トマトコミュニケーション
2020年08月28日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
8月28日の金曜日でございます。
8月も残すところ後3日となりましたね。
8月が終わると夏の終わりです。
暑いけど、夏ではない。
秋と呼ぶには暑すぎますが、季節で考えれば秋の始まりが9月です。
秋は、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などと形容されるように、何をするにも過ごしやすい季節なわけですよ。
ま、暑いには暑いですが、真夏の猛暑から比べると少しはマシですし、これからは良い季節になっていくはずです。
そして、秋は実りの秋とも言いますし、色んな美味しい食べ物もでてきますしね。
ってことで、今日のネタは近頃、チョコチョコ登場している、植物ネタを送りしたいと思います。
今月のブログで、二度ほどサルモネラ菌のお話しを書いております。
これは、元々卵とか肉類にしか繁殖しなかったサルモネラ菌が、植物にも感染繁殖する能力を持ったってお話と、そのサルモネラ中毒が、タマネギから出たってお話しでした。
詳しくは、これとこれを読んでみて下さい。
植物からすると、こういった菌に感染されることが身の危険に繋がるわけで、何としても防がなきゃいけないところなんですが、今日はそんな植物の不思議な話をお送りしたいと思います。
今日の主役は「トマト」でございます。
トマトと言えば、なつの野菜ですが、真っ赤に熟したトマトは本当に美味しいですよね。
生でもいけますし、イタリア料理には欠かすことの出来ない野菜です。
このトマト、動物のように自ら移動することは当然できませんが、その分様々な知恵と工夫で情報伝達を行っているんです。
これまでの研究から、植物は仲間同士コミュニケーションをとっていることが明らかとなっていますが、新たな研究によると、トマトは菌根菌(きんこんきん)を媒介して仲間に合図を送っていることがわかったそうなんです。
きんこんきん?
菌根菌とは、菌根を作って植物と共生する菌類のことで、土壌中の糸状菌が、植物の根の表面または内部に着生したものを菌根と言います。
菌根菌は、土壌中に張り巡らした菌糸から、主にリン酸や窒素を吸収して宿主植物(この場合トマト)に供給し、代わりにエネルギー源として共生主となるトマトが光合成により生産した炭素化合物を得ることで、菌自身が成長するんだそうです。
なんともスゴイメカニズムですが、この菌はトマトにとってのスマホのようなもので、これで仲間とコミュニケーションをとっていたってんですから、どうなってるんでしょう。
今回の研究を率いたアメリカ・アラバマ大学ハンツヴィル校のユーリ・シュテッセル博士の専門は制御工学で、制御アルゴリズムというものは、航空宇宙分野などで幅広く活用されています。
一方、オークウッド大学、生化学者のボルコフ博士は、植物および植物間における電気信号の伝わり方に関する研究を行っていました。
2017年、このふたりは初めてタッグを組み、物理実験と数学モデルを使って、トマト間の電気信号の伝達を研究したそうなんです。
ボルコフ博士は、生化学分野の第一人者で、以前、茎を通した場合と土壌を通した場合の、植物間の電気信号の伝播について研究されていました。
そして、同等の電気回路とそれに対応する数学モデルを作って、このプロセスを再現してみようということになったそうなんです。
つまり、二つの学問のとりあえず、すごい専門家が手を組んだわけで、そりゃスゴイ研究が出来るはずです(笑)
細かいことは抜きにしても、植物は電気信号を発して、自分の体を通してそれを伝播していることがわかっています。
そこでトマトの根を互いに離して別々の土壌に植えてみたところ、トマト間の電気インピーダンス(電流の流れを妨げるもの)がかなり大きくなり、電気信号が伝わらなかったそうなんです。
電気信号は伝わらず、根を通しての植物間のコミュニーケーションが妨げられたわけです。
しかし、植物を同じ土壌に植えると、インピーダンス(電流の流れを妨げるもの)がそれほど大きくなくなり、植物のコミュニケートが可能になることがわかりました。
この電気信号の媒介をしていたのが、土壌のいたるところに存在している菌根菌のネットワークだったってことなんですね。。
先ほども説明したように、菌根菌とは、植物と共生する菌類で、地中にはりめぐらした菌糸を植物の根につけて菌根をつくります。
この菌根菌が電子回路のような働きをして、電気信号が交換されるってわけなんです。
このトマトの実験からは、同種間でのコミュニケートは確認できました。
ですが、菌根菌網を介せば、同種だけでなく、異種間でも互いに電気信号を送ることができる可能性はありうるというと博士たちは考えているようです。
トマトにも、色々話したいことがあるんでしょうなぁ(笑)
実際、植物が危険な情報なんかを共有するって事は知られてますし、トマトが菌を使っても不思議はない気はします。
こんな情報網があれば、サルモネラ菌に汚染される前に、野菜たちが回避してくれたら良いんですけどね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月28日の金曜日でございます。
8月も残すところ後3日となりましたね。
8月が終わると夏の終わりです。
暑いけど、夏ではない。
秋と呼ぶには暑すぎますが、季節で考えれば秋の始まりが9月です。
秋は、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋などと形容されるように、何をするにも過ごしやすい季節なわけですよ。
ま、暑いには暑いですが、真夏の猛暑から比べると少しはマシですし、これからは良い季節になっていくはずです。
そして、秋は実りの秋とも言いますし、色んな美味しい食べ物もでてきますしね。
ってことで、今日のネタは近頃、チョコチョコ登場している、植物ネタを送りしたいと思います。
今月のブログで、二度ほどサルモネラ菌のお話しを書いております。
これは、元々卵とか肉類にしか繁殖しなかったサルモネラ菌が、植物にも感染繁殖する能力を持ったってお話と、そのサルモネラ中毒が、タマネギから出たってお話しでした。
詳しくは、これとこれを読んでみて下さい。
植物からすると、こういった菌に感染されることが身の危険に繋がるわけで、何としても防がなきゃいけないところなんですが、今日はそんな植物の不思議な話をお送りしたいと思います。
今日の主役は「トマト」でございます。
トマトと言えば、なつの野菜ですが、真っ赤に熟したトマトは本当に美味しいですよね。
生でもいけますし、イタリア料理には欠かすことの出来ない野菜です。
このトマト、動物のように自ら移動することは当然できませんが、その分様々な知恵と工夫で情報伝達を行っているんです。
これまでの研究から、植物は仲間同士コミュニケーションをとっていることが明らかとなっていますが、新たな研究によると、トマトは菌根菌(きんこんきん)を媒介して仲間に合図を送っていることがわかったそうなんです。
きんこんきん?
菌根菌とは、菌根を作って植物と共生する菌類のことで、土壌中の糸状菌が、植物の根の表面または内部に着生したものを菌根と言います。
菌根菌は、土壌中に張り巡らした菌糸から、主にリン酸や窒素を吸収して宿主植物(この場合トマト)に供給し、代わりにエネルギー源として共生主となるトマトが光合成により生産した炭素化合物を得ることで、菌自身が成長するんだそうです。
なんともスゴイメカニズムですが、この菌はトマトにとってのスマホのようなもので、これで仲間とコミュニケーションをとっていたってんですから、どうなってるんでしょう。
今回の研究を率いたアメリカ・アラバマ大学ハンツヴィル校のユーリ・シュテッセル博士の専門は制御工学で、制御アルゴリズムというものは、航空宇宙分野などで幅広く活用されています。
一方、オークウッド大学、生化学者のボルコフ博士は、植物および植物間における電気信号の伝わり方に関する研究を行っていました。
2017年、このふたりは初めてタッグを組み、物理実験と数学モデルを使って、トマト間の電気信号の伝達を研究したそうなんです。
ボルコフ博士は、生化学分野の第一人者で、以前、茎を通した場合と土壌を通した場合の、植物間の電気信号の伝播について研究されていました。
そして、同等の電気回路とそれに対応する数学モデルを作って、このプロセスを再現してみようということになったそうなんです。
つまり、二つの学問のとりあえず、すごい専門家が手を組んだわけで、そりゃスゴイ研究が出来るはずです(笑)
細かいことは抜きにしても、植物は電気信号を発して、自分の体を通してそれを伝播していることがわかっています。
そこでトマトの根を互いに離して別々の土壌に植えてみたところ、トマト間の電気インピーダンス(電流の流れを妨げるもの)がかなり大きくなり、電気信号が伝わらなかったそうなんです。
電気信号は伝わらず、根を通しての植物間のコミュニーケーションが妨げられたわけです。
しかし、植物を同じ土壌に植えると、インピーダンス(電流の流れを妨げるもの)がそれほど大きくなくなり、植物のコミュニケートが可能になることがわかりました。
この電気信号の媒介をしていたのが、土壌のいたるところに存在している菌根菌のネットワークだったってことなんですね。。
先ほども説明したように、菌根菌とは、植物と共生する菌類で、地中にはりめぐらした菌糸を植物の根につけて菌根をつくります。
この菌根菌が電子回路のような働きをして、電気信号が交換されるってわけなんです。
このトマトの実験からは、同種間でのコミュニケートは確認できました。
ですが、菌根菌網を介せば、同種だけでなく、異種間でも互いに電気信号を送ることができる可能性はありうるというと博士たちは考えているようです。
トマトにも、色々話したいことがあるんでしょうなぁ(笑)
実際、植物が危険な情報なんかを共有するって事は知られてますし、トマトが菌を使っても不思議はない気はします。
こんな情報網があれば、サルモネラ菌に汚染される前に、野菜たちが回避してくれたら良いんですけどね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院