糞便移植の底力
2021年03月04日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
3月4日の木曜日でございます。
桃の節句も過ぎましたから、これから春に向かってまっしぐらってトコですが、まだ寒いのは寒いね。
まぁ、暦の上でってヤツは大体少々ずれますから、あとひと月位は暖かかったり寒かったりを繰り返し、そこから徐々に春めいてくることでしょう。
やっぱこの時期、春を待っちゃいますよね〜。
春は一年でも一番過ごしやすい季節ですし、徐々に暖かくなる感じがテンション上がりますもんね。
そして何より、春は短いです。
暖かくなってきたな〜から、暑っ!
までが、この頃じゃ数日しかないなんて年もありますよね。
去年は4月10日頃から緊急事態宣言が発令され、日本中がこの初めての事態に、みんな引き籠りましたもんね。
お花見とかも全然行けなかったもんねぇ。
ま、今年もまだコロナは収束したとは言えませんが、感染者も減り、ワクチン接種も始まってます。
基本的な感染対策をキッチリやっておけば、まぁ少々お花見位はいいんでないのかね。
とか言う油断が一番アカン気もするけど(笑)
とは言っても、もう1年ですからね。
さすがにコロナ疲れも出てきますよね。
てことで、前置きが長引きましたが、きょうもネタにいきましょう。
今日のネタは過去、数回、このブログにも登場しています「糞便移植」についてのお話でございますよ。
去年の9月と10月に、紹介したことがあるんですが、今日はその「糞便移植」が、皮膚がんの治療に有効なんじゃないのかって研究のお話しです。
人間の腸内には100兆もの腸内細菌が潜んでいると言われています。
これはヒトの体の細胞とほぼ同じ数で、食べ物から栄養を取り出したり、免疫反応をアップさせたりと絶妙なバランスを保ちながら共生関係を保っています。
つまり、一旦このバランスが崩れると、様々な病気を発症することが近年の研究で明らかになってきています。
そこで注目されているのが、糞便移植(便微生物移植)というわけなんですな。
日本ではまだ馴染みが薄いですが、すでに欧米諸国では通常医療としてこの治療法は受け入れられていますは。
どういう治療かと言いますと、文字通り、健康な人の便に含まれている腸内細菌を、患者に移植することで、腸内環境を整備するというものなんです。
この治療法、潰瘍性大腸炎や自閉症スペクトラム障害、アルコール依存症などにも効果があったという報告もあったりします。
そしてそれはどうやら、がんにも効果があるかもしれないそうで、最新の研究では、ほとんどの治療で効果が見られなかった皮膚がんの患者に糞便移植を行ったところ、腫瘍が小さくなったそうなんです。
進行した黒色腫(皮膚がんの一種)には、免疫細胞の表面にあるタンパク質(PD-1)を標的とする「免疫チェックポイント阻害剤」がよく行われます。
がん細胞はPD-1受容体を隠れ蓑にして、免疫から逃れるという巧妙な仕組みを持っていますから、免疫チェックポイント阻害剤である「ペンブロリズマブ」は、そうした受容体に結合して、免疫の再活性をうながす薬なわけです。
ですが、50〜70%の患者は結局、治療の甲斐なく病状が悪化してしまうそうなんです。
そして、もしこの免疫療法が効かなければ完全にお手上げとなります。
現時点で認可されている治療法の中に、それ以上のものがないからなんです。
そこで米ピッツバーグ大学をはじめとするグループは、ペンブロリズマブの効果をアップさせる腸内細菌がないか調べてみることにしたそうなんです。
この治療がよく効いた患者の大便から腸内細菌を集めて、それをあまり効かなかった患者に移植しようと考えたわけです。
免疫療法の効果を左右する細菌をピンポイントで見つけ出すことは難しいために、大便に含まれていた腸内細菌を丸ごと移植し、それから12週間後、治療効果に変化があったかどうかが評価されました。
その結果、患者15名中6名は、腫瘍が小さくなっていたか、少なくとも大きくはなっていないことが分かったそうなんです。
中には疲労のような副作用が出た患者もいたそうですが、それも許容範囲だったとのことです。
またその6名の腸内細菌は、最初に腸内細菌が調べられたときよりも、数が増えていたそうです。
さらに血液と腫瘍を分析したところ、「骨髄細胞」という免疫を弱らせる細胞や薬の効きにくさに関係する免疫系分子が減っており、その一方で免疫の獲得に大切な役割を果たしている「免疫記憶細胞」が増えていることも分かったそうです。
こうした結果は、一部の腸内細菌が薬への反応を高め、免疫系が腫瘍をうまく殺せるよう手助けしてくれることを示しているそうですから、これはいけるかもしれません。
とは言え、まだエビデンスも少ないですし、研究はこれからですが、腸内細菌の力は本当に未知数ですよね。
実は人間の寿命を決定付けるのも、この腸内細菌ではないかなんてことを言ってる学者もいるくらいですし、これからの研究に期待大ですな。
そして一度、自分の腸内細菌がキチンとしてるか調べてみたいもんです。
わたくし院長、こう見えて毎日ヨーグルト食べてますから、きっと腸内環境は素晴らしいと思うんですがどうでしょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月4日の木曜日でございます。
桃の節句も過ぎましたから、これから春に向かってまっしぐらってトコですが、まだ寒いのは寒いね。
まぁ、暦の上でってヤツは大体少々ずれますから、あとひと月位は暖かかったり寒かったりを繰り返し、そこから徐々に春めいてくることでしょう。
やっぱこの時期、春を待っちゃいますよね〜。
春は一年でも一番過ごしやすい季節ですし、徐々に暖かくなる感じがテンション上がりますもんね。
そして何より、春は短いです。
暖かくなってきたな〜から、暑っ!
までが、この頃じゃ数日しかないなんて年もありますよね。
去年は4月10日頃から緊急事態宣言が発令され、日本中がこの初めての事態に、みんな引き籠りましたもんね。
お花見とかも全然行けなかったもんねぇ。
ま、今年もまだコロナは収束したとは言えませんが、感染者も減り、ワクチン接種も始まってます。
基本的な感染対策をキッチリやっておけば、まぁ少々お花見位はいいんでないのかね。
とか言う油断が一番アカン気もするけど(笑)
とは言っても、もう1年ですからね。
さすがにコロナ疲れも出てきますよね。
てことで、前置きが長引きましたが、きょうもネタにいきましょう。
今日のネタは過去、数回、このブログにも登場しています「糞便移植」についてのお話でございますよ。
去年の9月と10月に、紹介したことがあるんですが、今日はその「糞便移植」が、皮膚がんの治療に有効なんじゃないのかって研究のお話しです。
人間の腸内には100兆もの腸内細菌が潜んでいると言われています。
これはヒトの体の細胞とほぼ同じ数で、食べ物から栄養を取り出したり、免疫反応をアップさせたりと絶妙なバランスを保ちながら共生関係を保っています。
つまり、一旦このバランスが崩れると、様々な病気を発症することが近年の研究で明らかになってきています。
そこで注目されているのが、糞便移植(便微生物移植)というわけなんですな。
日本ではまだ馴染みが薄いですが、すでに欧米諸国では通常医療としてこの治療法は受け入れられていますは。
どういう治療かと言いますと、文字通り、健康な人の便に含まれている腸内細菌を、患者に移植することで、腸内環境を整備するというものなんです。
この治療法、潰瘍性大腸炎や自閉症スペクトラム障害、アルコール依存症などにも効果があったという報告もあったりします。
そしてそれはどうやら、がんにも効果があるかもしれないそうで、最新の研究では、ほとんどの治療で効果が見られなかった皮膚がんの患者に糞便移植を行ったところ、腫瘍が小さくなったそうなんです。
進行した黒色腫(皮膚がんの一種)には、免疫細胞の表面にあるタンパク質(PD-1)を標的とする「免疫チェックポイント阻害剤」がよく行われます。
がん細胞はPD-1受容体を隠れ蓑にして、免疫から逃れるという巧妙な仕組みを持っていますから、免疫チェックポイント阻害剤である「ペンブロリズマブ」は、そうした受容体に結合して、免疫の再活性をうながす薬なわけです。
ですが、50〜70%の患者は結局、治療の甲斐なく病状が悪化してしまうそうなんです。
そして、もしこの免疫療法が効かなければ完全にお手上げとなります。
現時点で認可されている治療法の中に、それ以上のものがないからなんです。
そこで米ピッツバーグ大学をはじめとするグループは、ペンブロリズマブの効果をアップさせる腸内細菌がないか調べてみることにしたそうなんです。
この治療がよく効いた患者の大便から腸内細菌を集めて、それをあまり効かなかった患者に移植しようと考えたわけです。
免疫療法の効果を左右する細菌をピンポイントで見つけ出すことは難しいために、大便に含まれていた腸内細菌を丸ごと移植し、それから12週間後、治療効果に変化があったかどうかが評価されました。
その結果、患者15名中6名は、腫瘍が小さくなっていたか、少なくとも大きくはなっていないことが分かったそうなんです。
中には疲労のような副作用が出た患者もいたそうですが、それも許容範囲だったとのことです。
またその6名の腸内細菌は、最初に腸内細菌が調べられたときよりも、数が増えていたそうです。
さらに血液と腫瘍を分析したところ、「骨髄細胞」という免疫を弱らせる細胞や薬の効きにくさに関係する免疫系分子が減っており、その一方で免疫の獲得に大切な役割を果たしている「免疫記憶細胞」が増えていることも分かったそうです。
こうした結果は、一部の腸内細菌が薬への反応を高め、免疫系が腫瘍をうまく殺せるよう手助けしてくれることを示しているそうですから、これはいけるかもしれません。
とは言え、まだエビデンスも少ないですし、研究はこれからですが、腸内細菌の力は本当に未知数ですよね。
実は人間の寿命を決定付けるのも、この腸内細菌ではないかなんてことを言ってる学者もいるくらいですし、これからの研究に期待大ですな。
そして一度、自分の腸内細菌がキチンとしてるか調べてみたいもんです。
わたくし院長、こう見えて毎日ヨーグルト食べてますから、きっと腸内環境は素晴らしいと思うんですがどうでしょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院