スーパー昆虫。
2021年05月14日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
5月14日の金曜日でございます。
だいぶ春と言うには暑い気候になってきましたね。
これからドンドンきちゃうねぇ。
日ごとに温度と湿度が上がりますし、夏の準備、梅雨がきますね〜。
そして、このころから当院では夜になると、どこからともなく虫が寄ってくるんですよね。
というのも、当院の前の通り、夜は意外と暗くて、明るい窓にデーっと虫がくるわけですよ。
まぁ、毎年の事なんで、夏の風物詩的な感覚もありますが、時々ひくくらい大きめの蛾とか居たりしてマジで嫌なんすよね。
わたくし院長、都会育ちなもんで虫は無理です。
虫を捕まえる位ならヘビと戦う方がましですな(笑)
てな、虫話から、今日のネタは当然、虫に関するお話しです。
中国の研究で、植物のDNAを体内に取り入れ、毒耐性を付ける昆虫の存在が明らかになったそうです。
相手の能力を吸収して利用するとか、かなり高度な技術を持った昆虫なんですが、その生態が確認されたようです。
動物ほどには体が動かない植物は、身を守るために毒を発達させてきました。
ところが不思議なことに、せっかく編み出された毒を意に介さない昆虫たちもいるわけです。
一体昆虫はどうやって毒への耐性を身につけることができたのでしょうか?
中国農業科学院をはじめとするグループによれば、その1つに、相手の能力を吸収して利用する能力にあるといいます。
最新の研究では、「コナジラミ」が植物のDNAを手に入れて、毒から身を守っていることが確認されたそうです。
植物と動物の間で遺伝子の水平伝播が観察されたのは史上初めてのことであるそうです。
植物と動物の遺伝子交換…
なんか凄そうですなぁ。
と言うのも、一般に遺伝子は親から子へと「垂直」に伝えられます。
しかし時に、種から別の種へと「水平」に伝えられることがあるらしいんですが、これを「遺伝子の水平伝播」と言うんだそうです。
細菌では時折起こるらしいんですが、多細胞生物の間ではきわめて稀な現象です。
わたくし院長も初めて聞きました。
しかも、今回のは動物と植物ですやん。
不思議と言う他ありません。
このただでさえ稀な水平伝播が、動物と植物で起きたことが確認されたのは、害虫として知られる「コナジラミ」というカメムシ目の昆虫です。
成虫になると白いハエを連想させるコナジラミの腸組織から、「BtPMaT1」という植物由来の遺伝子が発見されたのです。
これは植物が「フェノール配糖体」という自分の毒から身を守るための防御遺伝子だそうなんですが、コナジラミは狡猾にもこれを利用して植物の毒から身を守っているんだとか…。
「BtPMaT1」遺伝子は、グルコシドの化学基に付着する酵素を作り出し、コナジラミの体内で起こる有害な作用を防いでいます。
実際、コナジラミがトマトを食べたとき、BtPMaT1がフェノール配糖体を中和して無害化されることが観察されたとのことです。
相手の防御メカニズムを自身のゲノムに取り込み、無効化するコナジラミの戦略を、研究グループは、中国の古典『韓非子』に記されている「矛盾」というエピソードに喩えています。
最強の矛には最強の盾で対抗すればいいというわけですな。
まぁ、植物が自分で作った毒を中和させるために持ってる遺伝子ですから、これさえあればだれでもこの毒を中和出来るわけですわね。
理屈は簡単なんですが、ではコナジラミは一体どうやって植物の遺伝子を手に入れたのでしょう?
研究では、古代のウイルスが関係しているらしいことが示唆されています。
ウイルスがその遺伝子をコナジラミの体内に運び込んだのだとか…。
これについては、まったく新しい遺伝的変化と進化の発生ルートを示していると、研究グループの1人、スイス、ヌーシャテル大学のテッド・チューリングズ氏も言うてます。
で、次に研究グループは、この知見をもとに新しい害虫駆除法の開発を目論んでいるんだそうです。
ベトベトした甘露を分泌し、ウイルス病を媒介することもあるコナジラミは、トマトやタバコといった農作物に大きな被害をもたらす害虫として知られています。
しかし今回の研究では、RNAでトマトを遺伝的に改変することで、BtPMaT1を抑制することにすでに成功しています。
つまり、コナジラミが遺伝子組み換え植物を食べると、このRNAが取り込まれ、それが問題の遺伝子に干渉します。
その結果、コナジラミはフェノール配糖体を中和できなくなり、死んでしまいます」と、チューリングズ氏は説明しています。
このように高い効果がある一方、アブラムシといったコナジラミ以外の昆虫には無害であることも確認されているそうです。
ですが、遺伝子組み換え作物は予期せぬ副作用が危惧されるために、まだまだ調査が必要とのことです。
ま、こちらも理屈は分かりますが、どうでしょうねぇ…。
コナジラミを駆除する為に、トマトの遺伝子を組み換えるってのは、いかがなもんかと言う気しかしませんよね。
まぁ、害虫なわけですから駆除したい気持ちは分かりますが、この方法はよろしくない気がします。
仮に、この方法で駆除しても、きっとこのコナジラミは、さらに進化し、それすら無力化するだけの遺伝子を手に入れそうですけどね。
にしても、世の中にはスゴイ生き物もいるんですね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月14日の金曜日でございます。
だいぶ春と言うには暑い気候になってきましたね。
これからドンドンきちゃうねぇ。
日ごとに温度と湿度が上がりますし、夏の準備、梅雨がきますね〜。
そして、このころから当院では夜になると、どこからともなく虫が寄ってくるんですよね。
というのも、当院の前の通り、夜は意外と暗くて、明るい窓にデーっと虫がくるわけですよ。
まぁ、毎年の事なんで、夏の風物詩的な感覚もありますが、時々ひくくらい大きめの蛾とか居たりしてマジで嫌なんすよね。
わたくし院長、都会育ちなもんで虫は無理です。
虫を捕まえる位ならヘビと戦う方がましですな(笑)
てな、虫話から、今日のネタは当然、虫に関するお話しです。
中国の研究で、植物のDNAを体内に取り入れ、毒耐性を付ける昆虫の存在が明らかになったそうです。
相手の能力を吸収して利用するとか、かなり高度な技術を持った昆虫なんですが、その生態が確認されたようです。
動物ほどには体が動かない植物は、身を守るために毒を発達させてきました。
ところが不思議なことに、せっかく編み出された毒を意に介さない昆虫たちもいるわけです。
一体昆虫はどうやって毒への耐性を身につけることができたのでしょうか?
中国農業科学院をはじめとするグループによれば、その1つに、相手の能力を吸収して利用する能力にあるといいます。
最新の研究では、「コナジラミ」が植物のDNAを手に入れて、毒から身を守っていることが確認されたそうです。
植物と動物の間で遺伝子の水平伝播が観察されたのは史上初めてのことであるそうです。
植物と動物の遺伝子交換…
なんか凄そうですなぁ。
と言うのも、一般に遺伝子は親から子へと「垂直」に伝えられます。
しかし時に、種から別の種へと「水平」に伝えられることがあるらしいんですが、これを「遺伝子の水平伝播」と言うんだそうです。
細菌では時折起こるらしいんですが、多細胞生物の間ではきわめて稀な現象です。
わたくし院長も初めて聞きました。
しかも、今回のは動物と植物ですやん。
不思議と言う他ありません。
このただでさえ稀な水平伝播が、動物と植物で起きたことが確認されたのは、害虫として知られる「コナジラミ」というカメムシ目の昆虫です。
成虫になると白いハエを連想させるコナジラミの腸組織から、「BtPMaT1」という植物由来の遺伝子が発見されたのです。
これは植物が「フェノール配糖体」という自分の毒から身を守るための防御遺伝子だそうなんですが、コナジラミは狡猾にもこれを利用して植物の毒から身を守っているんだとか…。
「BtPMaT1」遺伝子は、グルコシドの化学基に付着する酵素を作り出し、コナジラミの体内で起こる有害な作用を防いでいます。
実際、コナジラミがトマトを食べたとき、BtPMaT1がフェノール配糖体を中和して無害化されることが観察されたとのことです。
相手の防御メカニズムを自身のゲノムに取り込み、無効化するコナジラミの戦略を、研究グループは、中国の古典『韓非子』に記されている「矛盾」というエピソードに喩えています。
最強の矛には最強の盾で対抗すればいいというわけですな。
まぁ、植物が自分で作った毒を中和させるために持ってる遺伝子ですから、これさえあればだれでもこの毒を中和出来るわけですわね。
理屈は簡単なんですが、ではコナジラミは一体どうやって植物の遺伝子を手に入れたのでしょう?
研究では、古代のウイルスが関係しているらしいことが示唆されています。
ウイルスがその遺伝子をコナジラミの体内に運び込んだのだとか…。
これについては、まったく新しい遺伝的変化と進化の発生ルートを示していると、研究グループの1人、スイス、ヌーシャテル大学のテッド・チューリングズ氏も言うてます。
で、次に研究グループは、この知見をもとに新しい害虫駆除法の開発を目論んでいるんだそうです。
ベトベトした甘露を分泌し、ウイルス病を媒介することもあるコナジラミは、トマトやタバコといった農作物に大きな被害をもたらす害虫として知られています。
しかし今回の研究では、RNAでトマトを遺伝的に改変することで、BtPMaT1を抑制することにすでに成功しています。
つまり、コナジラミが遺伝子組み換え植物を食べると、このRNAが取り込まれ、それが問題の遺伝子に干渉します。
その結果、コナジラミはフェノール配糖体を中和できなくなり、死んでしまいます」と、チューリングズ氏は説明しています。
このように高い効果がある一方、アブラムシといったコナジラミ以外の昆虫には無害であることも確認されているそうです。
ですが、遺伝子組み換え作物は予期せぬ副作用が危惧されるために、まだまだ調査が必要とのことです。
ま、こちらも理屈は分かりますが、どうでしょうねぇ…。
コナジラミを駆除する為に、トマトの遺伝子を組み換えるってのは、いかがなもんかと言う気しかしませんよね。
まぁ、害虫なわけですから駆除したい気持ちは分かりますが、この方法はよろしくない気がします。
仮に、この方法で駆除しても、きっとこのコナジラミは、さらに進化し、それすら無力化するだけの遺伝子を手に入れそうですけどね。
にしても、世の中にはスゴイ生き物もいるんですね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院