がんとインフル
2020年01月20日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
1月20日の月曜日でございます。
1月も後半戦って事で、本来この時期はメチャクチャ寒いはずなんですが、今年は比較的穏やかな気がするなぁ。
これも温暖化の影響なんでしょうか、まぁ、あまり寒いのも嫌ですけど、ちょっと変な感じはしますね。
で、ここらあたりから極寒と共に、インフルエンザも猛威をふるいだすわけなんですが、今年はそれもイマイチみたいですな。
まぁ、インフルエンザなんざ流行らないに越したことはないですが、今日はそんなインフルエンザ・ワクチンについてのお話ー…。
なんでもアメリカの研究で、インフルエンザ・ワクチンを腫瘍に注射することで、がん細胞を減らすことができるとする研究結果が出たんだとか…
インフルエンザワクチンを腫瘍に注射ー。
どういうことなんでしょう。
実は数年前、ウィルスを利用してがんを殺す方法が話題になったことがあります。
がん細胞をウィルスに感染させ増殖させることでがん細胞を破壊し、また次のターゲットを探すという方法ですね。
仮にがん細胞にしか感染しないウイルスを作り出すことができたとしたら、その細胞だけを選択的に殺すことが可能になるってことですね。
しかし、ことはそう単純ではないわけですよ。
免疫系がウィルスに反応して、せっかくの治療効果を抑制してしまいます。
しかも腫瘍を殺す効果の一部は、ウィルスというよりも、免疫系の働きによるものではないかとも言われています。
そこで注目されたのが、ウイルスではなく腫瘍で生じた免疫反応の方で、インフルエンザのワクチンを腫瘍に注射して免疫反応を起こし、それによって殺してしまおうというんですね。
まず分かってないといけないのが、免疫細胞で構成される免疫系は常に体全体をカバーしているわけではないということです。
つまり、免疫細胞は感染が起きた部位で組織され、互いに連絡を取りながら、標的に対して攻撃をくわえたり、健康な細胞が巻き添えを食わないよう攻撃を調整したりしています。
この視点から見ると、免疫系ががん細胞を駆逐できない理由は、ただそれらが健康な細胞と似ているからなんだそうなんです。
健康な細胞を傷つけないように攻撃を抑制する信号ネットワークのおかげで、がん細胞は攻撃を免れているってことのようなんですね。
ですから最近では、こうした免疫抑制機能を阻害する薬が開発されています。
これはノーベル賞を受賞された、本庶佑先生らによって免疫細胞の攻撃を抑制するシステムが発見されたことで可能になったわけなんですね。
ですが、こうした薬は誰にでもに効くわけではありませんでした。
そこで腫瘍で免疫系を活性化させる別の方法が模索されることになったわけです。
そのためのひとつの方法として考えられたのが、単純に免疫系を強化するやり方です。
先述した腫瘍に感染しようとするウイルスへの免疫反応からは、これが起きているらしいことが窺えます。
実際、今回の研究グループが、3万人の肺ガン患者の中からインフルエンザになった人を探してみたところ、おもしろい結果が出たそうです。
肺ガン中にインフルエンザに罹るってな踏んだり蹴ったりな状況ですが、なんとそうした患者はインフルエンザにかからなかった患者よりも死亡率が低かったそうなんですね。
つまり、インフルエンザウイルスにより、がんがなんらかの形でやられたことを示唆してるわけですね。
同研究グループはさらに詳しく調査するために、マウスの肺にメラノーマ(悪性黒色腫)細胞を移植し、腫瘍を作るという実験を行いました。
結果、インフルエンザ・ウイルスに感染した肺では腫瘍形成が抑制され、さらにその効果は感染した部位に限られたものではなく、感染していない肺でも抑制効果が確認されたそうなんです。
また肺に乳がん細胞を移植した場合でも同様の効果が確認されたそうです。
免疫系が刺激を受けるとそれ全体が活性化し、免疫細胞に腫瘍への攻撃を躊躇させてしまうリミッターが解除されます。
そこで研究グループが思いついたのは、わざわざウイルスに感染させてやる必要すらないのではと…。
実際、熱処理して不活性化したインフルエンザ・ウイルスで試してみると、なんと元気なウイルスに感染したときと同様に効果があることが分かりました。
このことは、まったく予想外だったというわけでもなくて、不活性化ウイルスはワクチンとしてよく利用されており、免疫系を刺激することが分かっています。
こうなるとピンとくるのは、ではワクチンではどうなのか? ってことですな。
そこで研究グループは今年のインフルエンザ・ワクチンを入手して、これをマウスの腫瘍に注射してみました。
すると腫瘍の成長が遅くなったばかりか、インフルエンザに対しての免疫までつくという一石二鳥の結果が得られたんだそうです。
しかし妙なことに、インフルエンザのワクチンならどれでも有効なわけではないらしいんですよ。
ワクチンの中には、予防効果を持続させるために、免疫系の記憶を強化する化学物質が含まれているものがあるそうなんです。
こうしたワクチンの場合、腫瘍の成長を抑制するような免疫系への刺激は生じなかったそうです。
このことは免疫刺激の問題ではなく、それよりも攻撃をすぐに引き起こしているかが関係しているようですね。
片方の肺を刺激すると、両方の肺で腫瘍抑制効果が得られたが、筋肉に注射したのではダメだったようです。
また肺の外側でひどい感染があった場合、免疫細胞の戦力がそちらに割かれてしまい、腫瘍の成長がかえって速まることもあるそうです。
今後さらなる研究が必要となるでしょうけで、、免疫系ががんとの戦いにおける強力な武器であるという可能性は、かなりあるんではないでしょうかね。
これでまた人類は、不死に一歩近づいたわけですわ。
実際、がんが治るとなると、まだまだ寿命は延びるでしょうしね。
ま、例によってわたくし院長が生きてるうちには無理かもしれませんが…
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月20日の月曜日でございます。
1月も後半戦って事で、本来この時期はメチャクチャ寒いはずなんですが、今年は比較的穏やかな気がするなぁ。
これも温暖化の影響なんでしょうか、まぁ、あまり寒いのも嫌ですけど、ちょっと変な感じはしますね。
で、ここらあたりから極寒と共に、インフルエンザも猛威をふるいだすわけなんですが、今年はそれもイマイチみたいですな。
まぁ、インフルエンザなんざ流行らないに越したことはないですが、今日はそんなインフルエンザ・ワクチンについてのお話ー…。
なんでもアメリカの研究で、インフルエンザ・ワクチンを腫瘍に注射することで、がん細胞を減らすことができるとする研究結果が出たんだとか…
インフルエンザワクチンを腫瘍に注射ー。
どういうことなんでしょう。
実は数年前、ウィルスを利用してがんを殺す方法が話題になったことがあります。
がん細胞をウィルスに感染させ増殖させることでがん細胞を破壊し、また次のターゲットを探すという方法ですね。
仮にがん細胞にしか感染しないウイルスを作り出すことができたとしたら、その細胞だけを選択的に殺すことが可能になるってことですね。
しかし、ことはそう単純ではないわけですよ。
免疫系がウィルスに反応して、せっかくの治療効果を抑制してしまいます。
しかも腫瘍を殺す効果の一部は、ウィルスというよりも、免疫系の働きによるものではないかとも言われています。
そこで注目されたのが、ウイルスではなく腫瘍で生じた免疫反応の方で、インフルエンザのワクチンを腫瘍に注射して免疫反応を起こし、それによって殺してしまおうというんですね。
まず分かってないといけないのが、免疫細胞で構成される免疫系は常に体全体をカバーしているわけではないということです。
つまり、免疫細胞は感染が起きた部位で組織され、互いに連絡を取りながら、標的に対して攻撃をくわえたり、健康な細胞が巻き添えを食わないよう攻撃を調整したりしています。
この視点から見ると、免疫系ががん細胞を駆逐できない理由は、ただそれらが健康な細胞と似ているからなんだそうなんです。
健康な細胞を傷つけないように攻撃を抑制する信号ネットワークのおかげで、がん細胞は攻撃を免れているってことのようなんですね。
ですから最近では、こうした免疫抑制機能を阻害する薬が開発されています。
これはノーベル賞を受賞された、本庶佑先生らによって免疫細胞の攻撃を抑制するシステムが発見されたことで可能になったわけなんですね。
ですが、こうした薬は誰にでもに効くわけではありませんでした。
そこで腫瘍で免疫系を活性化させる別の方法が模索されることになったわけです。
そのためのひとつの方法として考えられたのが、単純に免疫系を強化するやり方です。
先述した腫瘍に感染しようとするウイルスへの免疫反応からは、これが起きているらしいことが窺えます。
実際、今回の研究グループが、3万人の肺ガン患者の中からインフルエンザになった人を探してみたところ、おもしろい結果が出たそうです。
肺ガン中にインフルエンザに罹るってな踏んだり蹴ったりな状況ですが、なんとそうした患者はインフルエンザにかからなかった患者よりも死亡率が低かったそうなんですね。
つまり、インフルエンザウイルスにより、がんがなんらかの形でやられたことを示唆してるわけですね。
同研究グループはさらに詳しく調査するために、マウスの肺にメラノーマ(悪性黒色腫)細胞を移植し、腫瘍を作るという実験を行いました。
結果、インフルエンザ・ウイルスに感染した肺では腫瘍形成が抑制され、さらにその効果は感染した部位に限られたものではなく、感染していない肺でも抑制効果が確認されたそうなんです。
また肺に乳がん細胞を移植した場合でも同様の効果が確認されたそうです。
免疫系が刺激を受けるとそれ全体が活性化し、免疫細胞に腫瘍への攻撃を躊躇させてしまうリミッターが解除されます。
そこで研究グループが思いついたのは、わざわざウイルスに感染させてやる必要すらないのではと…。
実際、熱処理して不活性化したインフルエンザ・ウイルスで試してみると、なんと元気なウイルスに感染したときと同様に効果があることが分かりました。
このことは、まったく予想外だったというわけでもなくて、不活性化ウイルスはワクチンとしてよく利用されており、免疫系を刺激することが分かっています。
こうなるとピンとくるのは、ではワクチンではどうなのか? ってことですな。
そこで研究グループは今年のインフルエンザ・ワクチンを入手して、これをマウスの腫瘍に注射してみました。
すると腫瘍の成長が遅くなったばかりか、インフルエンザに対しての免疫までつくという一石二鳥の結果が得られたんだそうです。
しかし妙なことに、インフルエンザのワクチンならどれでも有効なわけではないらしいんですよ。
ワクチンの中には、予防効果を持続させるために、免疫系の記憶を強化する化学物質が含まれているものがあるそうなんです。
こうしたワクチンの場合、腫瘍の成長を抑制するような免疫系への刺激は生じなかったそうです。
このことは免疫刺激の問題ではなく、それよりも攻撃をすぐに引き起こしているかが関係しているようですね。
片方の肺を刺激すると、両方の肺で腫瘍抑制効果が得られたが、筋肉に注射したのではダメだったようです。
また肺の外側でひどい感染があった場合、免疫細胞の戦力がそちらに割かれてしまい、腫瘍の成長がかえって速まることもあるそうです。
今後さらなる研究が必要となるでしょうけで、、免疫系ががんとの戦いにおける強力な武器であるという可能性は、かなりあるんではないでしょうかね。
これでまた人類は、不死に一歩近づいたわけですわ。
実際、がんが治るとなると、まだまだ寿命は延びるでしょうしね。
ま、例によってわたくし院長が生きてるうちには無理かもしれませんが…
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院