(159)サンデーイルネス(仮)アイゼンメンジャー症候群について
2020年03月15日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
3月15日のサンデーイルネスでございます。
3月も折り返しに入り、いよいよ春が近付いてきてますね。
まぁ、まだ気候的には暖かいとは言い難いですが、寒さの質もちょっと変わったかなと…
とは言え、今年は基本的に暖冬でしたから、わたくし院長、寒いと感じたのは2〜3日でしたけど(笑)
例年だとこれ位の時期から、桜がどうのお花見スポットがどうのなんて話も出るんですが、今年はねぇ…。
政府も多人数でのお花見を避けるような指示してますし、寂しいお花見になるんですかねぇ。
そうなると逆に空いてるってんで、集まってくる人もいそうですけど、今年は遠巻きに桜を鑑賞するってのがいいかもしれませんね。
そんななんかスッキリしない春前ですが、今日も元気にネタにいきましょう。
今日の「イルネス辞典」は「アイゼンメンジャー症候群」について解説していきたいと思います。
まぁ、聞き馴染みのない名前だとは思いますが、どんな病気かといいますと、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる)があり、喀血(かっけつ)で亡くなった32歳のウイーンの患者さんに大きな心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)があったことを、アイゼンメンジャー医師が約100年前に医学雑誌に報告したことから、その名前にちなんで、肺高血圧があるために静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが出現するに至った状態をアイゼンメンジャー症候群と呼ぶようになりました。
要するに心臓の病気なんですが、軽く心臓についての解説をしておきます。
ヒトの心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室からなる4つの部屋に分かれています。
それぞれが一定のリズムで収縮と弛緩を繰り返し、全身に血液を送っています。
心臓から送りだされた血液は、全身を廻り、静脈血として戻ってきます。
戻ってきた静脈血は、上下大静脈から右心房に流れ込みます。
右心房の血液は右心室から肺動脈を通って、肺で酸素を取り込んだ後、左右の肺から各2本ずつの肺静脈を経て左心房に入り、僧帽弁を通過して左心室に送られます。
ここで血液は左心室の強い収縮力を受けて大動脈から全身に送り出されるというメカニズムです。
要するに、心臓から出る循環と、心臓に戻ってくる循環があるわけで、これを「体循環(大循環)」、肺循環(小循環)と呼びます。
まず、体循環の説明をしておくと、心臓のポンプ機能によって体内を循環する血液は、全身の各器官や細胞のすみずみに新鮮な酸素や栄養素を運び、さらに不要となった炭酸ガスや老廃物を受け取って、からだの外に排出するために絶え間なく流れています。
体循環(大循環)は心臓→大動脈→動脈→毛細血管→静脈→大静脈→心臓の一連の流れです。1周する時間は約20秒です。
一方、全身から戻ってきた炭酸ガスを多く含む静脈血は一度心臓に戻った後、肺で炭酸ガスから酸素に交換されます(ガス交換)。
その後、酸素を多く含んだ動脈血が心臓から全身に送り出されます。
肺循環(小循環)は心臓→肺動脈→肺→肺静脈→心臓の一連の流れで、1周する時間は約3〜4秒です。
この一連の動きを踏まえて、解説を読み進めて下さい。
まず肺動脈圧は、心臓の収縮と拡張に伴って変化しますが、収縮期血圧と呼ばれるいちばん高い血圧と、拡張期血圧と呼ばれるいちばん低い血圧、そしてその平均である平均血圧で表されます。
肺動脈の圧力は、カテーテルという細い管を肺動脈まで入れて測定したり、心エコー装置で体外から推定したりします。
肺動脈の平均血圧が25oHg以上ある場合を、肺高血圧があると定義します。
軽度の肺高血圧の人はアイゼンメンジャー症候群とは呼びません。
また、肺動脈圧が高い状態でも、大量の動脈血が静脈側に流れ込んでいる状態はアイゼンメンジャー症候群とは呼びません。
アイゼンメンジャー症候群は心房中隔欠損(しんぼうちゅうかくけっそん)、心室中隔欠損、動脈管開存(どうみゃくかんかいぞん)など、通常は動脈血が静脈側に流れ込む病気をもつ人が、肺高血圧がだんだん高度となって、静脈血の一部が動脈側に流れ込むようになって発症します。
アイゼンメンジャー症候群になると、心室中隔欠損や動脈管開存がある場合には、肺動脈の収縮期血圧と大動脈の収縮期血圧とはほぼ同じになります。
アイゼンメンジャー症候群になると、心臓のもともとの病気を治す手術は非常に危険が高くなります。
手術をあえて行って、たとえうまくいっても、その後の寿命をかえって縮める危険性が高くなります。
したがって、本症候群かどうかの境界にいる人で、手術を受けようとする場合には、心臓カテーテル検査を含めた厳密な検査を受ける必要があります。
カテーテル検査はリスクはありますが、診断のために最も重要な検査のひとつです。
まぁ、いきなり罹る病気というわけではないので、心臓の調子が悪いなと感じたなら、早めに診察しとくべきですね。
心臓は全身に血液を送る大事な器官ですからね。
いかがでしたか。
では来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月15日のサンデーイルネスでございます。
3月も折り返しに入り、いよいよ春が近付いてきてますね。
まぁ、まだ気候的には暖かいとは言い難いですが、寒さの質もちょっと変わったかなと…
とは言え、今年は基本的に暖冬でしたから、わたくし院長、寒いと感じたのは2〜3日でしたけど(笑)
例年だとこれ位の時期から、桜がどうのお花見スポットがどうのなんて話も出るんですが、今年はねぇ…。
政府も多人数でのお花見を避けるような指示してますし、寂しいお花見になるんですかねぇ。
そうなると逆に空いてるってんで、集まってくる人もいそうですけど、今年は遠巻きに桜を鑑賞するってのがいいかもしれませんね。
そんななんかスッキリしない春前ですが、今日も元気にネタにいきましょう。
今日の「イルネス辞典」は「アイゼンメンジャー症候群」について解説していきたいと思います。
まぁ、聞き馴染みのない名前だとは思いますが、どんな病気かといいますと、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になる)があり、喀血(かっけつ)で亡くなった32歳のウイーンの患者さんに大きな心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)があったことを、アイゼンメンジャー医師が約100年前に医学雑誌に報告したことから、その名前にちなんで、肺高血圧があるために静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが出現するに至った状態をアイゼンメンジャー症候群と呼ぶようになりました。
要するに心臓の病気なんですが、軽く心臓についての解説をしておきます。
ヒトの心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室からなる4つの部屋に分かれています。
それぞれが一定のリズムで収縮と弛緩を繰り返し、全身に血液を送っています。
心臓から送りだされた血液は、全身を廻り、静脈血として戻ってきます。
戻ってきた静脈血は、上下大静脈から右心房に流れ込みます。
右心房の血液は右心室から肺動脈を通って、肺で酸素を取り込んだ後、左右の肺から各2本ずつの肺静脈を経て左心房に入り、僧帽弁を通過して左心室に送られます。
ここで血液は左心室の強い収縮力を受けて大動脈から全身に送り出されるというメカニズムです。
要するに、心臓から出る循環と、心臓に戻ってくる循環があるわけで、これを「体循環(大循環)」、肺循環(小循環)と呼びます。
まず、体循環の説明をしておくと、心臓のポンプ機能によって体内を循環する血液は、全身の各器官や細胞のすみずみに新鮮な酸素や栄養素を運び、さらに不要となった炭酸ガスや老廃物を受け取って、からだの外に排出するために絶え間なく流れています。
体循環(大循環)は心臓→大動脈→動脈→毛細血管→静脈→大静脈→心臓の一連の流れです。1周する時間は約20秒です。
一方、全身から戻ってきた炭酸ガスを多く含む静脈血は一度心臓に戻った後、肺で炭酸ガスから酸素に交換されます(ガス交換)。
その後、酸素を多く含んだ動脈血が心臓から全身に送り出されます。
肺循環(小循環)は心臓→肺動脈→肺→肺静脈→心臓の一連の流れで、1周する時間は約3〜4秒です。
この一連の動きを踏まえて、解説を読み進めて下さい。
まず肺動脈圧は、心臓の収縮と拡張に伴って変化しますが、収縮期血圧と呼ばれるいちばん高い血圧と、拡張期血圧と呼ばれるいちばん低い血圧、そしてその平均である平均血圧で表されます。
肺動脈の圧力は、カテーテルという細い管を肺動脈まで入れて測定したり、心エコー装置で体外から推定したりします。
肺動脈の平均血圧が25oHg以上ある場合を、肺高血圧があると定義します。
軽度の肺高血圧の人はアイゼンメンジャー症候群とは呼びません。
また、肺動脈圧が高い状態でも、大量の動脈血が静脈側に流れ込んでいる状態はアイゼンメンジャー症候群とは呼びません。
アイゼンメンジャー症候群は心房中隔欠損(しんぼうちゅうかくけっそん)、心室中隔欠損、動脈管開存(どうみゃくかんかいぞん)など、通常は動脈血が静脈側に流れ込む病気をもつ人が、肺高血圧がだんだん高度となって、静脈血の一部が動脈側に流れ込むようになって発症します。
アイゼンメンジャー症候群になると、心室中隔欠損や動脈管開存がある場合には、肺動脈の収縮期血圧と大動脈の収縮期血圧とはほぼ同じになります。
アイゼンメンジャー症候群になると、心臓のもともとの病気を治す手術は非常に危険が高くなります。
手術をあえて行って、たとえうまくいっても、その後の寿命をかえって縮める危険性が高くなります。
したがって、本症候群かどうかの境界にいる人で、手術を受けようとする場合には、心臓カテーテル検査を含めた厳密な検査を受ける必要があります。
カテーテル検査はリスクはありますが、診断のために最も重要な検査のひとつです。
まぁ、いきなり罹る病気というわけではないので、心臓の調子が悪いなと感じたなら、早めに診察しとくべきですね。
心臓は全身に血液を送る大事な器官ですからね。
いかがでしたか。
では来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院