弘泉堂鍼灸接骨院
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再生薬理学
2020年03月26日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。

3月26日の木曜日でございます。

3月も残すところあと5日となり、ダンダン気候も春めいてきましたよね。

昼間なんか暑い日もあるくらいで、いよいよウララウララな春ですね。

まぁ、今年は世界的にちょっと浮かれる気分ではないですが、コロナも暑くなると弱くなるって説がありましたしね。

あと、湿度にも弱いはずです。

これから、春〜梅雨にかけて、気温と湿度が急上昇する中で、少しは落ち着いてくれると思ってるんですが…。

で、何としてもその間に、ワクチンなり特効薬を開発してもらいたいもんですなぁ…。

これは世界中の薬学科学者の目標でしょうし、製薬会社なんかも必死で開発してるんじゃないでしょうかね。

今、もしもコロナが一発で、コロっと治る薬なんか作れたら、もう安泰(笑)

きっと3代先まで遊んで暮らせるはず。

ま、我々一般人では手も足も出ませんが、早いとこ頼みますよ。

とは言っても風邪の一種ですからねぇ…。

風邪のウイルス自体を退治する薬ってのもまだ出てきてませんし、対処療法に頼るしかないのが現状です。

このコロナは、肺炎を併発しますから死亡率もあがりますし厄介ですが、まぁ普通の免疫があれば大丈夫のはずですから、過度な心配もこれまた必要ありません。

ってことで、今日はそんな特効薬に関係するお話しでもいってみたいと思います。

イギリス、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究グループによると、既存の2種類の薬を組み合わせて使うことにより、骨髄から幹細胞を放出させる効果があり、体に備わった自然治癒力をアップさせられることが分かったそうです。

これをうまく使えば、さまざまな種類の骨折の治癒を助けたり、手術後の速やかな回復を促したりできるかもしれないそうなんです。

この既存の2種類の薬とは、骨髄移植に使われる「CXCR4拮抗薬」と、膀胱の制御に使われる「β3アドレナリン作動薬」というものなんです。

まぁ、全く聞き馴染みのない薬ですが、これらを組み合わせることで違う効果が得られようなんですな。

病気になったり、怪我をしたりしたとき、組織を修復・再生するために骨髄が各種幹細胞を動員することは知られています。

研究グループによると、骨折をしたとき、骨の中の幹細胞が活性化して、やがては治癒するわけですが、あまりにも怪我が酷い場合、体だけでこれを行うには限界があります。

そこで、この2種の薬を使うことで、意図的に骨髄を「警戒態勢」にして、体の治癒プロセスを促進しようというのが、この研究の基本的なアイデアなんだそうです。

なるほど。

骨髄を警戒態勢にするなんて、いかにも早く治りそう(笑)

例によって、ラットを対象とした実験では、投薬後に骨髄から「間充織幹細胞」が放出されることが確認されました。

「間充織幹細胞」ってのは、骨に変化して、骨折の修復を助ける成体幹細胞の1つで、この細胞のおかげで、骨の損傷部位へのカルシウム結合が促進され、ラットの骨の形成と修復速度がアップしたとのことです。

研究グループは今後、人間の健康な被験者でその効果を試し、それが上手くいけば今度は実際の骨折患者での治験に臨みたいと考えているそうです。

そしてこの研究論文によると、今回の薬の片方には、骨髄内の脂肪細胞から「内在性カンナビノイド」を放出させる効果があるらしいんです。

このことは、幹細胞の動員と傷の修復において、内在性カンナビノイドが何らかの役割をはたしている可能性を示唆しているという話です。

「カンナビノイド」…

この言葉も普通の人には馴染みがないかもしれませんが、カンナビノイドとは、麻に含まれる化学物質の総称のことで、いわゆる大麻を吸引した時にもたらす強い陶酔感も、じつはTHC(テトラヒドロカンナビノール)というカンナビノイドの1つによるものです。

ただし、こうした植物性カンナビノイドは、骨髄よりも脳に作用するので、今回の実験で確認されたような治癒促進効果はないんだとか…

でも、医療用大麻を使っている国もありますしね。

少し話は逸れましたが、今回のような既存の薬を本来とは別の使い方をして、体の自然治癒力を助ける方法を「再生薬理学」というそうなんです。

一から新しい幹細胞治療を開発するとなると膨大な時間と費用がかかりますが、すでに体への作用がはっきりしている既存の薬を利用するなら、ずっと速く、安く、かつ安全に新しい治療法を開発することができるんだとか。

ま、こういう新しい発見が医療を根底から変えたりしますからね。

意図的に骨髄を「警戒態勢」にするとか、ちょっとドーピングっぽいですが、そもそもドーピングってのも治療目的で作られた薬剤の副産物みたいなもんですからね。

使い方さえ間違わなければ問題ないんですが、「毒にも薬にもなる」なんて言葉もありますしね。

この再生薬理学って分野も、これからドンドン伸びていくことでしょう。

ではまた〜。


020326


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