ネアンデルタール人は痛がり
2020年09月04日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
9月4日の金曜日でございます。
まだ暑い日もありますが、少しずつ秋っぽく感じる時間も出てきましたねぇ〜。
ほんと少しずつですが秋に近づいて、気付いたときには寒くなってますわ。
温暖化の影響で、いつまでも暑いですが、それは地球の問題で、太陽は毎年同じ時期に同じ場所にいるんですよね。
ですから、ボチボチ秋めいてきて、これから寒い冬がやってきます。
コロナも相変らずですよね〜。
感染者も増えたり減ったりで、一時期感染のピークは超えたなんて話もありましたが、依然ブスブスとくすぶってる感じです。
日本でも、感染者の急上昇は収まった感もなくはないですが、その分重症者や死者が増えてるような…
この重症化のメカニズムも、いまいちスッキリとは解明されてませんし、相変らず脅威なのは確かです。
基礎疾患のある人、高齢者以外の場合、遺伝的要素で重症化するなんて話もありますが、じゃーどの遺伝子やねんと…
分からない事ばかりですが、今回ヨーロッパの共同研究で、面白い事が分かったようなんです。
大人なのに痛みに弱く、注射が苦手という方って一定数いらっしゃいます。
わたくし院長、鍼灸師でもありますから鍼を日々さしてます。
この痛みなんて、注射どころか気にならない方ならまったく気にならない程度なんですが、それでも痛いという方がいはります。
これはもしかしたらネアンデルタール人の遺伝子を継承しているかもしれないって研究なんですよ。
どうもネアンデルタール人は、ホモサピエンスである現代人よりも、痛みの閾値(いきち/しきいち 境目となる値)が低かったようなんですね。
つまり、痛みを感じやすかったということです。
ヨーロッパで行われた共同研究によると、すでに絶滅してしまったこの親戚の遺伝子が変異したため、痛みに対してより敏感になってしまったことがわかったそうです。
この遺伝子は、一部の現代人に引き継がれており、通常より痛みに敏感な可能性があるという迷惑な話です(笑)
ネアンデルタール人は、体が頑丈でタフだと一般的には思われているようなんですが、どうやらちょっと違ったようです。
ドイツのマックスプランク研究所、スウェーデンのカロリンスカ研究所の進化遺伝学者たちが、ロシアやクロアチアの洞窟で発見されたネアンデルタール人の遺骨から、最先端技術を使ったゲノム研究を行ないました。
古代人のゲノムから、変異を特定するのは容易ではありませんでしたが、これらのサンプルが非常に高品質なゲノムだったので、現代人にも通じる痛みに関する遺伝子の珍しい変異を見つけ出すことができたそうなんです。
研究者たちは、「Nav1.7」というタンパク質を暗号化する遺伝子「SCN9A」を特定しました。
Nav1.7は、痛みの信号を伝えるチャンネルのようなもので、ネアンダルタール人は、このタンパク質の形状を変化させる3つの変異を持っていたことがわかりました。
これは、ネアンデルタール人の中では一般的だったようで、タンパク質はメッセージを伝える大切なもので、痛みの信号を脳や脊髄に送ります。
で、このNav1.7は、神経線維の痛みの強さを伝える、いわば、ボリュームのつまみのようなものと考えられ、人がもつそれぞれの変異によって、常に痛みを感じる人と、まったく痛みを感じない人の違いが出てくるんだそうです。
痛みは、体のどこかに痛みや不快感を感じると刺激される特殊な神経細胞を通して、伝達されます。
ネアンデルタール人がもっていた3つの変異は、Nav1.7を攻撃的なチャンネルに変えてしまい、変異がない人よりもずっと早く痛みのインパルスをスタートさせることができるんだそうです。
つまり、ネアンデルタール人が現代人よりもより痛みを感じやすかったことを示しているだろうと…
ですがこれは、いきあたりばったりのでたらめな変異ではなく、進化による結果のようなんですね。
がっしりした体躯をもつネアンデルタール人でも、かなり過酷な環境で怪我を負うことはしょっちゅうだったと想像できます。
痛みのボリュームつまみを上げることは、怪我に対処するのに役にたった可能性は十分ありますし、早い段階のケガなら感染症対策にもなったでしょう。
時代が時代ですからちょっとした切り傷なんかでも、感染を起こす確率は今とは比べものにならないでしょうし、早い段階で「痛み」としてそれを知らせられるように進化したってことのようです。
この発見は、現代人の痛みの体験を理解する上で重要な意味をもつと考えられます。
ネアンデルタール人と現代人は、共通の祖先を持ちますが、30万年前から8万年前の間に枝分かれしています。
ネアンデルタール人はおもにユーラシア大陸に住み、ホモサピエンスと頻繁に交わっていたと考えられています。
その結果、現代でも多くの人がネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいることがわかっています。
ネアンデルタール人の変異遺伝子を受け継いだ現代のイギリス人は、生活の中でより痛みに敏感であることが報告されています。
彼らのイオンチャンネルは、簡単に活性化し、痛いという信号をやたら脳に送ってしまうそうなんです。
現代人でも、3つのアミノ酸置換をもつ完全なネアンデルタール変異体をもつ人たちは、とくに痛みに過剰に反応する傾向にあるようで、歯医者や注射を異様に嫌がったりするんだとか…。
とはいえ、負傷やわずかな体調の変化にも早めに対処できるということもあり、痛みを感じやすいことは必ずしも悪いことではないとも言えますが、どうなんでしょうねぇ。
治療方法や薬もなかったネアンデルタール人が感じるべき痛みを、現代人が感じたとしたら、それはちょっと敏感過ぎなんじゃないでしょうかね。
とは言え、痛みというもの個々に感じ方が違い過ぎますし、一概にこの遺伝子のせいとだけは言えないかもしれませんけどね。
わたくし院長、痛みには非常に強い方で、患者さんの苦しみが分かってあげられない事が多々あります(笑)
この痛みをキチンんと数値化とか出来たら、治療にももっと役立てるのになぁとかいつも思います。
結構、ヒドイ状況やのに痛がってない人もいますし、絶対大したことないわってケガやのに、死ぬほど痛がる人もいますしねぇ…。
こういった研究が痛みの数値化に繋がってくれたらいいのになと切に願います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
9月4日の金曜日でございます。
まだ暑い日もありますが、少しずつ秋っぽく感じる時間も出てきましたねぇ〜。
ほんと少しずつですが秋に近づいて、気付いたときには寒くなってますわ。
温暖化の影響で、いつまでも暑いですが、それは地球の問題で、太陽は毎年同じ時期に同じ場所にいるんですよね。
ですから、ボチボチ秋めいてきて、これから寒い冬がやってきます。
コロナも相変らずですよね〜。
感染者も増えたり減ったりで、一時期感染のピークは超えたなんて話もありましたが、依然ブスブスとくすぶってる感じです。
日本でも、感染者の急上昇は収まった感もなくはないですが、その分重症者や死者が増えてるような…
この重症化のメカニズムも、いまいちスッキリとは解明されてませんし、相変らず脅威なのは確かです。
基礎疾患のある人、高齢者以外の場合、遺伝的要素で重症化するなんて話もありますが、じゃーどの遺伝子やねんと…
分からない事ばかりですが、今回ヨーロッパの共同研究で、面白い事が分かったようなんです。
大人なのに痛みに弱く、注射が苦手という方って一定数いらっしゃいます。
わたくし院長、鍼灸師でもありますから鍼を日々さしてます。
この痛みなんて、注射どころか気にならない方ならまったく気にならない程度なんですが、それでも痛いという方がいはります。
これはもしかしたらネアンデルタール人の遺伝子を継承しているかもしれないって研究なんですよ。
どうもネアンデルタール人は、ホモサピエンスである現代人よりも、痛みの閾値(いきち/しきいち 境目となる値)が低かったようなんですね。
つまり、痛みを感じやすかったということです。
ヨーロッパで行われた共同研究によると、すでに絶滅してしまったこの親戚の遺伝子が変異したため、痛みに対してより敏感になってしまったことがわかったそうです。
この遺伝子は、一部の現代人に引き継がれており、通常より痛みに敏感な可能性があるという迷惑な話です(笑)
ネアンデルタール人は、体が頑丈でタフだと一般的には思われているようなんですが、どうやらちょっと違ったようです。
ドイツのマックスプランク研究所、スウェーデンのカロリンスカ研究所の進化遺伝学者たちが、ロシアやクロアチアの洞窟で発見されたネアンデルタール人の遺骨から、最先端技術を使ったゲノム研究を行ないました。
古代人のゲノムから、変異を特定するのは容易ではありませんでしたが、これらのサンプルが非常に高品質なゲノムだったので、現代人にも通じる痛みに関する遺伝子の珍しい変異を見つけ出すことができたそうなんです。
研究者たちは、「Nav1.7」というタンパク質を暗号化する遺伝子「SCN9A」を特定しました。
Nav1.7は、痛みの信号を伝えるチャンネルのようなもので、ネアンダルタール人は、このタンパク質の形状を変化させる3つの変異を持っていたことがわかりました。
これは、ネアンデルタール人の中では一般的だったようで、タンパク質はメッセージを伝える大切なもので、痛みの信号を脳や脊髄に送ります。
で、このNav1.7は、神経線維の痛みの強さを伝える、いわば、ボリュームのつまみのようなものと考えられ、人がもつそれぞれの変異によって、常に痛みを感じる人と、まったく痛みを感じない人の違いが出てくるんだそうです。
痛みは、体のどこかに痛みや不快感を感じると刺激される特殊な神経細胞を通して、伝達されます。
ネアンデルタール人がもっていた3つの変異は、Nav1.7を攻撃的なチャンネルに変えてしまい、変異がない人よりもずっと早く痛みのインパルスをスタートさせることができるんだそうです。
つまり、ネアンデルタール人が現代人よりもより痛みを感じやすかったことを示しているだろうと…
ですがこれは、いきあたりばったりのでたらめな変異ではなく、進化による結果のようなんですね。
がっしりした体躯をもつネアンデルタール人でも、かなり過酷な環境で怪我を負うことはしょっちゅうだったと想像できます。
痛みのボリュームつまみを上げることは、怪我に対処するのに役にたった可能性は十分ありますし、早い段階のケガなら感染症対策にもなったでしょう。
時代が時代ですからちょっとした切り傷なんかでも、感染を起こす確率は今とは比べものにならないでしょうし、早い段階で「痛み」としてそれを知らせられるように進化したってことのようです。
この発見は、現代人の痛みの体験を理解する上で重要な意味をもつと考えられます。
ネアンデルタール人と現代人は、共通の祖先を持ちますが、30万年前から8万年前の間に枝分かれしています。
ネアンデルタール人はおもにユーラシア大陸に住み、ホモサピエンスと頻繁に交わっていたと考えられています。
その結果、現代でも多くの人がネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいることがわかっています。
ネアンデルタール人の変異遺伝子を受け継いだ現代のイギリス人は、生活の中でより痛みに敏感であることが報告されています。
彼らのイオンチャンネルは、簡単に活性化し、痛いという信号をやたら脳に送ってしまうそうなんです。
現代人でも、3つのアミノ酸置換をもつ完全なネアンデルタール変異体をもつ人たちは、とくに痛みに過剰に反応する傾向にあるようで、歯医者や注射を異様に嫌がったりするんだとか…。
とはいえ、負傷やわずかな体調の変化にも早めに対処できるということもあり、痛みを感じやすいことは必ずしも悪いことではないとも言えますが、どうなんでしょうねぇ。
治療方法や薬もなかったネアンデルタール人が感じるべき痛みを、現代人が感じたとしたら、それはちょっと敏感過ぎなんじゃないでしょうかね。
とは言え、痛みというもの個々に感じ方が違い過ぎますし、一概にこの遺伝子のせいとだけは言えないかもしれませんけどね。
わたくし院長、痛みには非常に強い方で、患者さんの苦しみが分かってあげられない事が多々あります(笑)
この痛みをキチンんと数値化とか出来たら、治療にももっと役立てるのになぁとかいつも思います。
結構、ヒドイ状況やのに痛がってない人もいますし、絶対大したことないわってケガやのに、死ぬほど痛がる人もいますしねぇ…。
こういった研究が痛みの数値化に繋がってくれたらいいのになと切に願います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院