弘泉堂鍼灸接骨院
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ケープミツバチの陰謀
2020年06月05日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。

6月5日の金曜日でございます。

暑さも増してきましたが、コロナの方は少しずつ、収束に近付いてるんでしょうか。

緊急事態宣言が解除され、休業要請も解かれ出し、日常が帰ってきつつある感じはします。

ですが、まだ東京や北九州市では細かなクラスター毎日確認されてますし、いつまたそれが他府県に飛び火しないとも限りませんからねぇ。

このまま、終わってくれたらいいんですけど、どうもねぇ…。

大体の専門家筋は、秋冬に第二波が来るだの言うてますし、まだまだ予断を許さない状況ではありますね。

とは言え、経済を含めコロナにかかりきってるわけにもいきません。

日常を取り戻しつつ、細心の注意を払って当分は生きてくしかありません。

ってな感じで、今日もネタに突入していくわけですが、今日は久々の動物ネタでもぶっこんでみましょう。

ま、動物と言っても昆虫のお話でございます。

主役はミツバチ、ケープミツバチって蜂にスポットを当ててみましょう。

1匹の女王バチを中心にコロニーを形成し、役割分担をして生活するミツバチの世界。

女王バチは大量の卵を産む係、オスのミツバチは生殖活動を担い、働きバチと呼ばれるメスのミツバチは蜜や花粉の採取や子育て全般を行っています。

ところが、南アフリカに生息するセイヨウミツバチの亜種「ケープミツバチ(学名 Apis mellifera capensis)」には、普通のミツバチとは違う珍しい特徴があります。

それは、女王バチではなく、働きバチの卵からメスが生まれるんだそうです。

一般的に、働きバチは繁殖しないメスだと考えられているんですが、時として単為生殖で無精卵を産むことがあります。

まずこの「単為生殖」ってもんが、我々ヒトからすると不思議なことで、これは簡単に言うとメスだけで子供を作っちゃう行為です。

一般的に、卵といわれるものは、精子が入って受精が行われることで発生が始まり、新たな個体へと成長するんですが、卵が受精を経ずに発生を始めるのが「単為生殖」と呼ばれるものなわけです。

そして、無精卵からはオスしか生まれないのが普通とされてきました。

ところがケープミツバチの働きバチは、己のクローンではありますが、メスを産むことができるんです。

つまり、女王バチとして遺伝的に転生できる可能性があるということなんですね。

このほど、シドニー大学(オーストラリア)の研究チームによって、それを可能にする遺伝子が特定されたってわけなんです。

交尾することなく、単為生殖によって産まれる子の性が、メスのみの場合は「産雌単為生殖」というんですが、これはハチの仲間では、ケープミツバチでしか知られていません。

研究チームによると、その能力の源は11番染色体にある「GB45239」という遺伝子なんだそうです。

このおかげでケープミツバチの働きバチの卵巣は大きく、活性化しやすいそうなんです。

つまり、一介の働きバチが女王バチのフェロモンを漂わせ、巣の中で出産を担うのは自分であると主張することまでできるんです。

しかし、この能力には問題があり、どの働きバチも次の女王として転生できることから、巣が争いにより分断されてしまうんですな。

在位中の女王バチが死んでしまうと、働きバチは次の女王の「母」の座をめぐって争いだすんだそうです。

まぁ、自分の子供を「女王バチ」に出来るとなったらそりゃ、母親からすると争ってでもってなりますわな。

さらに、働きバチなら誰でも女王バチとして転生できるケープミツバチには、よその巣を乗っ取ってしまうっていう非情な側面があるそうです。

アフリカミツバチ(学名 Apis mellifera scutellata)の巣に侵入して、そこで女王として転生すると、彼らに自分の子供の世話をさせてしまうっていうムチャするヤツなんですよ。

ケープミツバチの卵はアフリカミツバチの卵によく似ているそうで、そのためアフリカミツバチの働きバチは、そうとは知らずによそ者の卵や幼虫の面倒を見るんだそうです。

やがて巣はケープミツバチだらけになり、完全に占領されてしまうっていう悲惨さ(笑)

これはいわゆる「托卵」ってヤツで、他の個体に自分の卵を育てさせる行為なんですが、最終的に巣ごと乗っ取っちゃうってのはちょっと独特ですな。

南アフリカでは毎年、この寄生行為によって多くのアフリカミツバチが殺されているそうで、アフリカミツバチは農作物の受粉を手助けしているので、農家にとっては頭の痛い問題なんだそうです。

今回の研究で特に注目すべきは、単為生殖を司る遺伝子のメカニズム解明につながるかもしれないことでしょう。

もし単為生殖のスイッチを制御することができれば、農業やバイオテクノロジーをはじめとするさまざまな分野で応用できる可能性があるわけですね。

まぁ、昆虫の世界にも変わったヤツがおるんですねぇ。

まだまだ世界には謎に満ちたヤツがたくさんいますから、研究者の方はこれからも頑張って下さい。

ま、我々一般人には、あんまり関係ない事ですけどね(笑)

ではまた〜。



020605



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