2017年09月03日 [からだのこと]
(27)サンデーイルネス(仮)貧血について
お疲れ様です。院長です。
9月3日の日曜日でございます。
ついに9月に入りましたね〜。
みなさん夏は満喫できましたか?
わたし的には、これといって夏らしいことはしてませんが、やはり夏は何となく浮かれ気分にはなりますよねぇ…
夏が終わって、これから過ごしやすい季節になりますよね。
スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋など、秋は活動的にいかないとね。
てことで、9月最初のイルネス辞典ですが、今週と来週の2回に分けて「貧血」について解説していきたいと思います。
まぁ、貧血ってわりとメジャーで誰もが知ってる病気だと思うんですが、それだけに誤解されてる方が多いように思えて、今回取り上げました。
まず貧血の定義なんですが、医学的には血液(末梢血)中のヘモグロビン(Hb)濃度、赤血球数、赤血球容積率(Ht)が減少し基準値未満になった状態となってます。
ま、簡単に言えば、血液が薄くなるイメージですかね。
赤血球中の、ヘモグロビン濃度が下がってしまうことによって、全身への酸素運搬に支障をきたしますので、それにより様々な症状が現れます。
その症状とは、「基本症状」として、動悸、息切れ、易(い)疲労感(疲れ易い)、全身の倦怠感、頭重感、顔面蒼白、立ちくらみ症状などが現れます。
ここで「基本症状」と紹介したのには、深い訳があってですね、この辺があまり知られていないことなんですが「貧血」って病気にはたくさん種類があるんです。
一般的には「鉄」不足によっておこると思われていますが、これはあくまで「鉄欠乏性貧血」という、貧血の一つの種類に過ぎません。
まぁ、この「鉄欠乏性貧血」が貧血の中の7割を占めていると言われていますので、有名なのも当然と言えます。
ですが、この「貧血」には他にもいくつもの種類があり、それぞれに原因があり、症状があるわけです。
ですから、「貧血」=鉄不足と思いこみ、鉄分を取ってりゃいいやって思うのは大間違いなわけですね。
あと、「基本症状」におこる症状は、「低血圧」にも起こる症状がかなり重なっています。
ですから、「基本症状」だけで勝手に「貧血」と判断し、何となく鉄分の多い食品を食べとこーってのが一番アカンしね。
ということで、今週はどんな種類の貧血が、どんな原因で起こるのかを解説し、来週にこの定番貧血「鉄欠乏性貧血」を解説していきたいと思います。
では、実際どんな種類があるんでしょう…。
細かく言うともっとあるにはあるんですが、今回は定番以外の3つの貧血を紹介します。
「巨赤芽球性貧血」(きょせきがきゅうせいひんけつ)
人間の細胞が増えるためにはDNAの合成が必要で、その際、ビタミンB12と葉酸が関係しています。
ビタミンB12あるいは葉酸が欠乏すると、細胞分裂がうまくいかなくなるため、骨髄中の赤芽球(赤血球になる前の未熟な細胞)が大きくなり(これを巨赤芽球という)血液中に出てくる赤血球も大きくなってしまいます。
骨髄での造血能(血を造る能力)は上がりますが、赤血球になる前に壊れてしまい壊れてしまうため、赤血球ごと少なくなりますし、同じような変化が、白血球や血小板にも現れるため、すべての血球が少なくなってしまうわけです。
これを「汎血球減少症」(はんけっきゅうげんしょうしょう)と言いますが、結果的に貧血症状を起こすわけです。
「再生不良性貧血」(さいせいふりょうせいひんけつ)
再生不良性貧血は、骨髄にある造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が何らかの原因によって減るために、赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減る病気です。
非常にまれな病気ですが、年齢別の罹患率では、何故か20代と60〜70代に高く発症しています。再生不良性貧血の80%以上は原因が不明ですが、一部は、抗生剤や鎮痛薬などの薬物投与、ウイルス感染、原因不明の肝炎などに続いて起こっています。
再生不良性貧血では、発病から治療を受けるまでの期間が短ければ短いほど改善する確率が高いことがわかっています。
このため、最近では血球減少の程度が軽くても、発病後早期に治療が行われるようになっています。
「溶血性貧血」(ようけつせいひんけつ)
ヒトの赤血球には約120日の寿命があります。この寿命が異常に短縮した状態を溶血と呼びます。
赤血球の寿命が短くなっても、ヒトの骨髄では普通の状態の6〜8倍赤血球を作る能力があるため、その程度が軽い場合には貧血は起こりません。
赤血球の寿命が15〜20日より短くなって、初めて貧血が起こります。
溶血性貧血は、先天性のものと後天性のものとに分けられます。
先天性では、赤血球そのものの異常が溶血の原因ですが、後天性の溶血性貧血は、赤血球を壊す自己抗体が体のなかにつくられてしまうことが原因です。
というわけで「貧血」3種をご紹介しました。
どれも結果的に「貧血」が起こるんですが、原因は全然違いますから、当然ながら治療法も全然違うわけですよ。
なので、少しでも「基本症状」がでているなら、勝手な判断をせず、一度血液検査をしてみましょう。
ってことで、今週は「貧血」の種類について解説していきました。
来週は「貧血」の7割を占める「鉄欠乏性貧血」を詳しく解説したいと思います。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
9月3日の日曜日でございます。
ついに9月に入りましたね〜。
みなさん夏は満喫できましたか?
わたし的には、これといって夏らしいことはしてませんが、やはり夏は何となく浮かれ気分にはなりますよねぇ…
夏が終わって、これから過ごしやすい季節になりますよね。
スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋など、秋は活動的にいかないとね。
てことで、9月最初のイルネス辞典ですが、今週と来週の2回に分けて「貧血」について解説していきたいと思います。
まぁ、貧血ってわりとメジャーで誰もが知ってる病気だと思うんですが、それだけに誤解されてる方が多いように思えて、今回取り上げました。
まず貧血の定義なんですが、医学的には血液(末梢血)中のヘモグロビン(Hb)濃度、赤血球数、赤血球容積率(Ht)が減少し基準値未満になった状態となってます。
ま、簡単に言えば、血液が薄くなるイメージですかね。
赤血球中の、ヘモグロビン濃度が下がってしまうことによって、全身への酸素運搬に支障をきたしますので、それにより様々な症状が現れます。
その症状とは、「基本症状」として、動悸、息切れ、易(い)疲労感(疲れ易い)、全身の倦怠感、頭重感、顔面蒼白、立ちくらみ症状などが現れます。
ここで「基本症状」と紹介したのには、深い訳があってですね、この辺があまり知られていないことなんですが「貧血」って病気にはたくさん種類があるんです。
一般的には「鉄」不足によっておこると思われていますが、これはあくまで「鉄欠乏性貧血」という、貧血の一つの種類に過ぎません。
まぁ、この「鉄欠乏性貧血」が貧血の中の7割を占めていると言われていますので、有名なのも当然と言えます。
ですが、この「貧血」には他にもいくつもの種類があり、それぞれに原因があり、症状があるわけです。
ですから、「貧血」=鉄不足と思いこみ、鉄分を取ってりゃいいやって思うのは大間違いなわけですね。
あと、「基本症状」におこる症状は、「低血圧」にも起こる症状がかなり重なっています。
ですから、「基本症状」だけで勝手に「貧血」と判断し、何となく鉄分の多い食品を食べとこーってのが一番アカンしね。
ということで、今週はどんな種類の貧血が、どんな原因で起こるのかを解説し、来週にこの定番貧血「鉄欠乏性貧血」を解説していきたいと思います。
では、実際どんな種類があるんでしょう…。
細かく言うともっとあるにはあるんですが、今回は定番以外の3つの貧血を紹介します。
「巨赤芽球性貧血」(きょせきがきゅうせいひんけつ)
人間の細胞が増えるためにはDNAの合成が必要で、その際、ビタミンB12と葉酸が関係しています。
ビタミンB12あるいは葉酸が欠乏すると、細胞分裂がうまくいかなくなるため、骨髄中の赤芽球(赤血球になる前の未熟な細胞)が大きくなり(これを巨赤芽球という)血液中に出てくる赤血球も大きくなってしまいます。
骨髄での造血能(血を造る能力)は上がりますが、赤血球になる前に壊れてしまい壊れてしまうため、赤血球ごと少なくなりますし、同じような変化が、白血球や血小板にも現れるため、すべての血球が少なくなってしまうわけです。
これを「汎血球減少症」(はんけっきゅうげんしょうしょう)と言いますが、結果的に貧血症状を起こすわけです。
「再生不良性貧血」(さいせいふりょうせいひんけつ)
再生不良性貧血は、骨髄にある造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が何らかの原因によって減るために、赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減る病気です。
非常にまれな病気ですが、年齢別の罹患率では、何故か20代と60〜70代に高く発症しています。再生不良性貧血の80%以上は原因が不明ですが、一部は、抗生剤や鎮痛薬などの薬物投与、ウイルス感染、原因不明の肝炎などに続いて起こっています。
再生不良性貧血では、発病から治療を受けるまでの期間が短ければ短いほど改善する確率が高いことがわかっています。
このため、最近では血球減少の程度が軽くても、発病後早期に治療が行われるようになっています。
「溶血性貧血」(ようけつせいひんけつ)
ヒトの赤血球には約120日の寿命があります。この寿命が異常に短縮した状態を溶血と呼びます。
赤血球の寿命が短くなっても、ヒトの骨髄では普通の状態の6〜8倍赤血球を作る能力があるため、その程度が軽い場合には貧血は起こりません。
赤血球の寿命が15〜20日より短くなって、初めて貧血が起こります。
溶血性貧血は、先天性のものと後天性のものとに分けられます。
先天性では、赤血球そのものの異常が溶血の原因ですが、後天性の溶血性貧血は、赤血球を壊す自己抗体が体のなかにつくられてしまうことが原因です。
というわけで「貧血」3種をご紹介しました。
どれも結果的に「貧血」が起こるんですが、原因は全然違いますから、当然ながら治療法も全然違うわけですよ。
なので、少しでも「基本症状」がでているなら、勝手な判断をせず、一度血液検査をしてみましょう。
ってことで、今週は「貧血」の種類について解説していきました。
来週は「貧血」の7割を占める「鉄欠乏性貧血」を詳しく解説したいと思います。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院