(171)サンデーイルネス(仮)胆道閉鎖症について
2020年06月07日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
6月7日のサンデーイルネスでございます。
6月も1週間が過ぎ、ダンダン梅雨が近付いてきましたよね。
気温の上昇と湿度の上昇で、身体はだいぶ参ってきています。
まだ暑さに慣れてませんし、今年はマスクがまた暑さを倍増させています。
このまま気温が上昇して、真夏の灼熱がくるかと思うと、マスクはヤバいかもねぇ…。
風通しのいい、布マスクとかのほうが楽なんですが、風通しが良い=ウイルス除去力が弱いってことになりますし、なかなかこれも微妙だなと…。
コロナもまだ収束したわけではありませんから、今は出来るだけ免疫を落としたくないですし、まずはこの暑さと湿度で体力を奪われないようにしないとね。
それには規則正しい生活をするのが一番です。
よく食べてよく寝ると。
これが免疫力を高めるポイントですから、しばらくは早寝早起きしましょうね。
あと、ステイホームでどうしても運動不足気味な方も多いでしょうけど、少し身体を動かすのも免疫力を上げるにはいいです。
とは言え、いきなり走ったりしなくてもいいので、本当に身体を動かしてないと思う時は、まずはラジオ体操からはじめましょう。
ラジオ体操、侮るなかれ、あれはなかなか体中の筋肉、関節を稼働させるよう作られてるので、キッチリやると結構いい運動になりますからね。
ってことで、今日も本題に入っていきましょう。
今週のイルネス辞典は、「胆道閉鎖症」について解説していきたいと思います。
まずどんな病気かといますと、肝臓と十二指腸を結ぶ管(総胆管)を含む肝外胆管(かんがいたんかん))が閉塞している病気です。
ここが詰まると、肝臓で作られた胆汁が十二指腸へ排泄できなくなり、黄疸が出て、便が灰白色になり、肝機能障害を呈します。
原因としては、先天的発生異常説、レオウイルス3などによるウイルス感染説、膵胆管(すいたんかん)合流異常説、血行障害説、胆汁酸障害説、免疫異常説など色々あると考えられているんですが、まだはっきりとした原因はわかっていません。
症状としては、正常な状態では、胆汁は肝臓で作られ、胆管を経由して胆嚢に貯蔵され、食物刺激などで十二指腸へ分泌されます。
胆管から十二指腸へ排泄される胆汁が、肝外胆管の閉塞により肝臓内に滞(とどこお)ると、黄疸、灰白色便、濃褐色の尿、肝脾腫(かんひしゅ)、肝機能障害などがおこり、さらに進行すると肝硬変(かんこうへん)の原因にもなります。
肝硬変へ進むと門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)が起こり、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)や痔(ぢ)から出血してきます。
胆汁中に含まれる胆汁酸は脂肪の吸収に必要ですが、胆汁の排泄障害が強いと脂肪吸収が障害され、脂溶性ビタミンの吸収も悪くなってビタミンK欠乏症を起こすほか、肝機能障害から血液凝固因子が作れなくなり、出血傾向(血がとまりにくくなる)が強くなります。
また、著しい肝機能障害に陥ると、蛋白質の合成が低下し、腹水がたまって横隔膜(おうかくまく)を圧迫したり、肺内の血行障害が起こって呼吸障害が生じることもあります。
その他、骨の発育不全、頭蓋内や消化管に出血を伴うこともあります。
胆汁うっ滞が確認されたら、新生児肝炎など、ほかの疾患との区別を進めていきます。
胆道閉鎖症の確定診断には、胆汁が腸管に排泄されていないことを確認する必要があります。
そのために、利胆薬(りたんやく)を使用した状態で十二指腸液を採取したり、体に害のない放射性同位元素を用いた胆汁排泄検査(肝胆道排泄シンチグラフィ)などを行います。
胆道閉鎖症は、症状が新生児肝炎より重症で、組織学的にも肝細胞の変性、肝細胞の巨細胞化のほか、葉間(ようかん)の線維化が起こって偽小葉(ぎしょうよう)が形成され、胆汁性肝硬変へと進んでいきます。
治療としては、胆道閉鎖症と診断されたら、早急に胆汁酸排泄を促して胆汁うっ滞を軽くし、肝細胞損傷の進行をくい止める目的で、肝門部空腸吻合術(くうちょうふんごうじゅつ)(葛西の手術)を行います。
術後も胆汁排泄が認められないもの、上行性胆肝炎(じょうこうせいたんかんえん)を繰り返して肝障害が進行しているもの、腹水があるものなどに対しては、肝臓移植が適応になります。
黄疸と灰白色便が長引く場合は、すぐに小児科医に相談してください。
胆道閉鎖症は、出生後8週間以内に手術することが大切で、8週間を過ぎると肝臓の線維化が進み、術後の胆汁排泄効果が悪くなります。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月7日のサンデーイルネスでございます。
6月も1週間が過ぎ、ダンダン梅雨が近付いてきましたよね。
気温の上昇と湿度の上昇で、身体はだいぶ参ってきています。
まだ暑さに慣れてませんし、今年はマスクがまた暑さを倍増させています。
このまま気温が上昇して、真夏の灼熱がくるかと思うと、マスクはヤバいかもねぇ…。
風通しのいい、布マスクとかのほうが楽なんですが、風通しが良い=ウイルス除去力が弱いってことになりますし、なかなかこれも微妙だなと…。
コロナもまだ収束したわけではありませんから、今は出来るだけ免疫を落としたくないですし、まずはこの暑さと湿度で体力を奪われないようにしないとね。
それには規則正しい生活をするのが一番です。
よく食べてよく寝ると。
これが免疫力を高めるポイントですから、しばらくは早寝早起きしましょうね。
あと、ステイホームでどうしても運動不足気味な方も多いでしょうけど、少し身体を動かすのも免疫力を上げるにはいいです。
とは言え、いきなり走ったりしなくてもいいので、本当に身体を動かしてないと思う時は、まずはラジオ体操からはじめましょう。
ラジオ体操、侮るなかれ、あれはなかなか体中の筋肉、関節を稼働させるよう作られてるので、キッチリやると結構いい運動になりますからね。
ってことで、今日も本題に入っていきましょう。
今週のイルネス辞典は、「胆道閉鎖症」について解説していきたいと思います。
まずどんな病気かといますと、肝臓と十二指腸を結ぶ管(総胆管)を含む肝外胆管(かんがいたんかん))が閉塞している病気です。
ここが詰まると、肝臓で作られた胆汁が十二指腸へ排泄できなくなり、黄疸が出て、便が灰白色になり、肝機能障害を呈します。
原因としては、先天的発生異常説、レオウイルス3などによるウイルス感染説、膵胆管(すいたんかん)合流異常説、血行障害説、胆汁酸障害説、免疫異常説など色々あると考えられているんですが、まだはっきりとした原因はわかっていません。
症状としては、正常な状態では、胆汁は肝臓で作られ、胆管を経由して胆嚢に貯蔵され、食物刺激などで十二指腸へ分泌されます。
胆管から十二指腸へ排泄される胆汁が、肝外胆管の閉塞により肝臓内に滞(とどこお)ると、黄疸、灰白色便、濃褐色の尿、肝脾腫(かんひしゅ)、肝機能障害などがおこり、さらに進行すると肝硬変(かんこうへん)の原因にもなります。
肝硬変へ進むと門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)が起こり、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)や痔(ぢ)から出血してきます。
胆汁中に含まれる胆汁酸は脂肪の吸収に必要ですが、胆汁の排泄障害が強いと脂肪吸収が障害され、脂溶性ビタミンの吸収も悪くなってビタミンK欠乏症を起こすほか、肝機能障害から血液凝固因子が作れなくなり、出血傾向(血がとまりにくくなる)が強くなります。
また、著しい肝機能障害に陥ると、蛋白質の合成が低下し、腹水がたまって横隔膜(おうかくまく)を圧迫したり、肺内の血行障害が起こって呼吸障害が生じることもあります。
その他、骨の発育不全、頭蓋内や消化管に出血を伴うこともあります。
胆汁うっ滞が確認されたら、新生児肝炎など、ほかの疾患との区別を進めていきます。
胆道閉鎖症の確定診断には、胆汁が腸管に排泄されていないことを確認する必要があります。
そのために、利胆薬(りたんやく)を使用した状態で十二指腸液を採取したり、体に害のない放射性同位元素を用いた胆汁排泄検査(肝胆道排泄シンチグラフィ)などを行います。
胆道閉鎖症は、症状が新生児肝炎より重症で、組織学的にも肝細胞の変性、肝細胞の巨細胞化のほか、葉間(ようかん)の線維化が起こって偽小葉(ぎしょうよう)が形成され、胆汁性肝硬変へと進んでいきます。
治療としては、胆道閉鎖症と診断されたら、早急に胆汁酸排泄を促して胆汁うっ滞を軽くし、肝細胞損傷の進行をくい止める目的で、肝門部空腸吻合術(くうちょうふんごうじゅつ)(葛西の手術)を行います。
術後も胆汁排泄が認められないもの、上行性胆肝炎(じょうこうせいたんかんえん)を繰り返して肝障害が進行しているもの、腹水があるものなどに対しては、肝臓移植が適応になります。
黄疸と灰白色便が長引く場合は、すぐに小児科医に相談してください。
胆道閉鎖症は、出生後8週間以内に手術することが大切で、8週間を過ぎると肝臓の線維化が進み、術後の胆汁排泄効果が悪くなります。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院