(87)サンデーイルネス(仮)アミロイドニューロパチーについて
2018年10月28日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
10月28日のサンデーイルネスでございます。
10月も残すところ3日ってことで、段々秋が冬に変わっていきますねぇ…。
今日は10月最後のイルネス辞典ってことと、このイルネス辞典、今年の2月から50音順になんか探してお送りしてきたんですが、今週で一回りしちゃいました。
「あ」から始まり、とりあえず「わ」までいったので、また「あ」に戻ります。
途中、いくつか疾患名の見つけられない五十音もあったんですが、まぁそれはそれ。
とりあえず、思いつく限り解説していきたいと思います。
ってことで、2週目の「あ」は「アミロイドニューロパチー」って病気について解説していきたいと思います。
アミロイドニューロパチー…
聞いたことないと思います。
では、どんな病気かといいますと、まず「アミロイド」とは、絹のような構造をもつ特異な蛋白質で、体のいろいろな臓器や組織に沈着することにより臓器の障害を起こします。
全身にアミロイドが沈着するもの(全身性アミロイドーシス)と局所に沈着するもの(限局性アミロイドーシス)があり、とくに全身性のタイプでは骨髄腫(こつずいしゅ)に伴ったり、腎透析(とうせき)に伴ったりするものがあります。
最も重要なものは、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)です。世界的に注目されている神経難病のひとつで、日本でも治療費は公費負担になっています。
FAPの病型は4つに分類されていますが、日本ではT型が圧倒的に多く、このT型はポルトガル人、日本人(長野県と熊本県に大家系が存在している)、スウェーデン人に多くみられるタイプです。
何故に長野と熊本…
これについて調べてみたんですが、ハッキリとした答えは見つからず、長年「風土病」という感じで捉えられていました。
近年になり、高齢者での発症は、全国的にあることが分かってきています。
では、どういう症状が現れるのかと言いますと、T型は、下肢末端の自発性の感覚異常(針で刺すようなチクリとした痛み、乱切痛(らんせつつう))で発症し、次第に温痛覚(表在感覚)が強く侵され、深部感覚(振動覚、位置覚)は侵されない(感覚解離(かいり))のが特徴です。
時に、胃腸症状(便秘・下痢)が先行し、男性は陰萎(いんい)(インポテンツ)が起こり、次第に激しい自律神経障害(起立性低血圧、大小便失禁など)が出現してきます。
筋萎縮(いしゅく)が手足に現れると、運動障害のために歩行困難、四肢末端の皮膚栄養障害、難治性潰瘍を伴い、約10年前後で重症感染症、心不全、尿毒症(にょうどくしょう)などで死亡するのが一般的です。
最近の疫学調査では、高齢発症のFAPの存在が注目され、心不全、運動障害が前面に出て、自律神経障害が軽度であることが指摘されています。
では、こんな難病とも言われる疾患の治療法ですが、発症様式や沈着の機序(仕組み)はまだ不明で、アミロイドが溶けにくいなどの理由もあり、治療法の開発はいまだに困難になっています。
肝臓で生成される異型TTRを止めるためにFAPの患者さんに対する肝移植療法が行われ、効果をあげています。
薬物療法も少しずつ効果を上げており、以前に比べて治療の見込みが増えてきているのものの、約50%の割合で遺伝することが患者と家族にとって大きな悩みとなってます。
遺伝カウンセリングが充実した専門機関を受診し、病気と治療法について家族と一緒に十分な説明を受けるのが最善の方法だと思います。
どちらにしろ、早い発見と早い治療の開始が望ましいですので、まずこれを知ることが第一歩です。
いかがでしたか?
難病と言えど治らないわけではありません。
まず知ることから始めましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月28日のサンデーイルネスでございます。
10月も残すところ3日ってことで、段々秋が冬に変わっていきますねぇ…。
今日は10月最後のイルネス辞典ってことと、このイルネス辞典、今年の2月から50音順になんか探してお送りしてきたんですが、今週で一回りしちゃいました。
「あ」から始まり、とりあえず「わ」までいったので、また「あ」に戻ります。
途中、いくつか疾患名の見つけられない五十音もあったんですが、まぁそれはそれ。
とりあえず、思いつく限り解説していきたいと思います。
ってことで、2週目の「あ」は「アミロイドニューロパチー」って病気について解説していきたいと思います。
アミロイドニューロパチー…
聞いたことないと思います。
では、どんな病気かといいますと、まず「アミロイド」とは、絹のような構造をもつ特異な蛋白質で、体のいろいろな臓器や組織に沈着することにより臓器の障害を起こします。
全身にアミロイドが沈着するもの(全身性アミロイドーシス)と局所に沈着するもの(限局性アミロイドーシス)があり、とくに全身性のタイプでは骨髄腫(こつずいしゅ)に伴ったり、腎透析(とうせき)に伴ったりするものがあります。
最も重要なものは、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)です。世界的に注目されている神経難病のひとつで、日本でも治療費は公費負担になっています。
FAPの病型は4つに分類されていますが、日本ではT型が圧倒的に多く、このT型はポルトガル人、日本人(長野県と熊本県に大家系が存在している)、スウェーデン人に多くみられるタイプです。
何故に長野と熊本…
これについて調べてみたんですが、ハッキリとした答えは見つからず、長年「風土病」という感じで捉えられていました。
近年になり、高齢者での発症は、全国的にあることが分かってきています。
では、どういう症状が現れるのかと言いますと、T型は、下肢末端の自発性の感覚異常(針で刺すようなチクリとした痛み、乱切痛(らんせつつう))で発症し、次第に温痛覚(表在感覚)が強く侵され、深部感覚(振動覚、位置覚)は侵されない(感覚解離(かいり))のが特徴です。
時に、胃腸症状(便秘・下痢)が先行し、男性は陰萎(いんい)(インポテンツ)が起こり、次第に激しい自律神経障害(起立性低血圧、大小便失禁など)が出現してきます。
筋萎縮(いしゅく)が手足に現れると、運動障害のために歩行困難、四肢末端の皮膚栄養障害、難治性潰瘍を伴い、約10年前後で重症感染症、心不全、尿毒症(にょうどくしょう)などで死亡するのが一般的です。
最近の疫学調査では、高齢発症のFAPの存在が注目され、心不全、運動障害が前面に出て、自律神経障害が軽度であることが指摘されています。
では、こんな難病とも言われる疾患の治療法ですが、発症様式や沈着の機序(仕組み)はまだ不明で、アミロイドが溶けにくいなどの理由もあり、治療法の開発はいまだに困難になっています。
肝臓で生成される異型TTRを止めるためにFAPの患者さんに対する肝移植療法が行われ、効果をあげています。
薬物療法も少しずつ効果を上げており、以前に比べて治療の見込みが増えてきているのものの、約50%の割合で遺伝することが患者と家族にとって大きな悩みとなってます。
遺伝カウンセリングが充実した専門機関を受診し、病気と治療法について家族と一緒に十分な説明を受けるのが最善の方法だと思います。
どちらにしろ、早い発見と早い治療の開始が望ましいですので、まずこれを知ることが第一歩です。
いかがでしたか?
難病と言えど治らないわけではありません。
まず知ることから始めましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院