(123)サンデーイルネス(仮)遺伝性脊髄小脳変性症について
2019年07月07日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
7月7日のサンデーイルネスにございます。
7月7日、言わずとしれた七夕ですな。
乙姫様と彦星君が、年に一度会える日ってことで、出来れば晴れて欲しいね的な日なんですが、世の中的には梅雨真っ盛り。
比較的雨の日が多いと思います。
今年はどうなりますか…。
この七夕、五節句のひとつで「棚機」(たなばた)なんて書き方もあるそうです。
この五節句ってのは「人日」(1月7日)、「上巳」(3月3日)、「端午」(5月5日)、「七夕」(7月7日)、「重陽」(9月9日)の5つです。
これを見て、「上巳」(3月3日)、「端午」(5月5日)、「七夕」(7月7日)この3つは分かりますよね。
上巳(じょうし)って読み方は分からないにしても、日付からしてお雛様ですし、端午は端午の節句ですし、あと七夕でしょ。
では、「人日」(1月7日)と「重陽」(9月9日)ってなんぞ?
これにはちょっと物語があり、五節句の「節」というのは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。
で、暦の中で奇数の重なる日を取り出して、奇数(陽)が重なると 陰になるとして、それを避けるための避邪(ひじゃ)の行事が行われたことから、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的から始まったんだそうです。
そしてこの中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合わさり、定められた日に宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり「節句」といわれるようになったんだそうです。
ですから五節句には、3月3日、5月5日のように奇数の重なる日が選ばれていますが、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れています。
要するに、奇数月の奇数日が縁起が悪いって事で、邪気払いをした名残ってことで、1月7日は七草粥を食べる日なんだよね。
では、重陽(ちょうよう)はというと、この日は「菊酒」を飲んで「栗飯」を炊いて邪気払いをしたってことで、明治以降廃れましたが、それまでは風習として残ってたそうです。
ま、こう考えると七草粥も風習としては残ってますし、この「重陽」だけが、廃れた感ありますね。
てなことで、脱線しすぎな本日もイルネス辞典にいきたいとおもうんですが、今日は「遺伝性脊髄小脳変性症」について解説していきたいと思います。
まずは漢字が多すぎて、一体どんな病気やねんってことですが、脊髄小脳変性症とは、歩行時のふらつきや話す時にろれつが回らなくなるような症状に加え、手足が震えたり、足の突っ張りや眼の動きに制限があるといったように、さまざまな症状が複合して進行していく病気です。
原因となる病巣は小脳、脳幹(のうかん)、脊髄であり、これらの部位の神経細胞が変性を来すことによって症状が現れるといわれています。
単一の病気ではなく、それぞれ原因が異なる病気で、脊髄小脳変性症とはその総称となってます。
遺伝性のものには常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝のものと劣性(れっせい)遺伝のものとがあり、優性遺伝のものについては、現在30種類以上もあるといわれており、それぞれその症状は異なりますが、何十年もかけて症状が進んでいくという点で共通しています。
では、原因は何かってことですが、現在のところ、原因は不明です。
最近、その遺伝子レベルの研究が盛んに行われており、原因遺伝子の解明が少しずつ進んでいます。
ただし、その原因蛋白の機能や脳内でのはたらきなど不明な点が多いのが現状です。
症状の現れ方は疾患ごとに異なりますが、同じ疾患でも遺伝子の微妙な違いによって症状は異なります。
原因遺伝子のなかにグルタミンをコードする遺伝子CAGが異常に伸長するという共通の特徴をもった疾患群(コラム「遺伝子の検査」)があり、この伸長が長ければ長いほど症状が早く現れるといった特徴があります。
症状は疾患によってさまざまですが、ほとんどの疾患では歩行の障害で始まり、その後、言葉の障害や手の障害が加わり、これらの症状が徐々に進行するといわれています。
診察で脊髄小脳変性症の疑いがあれば、血液検査と画像検査で他の疾患(たとえば脳梗塞(のうこうそく))を区別し、症状とMRIの検査である程度の診断は予想されます。
発症年齢や家族歴から遺伝性が疑われたら、最終的には遺伝子検査で診断をつけますが、遺伝子が解明されていないものも約3分の1あるので、遺伝子検査でも診断がつかない場合もあります。
では、治療の方法ですが、現在のところ、根本的な治療法はありません。
運動失調の改善と症状の進行の抑制を目的とした治療薬がありますが、効果については個人差があるようです。
今後は遺伝子を利用した治療や再生医療の発展が治療の鍵になると思われます。
この病気に関しては、これ!と確定診断できるものでもないですし、症状が進行するなかで特定されていきますので、まずは少しでも早く治療を始めるのが鍵になります。
いかがでしたか?
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月7日のサンデーイルネスにございます。
7月7日、言わずとしれた七夕ですな。
乙姫様と彦星君が、年に一度会える日ってことで、出来れば晴れて欲しいね的な日なんですが、世の中的には梅雨真っ盛り。
比較的雨の日が多いと思います。
今年はどうなりますか…。
この七夕、五節句のひとつで「棚機」(たなばた)なんて書き方もあるそうです。
この五節句ってのは「人日」(1月7日)、「上巳」(3月3日)、「端午」(5月5日)、「七夕」(7月7日)、「重陽」(9月9日)の5つです。
これを見て、「上巳」(3月3日)、「端午」(5月5日)、「七夕」(7月7日)この3つは分かりますよね。
上巳(じょうし)って読み方は分からないにしても、日付からしてお雛様ですし、端午は端午の節句ですし、あと七夕でしょ。
では、「人日」(1月7日)と「重陽」(9月9日)ってなんぞ?
これにはちょっと物語があり、五節句の「節」というのは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。
で、暦の中で奇数の重なる日を取り出して、奇数(陽)が重なると 陰になるとして、それを避けるための避邪(ひじゃ)の行事が行われたことから、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的から始まったんだそうです。
そしてこの中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合わさり、定められた日に宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり「節句」といわれるようになったんだそうです。
ですから五節句には、3月3日、5月5日のように奇数の重なる日が選ばれていますが、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れています。
要するに、奇数月の奇数日が縁起が悪いって事で、邪気払いをした名残ってことで、1月7日は七草粥を食べる日なんだよね。
では、重陽(ちょうよう)はというと、この日は「菊酒」を飲んで「栗飯」を炊いて邪気払いをしたってことで、明治以降廃れましたが、それまでは風習として残ってたそうです。
ま、こう考えると七草粥も風習としては残ってますし、この「重陽」だけが、廃れた感ありますね。
てなことで、脱線しすぎな本日もイルネス辞典にいきたいとおもうんですが、今日は「遺伝性脊髄小脳変性症」について解説していきたいと思います。
まずは漢字が多すぎて、一体どんな病気やねんってことですが、脊髄小脳変性症とは、歩行時のふらつきや話す時にろれつが回らなくなるような症状に加え、手足が震えたり、足の突っ張りや眼の動きに制限があるといったように、さまざまな症状が複合して進行していく病気です。
原因となる病巣は小脳、脳幹(のうかん)、脊髄であり、これらの部位の神経細胞が変性を来すことによって症状が現れるといわれています。
単一の病気ではなく、それぞれ原因が異なる病気で、脊髄小脳変性症とはその総称となってます。
遺伝性のものには常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝のものと劣性(れっせい)遺伝のものとがあり、優性遺伝のものについては、現在30種類以上もあるといわれており、それぞれその症状は異なりますが、何十年もかけて症状が進んでいくという点で共通しています。
では、原因は何かってことですが、現在のところ、原因は不明です。
最近、その遺伝子レベルの研究が盛んに行われており、原因遺伝子の解明が少しずつ進んでいます。
ただし、その原因蛋白の機能や脳内でのはたらきなど不明な点が多いのが現状です。
症状の現れ方は疾患ごとに異なりますが、同じ疾患でも遺伝子の微妙な違いによって症状は異なります。
原因遺伝子のなかにグルタミンをコードする遺伝子CAGが異常に伸長するという共通の特徴をもった疾患群(コラム「遺伝子の検査」)があり、この伸長が長ければ長いほど症状が早く現れるといった特徴があります。
症状は疾患によってさまざまですが、ほとんどの疾患では歩行の障害で始まり、その後、言葉の障害や手の障害が加わり、これらの症状が徐々に進行するといわれています。
診察で脊髄小脳変性症の疑いがあれば、血液検査と画像検査で他の疾患(たとえば脳梗塞(のうこうそく))を区別し、症状とMRIの検査である程度の診断は予想されます。
発症年齢や家族歴から遺伝性が疑われたら、最終的には遺伝子検査で診断をつけますが、遺伝子が解明されていないものも約3分の1あるので、遺伝子検査でも診断がつかない場合もあります。
では、治療の方法ですが、現在のところ、根本的な治療法はありません。
運動失調の改善と症状の進行の抑制を目的とした治療薬がありますが、効果については個人差があるようです。
今後は遺伝子を利用した治療や再生医療の発展が治療の鍵になると思われます。
この病気に関しては、これ!と確定診断できるものでもないですし、症状が進行するなかで特定されていきますので、まずは少しでも早く治療を始めるのが鍵になります。
いかがでしたか?
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院