきましたねぇ。
これから2月はホント寒いんで、さらに注意しましょうね。
さて、連日のようにお話ししている、プラスチックゴミ問題なんですが、今日もその驚くべきお話しをしたいと思います。
昨日は微生物が、プラスチックを分解する進化をとげているなんて話をご紹介しましたが、今日もなかなかな生物のお話しです。
海洋のプラスチックゴミ汚染が世界的な問題となっているわけですが、沿岸の生物はゴミを利用して海に進出するというたくましい適応を見せているそうなんです。
米スミソニアン環境センターをはじめとする研究グループが、「太平洋ゴミベルト」と呼ばれる海に浮かぶゴミを調べたところ、沿岸から数百キロ離れた外洋であるにもかかわらず、沿岸生物が生息していることが判明したんだそうです。
研究者によれば、沿岸生物にとって海洋のプラスチックゴミは、「生息域を拡大する想像以上に大きなチャンス」だったという事のようなんです。
凄まじい自然の驚異なんですが、このせいで海や陸上の生態系が大きく乱れるリスクもあるそうなんです。
ゴミベルトは、主に陸地から流れ込んだプラスチックのゴミが、循環する海流にとらわれてしまうことで形成されていきます。
世界には少なくとも5つのゴミベルトの存在が知られていますが、中でも最大のゴミが集まっているのは、カリフォルニアからハワイの間を循環する「北太平洋亜熱帯旋回」と呼ばれるものです。
ここには、98万平方キロの範囲に7万9000トンものプラスチックが浮かんでおり、「太平洋ゴミベルト」とも呼ばれています。
98万平方キロ…
ピンとこないと思いますが、日本の面積が大体、37万8,000平方キロですから、どんだけエグイ、ゴミベルトかお分かりになるでしょう。
しかしゴミベルトと言っても、その大半は粒子のようなマイクロプラスチックで、肉眼ではほとんど見えません。
ですがゴミの中には網・ブイ・プラスチックボトルといったものも流されており、そこにもともとは沿岸に生息していた生物が住み着いているようなんです。
スミソニアン環境センターのリンゼイ・ハラム氏らは、そうしたグループを「新外洋性neopelagic)生物」と呼んでいます。
沿岸生物が、海を漂うプラスチックに乗って長期間生存できる可能性が指摘されたのは、2011年の東北地方太平洋沖地震による津波がきっかけでした。
そのときは実際にそのような生物が確認されることはほとんどありませんでした。
しかし今回ハラム氏らは、ハワイ大学やオーシャン・ボヤージュ研究所と協力して、北太平洋亜熱帯旋回から103トンのゴミを回収して、調査を実施。
その結果、プラスチックゴミを利用して、イソギンチャク・ヒドロ虫・エビに似た端脚類といった沿岸生物が、ただ生き残っているだけでなく、繁栄していることが明らかになりました。
これまで、生息できる場所が限られ、エサも乏しい外洋は、沿岸生物が生きられるような場所とは考えられていませんでした。
ところが、現実はそうではなかったんですねぇ。
海に浮かぶプラスチックゴミが生息地となり、さらには、どうしたわけかエサまで確保しているようなんです。
新外洋性生物がエサを見つける方法はよくわかっていないようなんですが、海を漂ううちに食料が豊富な海域に流れ着くか、プラスチックゴミ自体に珊瑚のようなエサを引き寄せる機能があるのではないかと推測されているそうです。
かくして新天地を見つけた沿岸生物たちだが、単純に生命のたくましさと喜んでばかりはいられません。
彼らは外洋の生物にとっては外来種となるわけなんですね。
当然ながら外洋にも固有の生物が暮らしています。
そこに余所者がやってくれば、数千年もの間変わることのなかった生態系が乱される恐れがあるわけです。
エサや資源をめぐって在来種と外来種が競合した結果、どのような影響が出るのかほとんど理解されていません。
こうした新外洋性生物がどれほど一般的で、今後も存在し続けるのか、よくわかっていないのが現状です。
プラスチックごみ削減の動きはあるものの、50年までには世界のプラスチック廃棄物は250億トン以上になると推定されています。
また温暖化の影響で暴風雨が増え、海に流されるプラスチックゴミも増えるだろうとの予測もあります。
実際、暴風雨とか竜巻とか、増えてますよね。
海のプラスチック汚染が、生物の生息域を変化させるなど、これまでほとんど見落とされていました。
しかし、いずれは海と陸の生物をガラリと変えてしまう可能性もあるといいますから、これはこれで由々しき事態と言えるでしょう。
もう、ホント、このプラスチック問題、解決せんとアカンね。
問題があらゆる方向に飛び火してますもんね。
毎回、この問題のネタでは言ってますけど、まずすぐにプラスチックを廃止しないといけないと思います。
それでも、ゴミをなくせるわけじゃないですしね。
今から、減らしましょう的な事では、もう手遅れになりますよ。
今後一切、プラスチックゴミを出さないとしたうえで、過去のゴミに向き合わないと、キリがないですよ。
と、わたくし院長は思うんですが…。
無理だろうな(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院