(149)サンデーイルネス(仮)閉塞性動脈硬化症について
2020年01月05日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
1月5日、今年最初のサンデーイルネスでございます。
って、普通ならただ日曜日のブログ更新ってだけなんですが、今週は長かった正月休み最後の日…
つまり、年に数回訪れる、超サザエさん症候群に患わされている日でございます。
おまけに今年の年末年始は、当院始まって以来初の8連休だったわけで、その反動も当然大きいわけですよ。
いつもなら、30日〜4日までの5連休ってだけなんですけどね。
ここでのプラス3日は、とんでもなく大きい3日で、簡単に言うと3倍やる気が出ません(笑)
憂鬱さ3倍(笑)
とか言うてても、時間が来れば明日になります。
明日になれば嫌でもお仕事が待ってるわけで、もう腹をくくるしかありませんぜ。
次は4か月半後。
ゴールデンウイークまで頑張るしかありません。
待ってろよ。ゴールデン。
ってことで、2020年、令和二年、最初のイルネス辞典、いってみましょう。
では、今日は「閉塞性動脈硬化症」について解説していきたいと思います。
近年は食生活などの生活習慣が欧米化し、それにより糖尿病や脂質異常症(ししついじょうしょう)の増加、そして高齢化による動脈硬化性疾患が増加しております。
閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化が徐々に四肢に広がった状態をいいます。
その多くは、腹部大動脈から大腿動脈までの範囲に発症します。
閉塞性動脈硬化症をもつ患者さんの生命予後はよくなく、症状が重い場合の生存率は悪性新生物(がん)に匹敵する低さと言われております。
高齢者では加齢そのものが動脈硬化の危険因子となるわけで、心臓・脳の病変も考慮しながら、全身的な治療を進める必要があります。
虚血性(きょけつせい)心疾患や慢性腎不全(じんふぜん)など多くの合併症を起こしている場合が非常に多く、全身状態の悪化から積極的な血管再建術ができない場合も少なくありません。
内科的、外科的なさまざまな治療ができない患者さんでは、下肢の切断を余儀なくされる場合もあります。
下肢切断に伴う危険性や、切断後の著しい日常生活動作や生活の質の低下を考えると、早期からそうならないための適切な治療と管理が非常に重要といえるでしょう。。
重症度分類として有用なフォンテイン分類というものがあります。
これは当然、数字が増えれば重症って事ですな。
高齢者は複数の病気をもっていることが多いため、しびれ、冷感を訴える場合は糖尿病性神経障害、脳血管障害、整形外科的な病気(脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、坐骨(ざこつ)神経痛など)などを考慮に入れて原因を見分けます。
まず、フォンテイン分類T、U度の場合、基本的には薬物治療が主体になります。
まず、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症を適切な指導と薬剤で十分にコントロールします。
とくに禁煙は絶対に守らなくてはいけないといわれています。
薬剤は、抗血小板薬の投与、抗血小板作用と血管拡張作用を併せもつプロスタグランジン製剤の投与が中心です。
高血圧の患者さんでは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、α(アルファ)遮断薬など下肢の血管拡張の効果も期待できる降圧薬を用いますが、末梢血管を収縮させるβ(ベータ)遮断薬は基本的に禁忌(きんき)で、やむをえない場合にはαβ遮断薬を用います。
重度の間欠性跛行(かんけつせいはこう)があり、薬物治療が十分にできない患者さんや、日常の活動性の高い患者さんの場合は、血管形成術、外科的治療も検討します。
間欠性跛行とは、歩くと脚が痛み、しばらく休むと痛みがなくなるという状態です。
脊柱管狭窄症のおもな症状で有名ですね。
また、糖尿病の悪化、外傷、感染を契機に容易に虚血性潰瘍(きょけつせいかいよう)に陥ることがあるので注意してください。
フォンテイン分類V、W度になってくると、血行不良が進んだ重症虚血肢で、薬物治療を継続しながら積極的に血管内治療、バイパス手術を考慮します。
重症虚血肢では、痛みのコントロールも極めて重要なポイントです。
非ステロイド性抗炎症薬では効果がみられない場合は、麻薬や痛みの神経を遮断する硬膜外(こうまくがい)ブロックを行う場合もあります。
血液循環が著しく低下した虚血部位が比較的末梢に限られる場合は、交感神経ブロックも有効です。
しかし、血行再建術ができない時や非成功例で、その痛みが非常に強い場合は、下肢切断をせざるをえないのが現状です。
現在の治療では治りにくい重症虚血肢の患者さんに対しては、血管新生因子を用いた閉塞性動脈硬化症に対する多くの遺伝子治療(再生治療)が、すでに欧米を中心に臨床治験として実施されています。
患部血管付近への内皮細胞増殖因子VEGF、FGFの遺伝子導入による血管新生療法(血管再生療法)ではその効果も報告され、日本でも血管新生因子HGF遺伝子を用いた血管新生療法の臨床研究が行われています。
また、骨髄液(こつずいえき)から抽出した単核球(たんかくきゅう)細胞(幹(かん)細胞)移植による血管新生療法も行われており、臨床研究では内皮前駆細胞による血管新生の効果が報告されています。
今後、このような先進医療が重症虚血肢の新しい治療法のひとつとなる可能性も出てきており、体への負担が少ない治療法として、とくに高齢者への応用が期待されています。
いかがでしたか。
それでは今年もこの「イルネス辞典」をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月5日、今年最初のサンデーイルネスでございます。
って、普通ならただ日曜日のブログ更新ってだけなんですが、今週は長かった正月休み最後の日…
つまり、年に数回訪れる、超サザエさん症候群に患わされている日でございます。
おまけに今年の年末年始は、当院始まって以来初の8連休だったわけで、その反動も当然大きいわけですよ。
いつもなら、30日〜4日までの5連休ってだけなんですけどね。
ここでのプラス3日は、とんでもなく大きい3日で、簡単に言うと3倍やる気が出ません(笑)
憂鬱さ3倍(笑)
とか言うてても、時間が来れば明日になります。
明日になれば嫌でもお仕事が待ってるわけで、もう腹をくくるしかありませんぜ。
次は4か月半後。
ゴールデンウイークまで頑張るしかありません。
待ってろよ。ゴールデン。
ってことで、2020年、令和二年、最初のイルネス辞典、いってみましょう。
では、今日は「閉塞性動脈硬化症」について解説していきたいと思います。
近年は食生活などの生活習慣が欧米化し、それにより糖尿病や脂質異常症(ししついじょうしょう)の増加、そして高齢化による動脈硬化性疾患が増加しております。
閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化が徐々に四肢に広がった状態をいいます。
その多くは、腹部大動脈から大腿動脈までの範囲に発症します。
閉塞性動脈硬化症をもつ患者さんの生命予後はよくなく、症状が重い場合の生存率は悪性新生物(がん)に匹敵する低さと言われております。
高齢者では加齢そのものが動脈硬化の危険因子となるわけで、心臓・脳の病変も考慮しながら、全身的な治療を進める必要があります。
虚血性(きょけつせい)心疾患や慢性腎不全(じんふぜん)など多くの合併症を起こしている場合が非常に多く、全身状態の悪化から積極的な血管再建術ができない場合も少なくありません。
内科的、外科的なさまざまな治療ができない患者さんでは、下肢の切断を余儀なくされる場合もあります。
下肢切断に伴う危険性や、切断後の著しい日常生活動作や生活の質の低下を考えると、早期からそうならないための適切な治療と管理が非常に重要といえるでしょう。。
重症度分類として有用なフォンテイン分類というものがあります。
これは当然、数字が増えれば重症って事ですな。
高齢者は複数の病気をもっていることが多いため、しびれ、冷感を訴える場合は糖尿病性神経障害、脳血管障害、整形外科的な病気(脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、坐骨(ざこつ)神経痛など)などを考慮に入れて原因を見分けます。
まず、フォンテイン分類T、U度の場合、基本的には薬物治療が主体になります。
まず、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症を適切な指導と薬剤で十分にコントロールします。
とくに禁煙は絶対に守らなくてはいけないといわれています。
薬剤は、抗血小板薬の投与、抗血小板作用と血管拡張作用を併せもつプロスタグランジン製剤の投与が中心です。
高血圧の患者さんでは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、α(アルファ)遮断薬など下肢の血管拡張の効果も期待できる降圧薬を用いますが、末梢血管を収縮させるβ(ベータ)遮断薬は基本的に禁忌(きんき)で、やむをえない場合にはαβ遮断薬を用います。
重度の間欠性跛行(かんけつせいはこう)があり、薬物治療が十分にできない患者さんや、日常の活動性の高い患者さんの場合は、血管形成術、外科的治療も検討します。
間欠性跛行とは、歩くと脚が痛み、しばらく休むと痛みがなくなるという状態です。
脊柱管狭窄症のおもな症状で有名ですね。
また、糖尿病の悪化、外傷、感染を契機に容易に虚血性潰瘍(きょけつせいかいよう)に陥ることがあるので注意してください。
フォンテイン分類V、W度になってくると、血行不良が進んだ重症虚血肢で、薬物治療を継続しながら積極的に血管内治療、バイパス手術を考慮します。
重症虚血肢では、痛みのコントロールも極めて重要なポイントです。
非ステロイド性抗炎症薬では効果がみられない場合は、麻薬や痛みの神経を遮断する硬膜外(こうまくがい)ブロックを行う場合もあります。
血液循環が著しく低下した虚血部位が比較的末梢に限られる場合は、交感神経ブロックも有効です。
しかし、血行再建術ができない時や非成功例で、その痛みが非常に強い場合は、下肢切断をせざるをえないのが現状です。
現在の治療では治りにくい重症虚血肢の患者さんに対しては、血管新生因子を用いた閉塞性動脈硬化症に対する多くの遺伝子治療(再生治療)が、すでに欧米を中心に臨床治験として実施されています。
患部血管付近への内皮細胞増殖因子VEGF、FGFの遺伝子導入による血管新生療法(血管再生療法)ではその効果も報告され、日本でも血管新生因子HGF遺伝子を用いた血管新生療法の臨床研究が行われています。
また、骨髄液(こつずいえき)から抽出した単核球(たんかくきゅう)細胞(幹(かん)細胞)移植による血管新生療法も行われており、臨床研究では内皮前駆細胞による血管新生の効果が報告されています。
今後、このような先進医療が重症虚血肢の新しい治療法のひとつとなる可能性も出てきており、体への負担が少ない治療法として、とくに高齢者への応用が期待されています。
いかがでしたか。
それでは今年もこの「イルネス辞典」をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院