(91)サンデーイルネス(仮)横隔膜ヘルニアについて
2018年11月25日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
11月25日のサンデーイルネスでございます。
気付けば、11月も最後のイルネス辞典ではござらんか。
来週の日曜はもう、12月2日でっせ。
ついに年末&冬が本格的にやってきたわけですが、寒いのはやはり身体を動かなくしますよねぇ…。
寒いと何するのも嫌になりますし、なにより朝の行動が、ワンテンポずつ遅れます。
まず、布団から出るって第一段階から躓きます。
なにせ寒いもんねぇ…。
眠いうえに寒いんじゃ、外に出たくない気持ちしかないですから、ここで働く意志の力ってのは、相当なもんですよね(笑)
てな、寒い毎日ですが、まぁ、寒さもこれからが本番なわけで、風邪など召されませぬよう、ご自愛ください。
ってことで、今日のイルネス辞典ですが、今日は「横隔膜ヘルニア」について解説していきたいと思います。
まず、この「ヘルニア」って言葉ですが、この言葉自体は医学用語で、「臓器や組織の一部が組織の隙間を通って本来あるべき場所ではない部分にはみ出している状態のこと」を指してます。
ですから、ヘルニアと言う言葉は、病名と言うより状態を指してる言葉なんですよね。
その中で、今日解説するのは「横隔膜」がヘルニア状態になっている「横隔膜ヘルニア」でございます。
では次に、「横隔膜」ですが、これはどこでしょう?
これは、一応筋肉の名前で、呼吸するための筋肉でございます。
ある場所は胃、肝臓の上部で、横隔膜のさらに上には肺がのっかってます。
まぁ、イメージ的に言うと、いわゆる「お腹」と「胸」を遮っている膜って感じで捉えて貰うと分かりやすいかと思います。
で、さらに解剖学的な事を言うと、お腹と胸部を遮ってるわけですから、動脈、静脈、それから食道が通らなければなりませんから、これらを通すための孔が空いてます。
何となくイメージできました?
ちなみに、焼肉なんかで定番の「ハラミ」は牛の横隔膜で、腹側を「ハラミ」背側を「サガリと呼んでます。
それから、この横隔膜が痙攣すると、「しゃっくり」となるわけですな。
では、この横隔膜ヘルニアですが、先ほど説明した通り、ヘルニアとは臓器や組織の一部が、本来あるべきでない場所にはみ出してる状態を指しますから、この横隔膜ヘルニアも、先天的または後天的な裂孔(れっこう)から、腹部臓器が胸腔内や縦隔内に脱出した状態です。
つまり、お腹と胸の境界から、お腹の一部が胸に出ちゃってる状態ってことですね。
で、食道裂孔ヘルニア、ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア、外傷性ヘルニアなどがありますが、中でも食道裂孔ヘルニアが80〜90%を占めていて、脱出臓器は胃です。
先ほど説明した、お腹と胸の境界に空いている、食道を通す孔から、胃が胸に向かってはみ出しちゃってるわけですな。
ちなみに、ボホダレクヘルニアは先天性のヘルニアで、左背側に多く、小腸や大腸が脱出します。
モルガニヘルニアも先天性で、右側に多く、大網(だいもう)(胃からエプロンのように垂れ下がり、横行結腸と小腸の間をおおう腹膜の一部)や横行結腸が脱出します。
外傷性ヘルニアは、事故などで横隔膜が損傷を受けて発症します。通常、左側に多く、胃、小腸、大腸などさまざまな臓器が脱出することがあります。
では原因は何かって事ですが、先天性、外傷性は置いておいて、食道裂孔ヘルニアは、高齢になるにしたがい、肥満、妊娠、亀背(きはい)(背中が曲がって丸くなった状態)などの影響を受けて発症します。
そのため、高齢女性に多くみられます。
では、症状の現れ方ですが、食道裂孔ヘルニアの多くは無症状ですが、食後に胸の痛みや胸焼けを感じたり、吐血や下血を来す場合もあります。
ボホダレクヘルニアが大きい場合は、出生直後に呼吸困難、チアノーゼなどの重い呼吸障害に陥ることがあります。モルガニヘルニアは、無症状から呼吸困難やチアノーゼを来す例までさまざまです。
外傷性ヘルニアでは、受傷直後に胸骨下部の強い痛み、嘔吐、呼吸困難、ショックなどが現れることがあります。
食道裂孔ヘルニアで胸やけなどの症状がある場合には、制酸剤などを投与しますが、無症状の場合は放置しておいてかまわないようです。
ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア、外傷性ヘルニアでは手術が行われます。手術で、横隔膜裂孔がふさがれば特に問題はありません。
高齢の女性が、食後に強まる胸骨後部痛や胸やけを感じたら、食道裂孔ヘルニアの可能性があるので、内科を受診してください。
ボホダレクヘルニアやモルガニヘルニアは、出生直後のチアノーゼなどから、産婦人科医に発見されるはずです。
とまぁ、状態だけ書いたら、なんだかとんでもない病気のようですが、それほど大事に至る病気ではありません。
食後の胸やけなどは、比較的なる方も多いですし、それだけの事と思われがちですが、ひょっとするとこういったヘルニアが存在してるかもしれません。
ま、こういった病気もあるんだなと、頭の片隅にでも置いといてもらったら何かの時は役に立つと思います。
いかがでしたか?
では来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
11月25日のサンデーイルネスでございます。
気付けば、11月も最後のイルネス辞典ではござらんか。
来週の日曜はもう、12月2日でっせ。
ついに年末&冬が本格的にやってきたわけですが、寒いのはやはり身体を動かなくしますよねぇ…。
寒いと何するのも嫌になりますし、なにより朝の行動が、ワンテンポずつ遅れます。
まず、布団から出るって第一段階から躓きます。
なにせ寒いもんねぇ…。
眠いうえに寒いんじゃ、外に出たくない気持ちしかないですから、ここで働く意志の力ってのは、相当なもんですよね(笑)
てな、寒い毎日ですが、まぁ、寒さもこれからが本番なわけで、風邪など召されませぬよう、ご自愛ください。
ってことで、今日のイルネス辞典ですが、今日は「横隔膜ヘルニア」について解説していきたいと思います。
まず、この「ヘルニア」って言葉ですが、この言葉自体は医学用語で、「臓器や組織の一部が組織の隙間を通って本来あるべき場所ではない部分にはみ出している状態のこと」を指してます。
ですから、ヘルニアと言う言葉は、病名と言うより状態を指してる言葉なんですよね。
その中で、今日解説するのは「横隔膜」がヘルニア状態になっている「横隔膜ヘルニア」でございます。
では次に、「横隔膜」ですが、これはどこでしょう?
これは、一応筋肉の名前で、呼吸するための筋肉でございます。
ある場所は胃、肝臓の上部で、横隔膜のさらに上には肺がのっかってます。
まぁ、イメージ的に言うと、いわゆる「お腹」と「胸」を遮っている膜って感じで捉えて貰うと分かりやすいかと思います。
で、さらに解剖学的な事を言うと、お腹と胸部を遮ってるわけですから、動脈、静脈、それから食道が通らなければなりませんから、これらを通すための孔が空いてます。
何となくイメージできました?
ちなみに、焼肉なんかで定番の「ハラミ」は牛の横隔膜で、腹側を「ハラミ」背側を「サガリと呼んでます。
それから、この横隔膜が痙攣すると、「しゃっくり」となるわけですな。
では、この横隔膜ヘルニアですが、先ほど説明した通り、ヘルニアとは臓器や組織の一部が、本来あるべきでない場所にはみ出してる状態を指しますから、この横隔膜ヘルニアも、先天的または後天的な裂孔(れっこう)から、腹部臓器が胸腔内や縦隔内に脱出した状態です。
つまり、お腹と胸の境界から、お腹の一部が胸に出ちゃってる状態ってことですね。
で、食道裂孔ヘルニア、ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア、外傷性ヘルニアなどがありますが、中でも食道裂孔ヘルニアが80〜90%を占めていて、脱出臓器は胃です。
先ほど説明した、お腹と胸の境界に空いている、食道を通す孔から、胃が胸に向かってはみ出しちゃってるわけですな。
ちなみに、ボホダレクヘルニアは先天性のヘルニアで、左背側に多く、小腸や大腸が脱出します。
モルガニヘルニアも先天性で、右側に多く、大網(だいもう)(胃からエプロンのように垂れ下がり、横行結腸と小腸の間をおおう腹膜の一部)や横行結腸が脱出します。
外傷性ヘルニアは、事故などで横隔膜が損傷を受けて発症します。通常、左側に多く、胃、小腸、大腸などさまざまな臓器が脱出することがあります。
では原因は何かって事ですが、先天性、外傷性は置いておいて、食道裂孔ヘルニアは、高齢になるにしたがい、肥満、妊娠、亀背(きはい)(背中が曲がって丸くなった状態)などの影響を受けて発症します。
そのため、高齢女性に多くみられます。
では、症状の現れ方ですが、食道裂孔ヘルニアの多くは無症状ですが、食後に胸の痛みや胸焼けを感じたり、吐血や下血を来す場合もあります。
ボホダレクヘルニアが大きい場合は、出生直後に呼吸困難、チアノーゼなどの重い呼吸障害に陥ることがあります。モルガニヘルニアは、無症状から呼吸困難やチアノーゼを来す例までさまざまです。
外傷性ヘルニアでは、受傷直後に胸骨下部の強い痛み、嘔吐、呼吸困難、ショックなどが現れることがあります。
食道裂孔ヘルニアで胸やけなどの症状がある場合には、制酸剤などを投与しますが、無症状の場合は放置しておいてかまわないようです。
ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア、外傷性ヘルニアでは手術が行われます。手術で、横隔膜裂孔がふさがれば特に問題はありません。
高齢の女性が、食後に強まる胸骨後部痛や胸やけを感じたら、食道裂孔ヘルニアの可能性があるので、内科を受診してください。
ボホダレクヘルニアやモルガニヘルニアは、出生直後のチアノーゼなどから、産婦人科医に発見されるはずです。
とまぁ、状態だけ書いたら、なんだかとんでもない病気のようですが、それほど大事に至る病気ではありません。
食後の胸やけなどは、比較的なる方も多いですし、それだけの事と思われがちですが、ひょっとするとこういったヘルニアが存在してるかもしれません。
ま、こういった病気もあるんだなと、頭の片隅にでも置いといてもらったら何かの時は役に立つと思います。
いかがでしたか?
では来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院