2024年08月11日 [からだのこと]
(389)サンデーイルネス(仮)乳房、乳頭の奇形ついて
お疲れ様です。院長です。
8月11日のサンデーイルネスでございます。
今日は正確には「山の日」なんですよね。
もうこのままお盆休みに突入って人も多いでしょうし、当院も土曜日からお休みをいただいております。
てことで、今日も本題にいきましょう。
今日のイルネス辞典は、「乳房、乳頭の奇形」について解説していきたいと思います。
先天性の奇形で乳房あるいは乳頭が欠損するものをいいます。
無乳房症は極めてまれですが、乳頭・乳輪の形成不全はしばしば認められます。
まったく乳頭が欠損する無乳頭症はまれです。
胎児期に乳腺が形成されない先天性の原因が最も多いようです。
半陰陽(はんいんよう)と合併することもあります。
経口避妊薬などのホルモン薬との因果関係は証明されていません。
出生児に乳頭・乳輪いずれも欠損していればすぐに無乳房症が疑われます。
乳頭は思春期以後発達するので、無乳頭症と診断されるのは10代半ば以降です。
視触診でおおよその診断は可能ですが、超音波、乳房X線撮影でまったく乳腺が認められなければ確実に診断されます。
無乳房症であれば人工乳腺を用いた乳房形成手術、無乳頭症ならば乳頭のみの形成を行います。
これらの疾患は治療の時期がたいへん難しい病気です。
思春期前後の患者さんは異常を意識して精神的なストレスが大きくなりますが、できれば女性としての体が完成する20歳前後に形成手術を行うべきです。
小乳房症(しょうにゅうぼうしょう)
乳房の発達が十分ではないものをいいます。
乳房の大きさには個人差があるので具体的な定義は難しいのですが、思春期に入っても乳房の発達が顕著に認められない場合を小乳房症とします。
両側のこともありますが、片側の乳房のみ発達が悪い場合もあります。
原因不明の場合が最も多いのですが、生来乳腺が未発達であったり、思春期に卵巣などの重要な内分泌臓器が十分に機能しないことが原因であることもあります。
思春期に入っても乳房が発達しないことで、本疾患が疑われます。
視触診、超音波、X線撮影などを行いますが、本疾患の定義は極めて主観的なものなので、診断は難しいようです。
人工乳腺を用いた豊胸術を行えば、外見的な症状は改善されます。
本疾患の患者さんは、思春期以降に病状を自覚し、ストレスを感じます。
片側だけの場合のほうが精神的には深刻です。
いずれにしても、周囲の理解と適切なタイミングでの形成手術が重要です。
多乳房症(たにゅうぼうしょう)、多乳頭症(たにゅうとうしょう)
乳腺ないし乳頭が3つ以上あるものをいいます。
胎児期に乳腺の原器は両側の腋(わき)の下から股の付け根までの数カ所に形成されますが、通常は胸部の1対のみを残して退化します。
しかし、腋の下の部分の乳腺が副乳腺として形成されることがしばしばあり、小さないぼ状の乳首を伴うことがあります。
完全な乳頭・乳輪を備えた乳房が3つ以上形成されることはまれですが、この場合でも本来の乳房より発達が悪いことが多いようです。
生後はあまり目立たないことが多いのですが、思春期に入るとともに腋の下の部分のふくらみや、ほくろ状の乳頭、乳輪が明らかに認められるようになります。
視触診で診断可能です。
多乳房症の場合には、超音波検査などで乳腺の存在が確認できます。
通常は治療する必要はありません。
美容上問題がある場合には、切除手術を行うことができます。
決してめずらしくない「先祖返り」なので、気にならなければ放置してよい病気です。
扁平乳頭(へんぺいにゅうとう)、陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)、裂状乳頭(れつじょうにゅうとう)
乳頭の発達も個人差が著しく、乳輪からほとんど突出しない扁平乳頭と、乳輪内に乳頭が陥没する陥没乳頭とがあります。
陥没乳頭には、乳頭を引っ張り出すことが可能な仮性(かせい)陥没乳頭と、まったく乳輪外に乳頭が出てこない真性(しんせい)陥没乳頭とがあります。
裂状乳頭とは、乳頭が上下に裂けて舌状になったものをいいます。
先天的に、乳頭部が乳輪の皮膚から完全に発達しないことが原因と考えられています。
乳がんの症状として乳頭が腫瘤(しゅりゅう)に引き込まれて陥没することがあるので、注意を要します。
思春期になっても乳頭の発達が悪いことや、乳輪内に陥没したままであることで診断されます。
妊娠、授乳期まで気がつかない場合もあります。
視触診で診断できます。
扁平乳頭なら乳頭形成術が必要です。
乳頭形成術を行っても授乳は難しいようです。
仮性陥没乳頭なら、入浴時などに乳頭を引っ張り出すようにすることで陥没しなくなることもあります。
真性陥没乳頭では根治的な手術が必要です。
授乳に支障のないように治療するためには、本疾患に精通した形成外科医の治療を受けるべきです。
裂状乳頭は、通常は治療をしません。
思春期に気づくことが多いので、周囲はあまり心理的なストレスを与えないように接します。
治療は乳房の発育が完了する成人になってからがよいでしょう。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月11日のサンデーイルネスでございます。
今日は正確には「山の日」なんですよね。
もうこのままお盆休みに突入って人も多いでしょうし、当院も土曜日からお休みをいただいております。
てことで、今日も本題にいきましょう。
今日のイルネス辞典は、「乳房、乳頭の奇形」について解説していきたいと思います。
先天性の奇形で乳房あるいは乳頭が欠損するものをいいます。
無乳房症は極めてまれですが、乳頭・乳輪の形成不全はしばしば認められます。
まったく乳頭が欠損する無乳頭症はまれです。
胎児期に乳腺が形成されない先天性の原因が最も多いようです。
半陰陽(はんいんよう)と合併することもあります。
経口避妊薬などのホルモン薬との因果関係は証明されていません。
出生児に乳頭・乳輪いずれも欠損していればすぐに無乳房症が疑われます。
乳頭は思春期以後発達するので、無乳頭症と診断されるのは10代半ば以降です。
視触診でおおよその診断は可能ですが、超音波、乳房X線撮影でまったく乳腺が認められなければ確実に診断されます。
無乳房症であれば人工乳腺を用いた乳房形成手術、無乳頭症ならば乳頭のみの形成を行います。
これらの疾患は治療の時期がたいへん難しい病気です。
思春期前後の患者さんは異常を意識して精神的なストレスが大きくなりますが、できれば女性としての体が完成する20歳前後に形成手術を行うべきです。
小乳房症(しょうにゅうぼうしょう)
乳房の発達が十分ではないものをいいます。
乳房の大きさには個人差があるので具体的な定義は難しいのですが、思春期に入っても乳房の発達が顕著に認められない場合を小乳房症とします。
両側のこともありますが、片側の乳房のみ発達が悪い場合もあります。
原因不明の場合が最も多いのですが、生来乳腺が未発達であったり、思春期に卵巣などの重要な内分泌臓器が十分に機能しないことが原因であることもあります。
思春期に入っても乳房が発達しないことで、本疾患が疑われます。
視触診、超音波、X線撮影などを行いますが、本疾患の定義は極めて主観的なものなので、診断は難しいようです。
人工乳腺を用いた豊胸術を行えば、外見的な症状は改善されます。
本疾患の患者さんは、思春期以降に病状を自覚し、ストレスを感じます。
片側だけの場合のほうが精神的には深刻です。
いずれにしても、周囲の理解と適切なタイミングでの形成手術が重要です。
多乳房症(たにゅうぼうしょう)、多乳頭症(たにゅうとうしょう)
乳腺ないし乳頭が3つ以上あるものをいいます。
胎児期に乳腺の原器は両側の腋(わき)の下から股の付け根までの数カ所に形成されますが、通常は胸部の1対のみを残して退化します。
しかし、腋の下の部分の乳腺が副乳腺として形成されることがしばしばあり、小さないぼ状の乳首を伴うことがあります。
完全な乳頭・乳輪を備えた乳房が3つ以上形成されることはまれですが、この場合でも本来の乳房より発達が悪いことが多いようです。
生後はあまり目立たないことが多いのですが、思春期に入るとともに腋の下の部分のふくらみや、ほくろ状の乳頭、乳輪が明らかに認められるようになります。
視触診で診断可能です。
多乳房症の場合には、超音波検査などで乳腺の存在が確認できます。
通常は治療する必要はありません。
美容上問題がある場合には、切除手術を行うことができます。
決してめずらしくない「先祖返り」なので、気にならなければ放置してよい病気です。
扁平乳頭(へんぺいにゅうとう)、陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)、裂状乳頭(れつじょうにゅうとう)
乳頭の発達も個人差が著しく、乳輪からほとんど突出しない扁平乳頭と、乳輪内に乳頭が陥没する陥没乳頭とがあります。
陥没乳頭には、乳頭を引っ張り出すことが可能な仮性(かせい)陥没乳頭と、まったく乳輪外に乳頭が出てこない真性(しんせい)陥没乳頭とがあります。
裂状乳頭とは、乳頭が上下に裂けて舌状になったものをいいます。
先天的に、乳頭部が乳輪の皮膚から完全に発達しないことが原因と考えられています。
乳がんの症状として乳頭が腫瘤(しゅりゅう)に引き込まれて陥没することがあるので、注意を要します。
思春期になっても乳頭の発達が悪いことや、乳輪内に陥没したままであることで診断されます。
妊娠、授乳期まで気がつかない場合もあります。
視触診で診断できます。
扁平乳頭なら乳頭形成術が必要です。
乳頭形成術を行っても授乳は難しいようです。
仮性陥没乳頭なら、入浴時などに乳頭を引っ張り出すようにすることで陥没しなくなることもあります。
真性陥没乳頭では根治的な手術が必要です。
授乳に支障のないように治療するためには、本疾患に精通した形成外科医の治療を受けるべきです。
裂状乳頭は、通常は治療をしません。
思春期に気づくことが多いので、周囲はあまり心理的なストレスを与えないように接します。
治療は乳房の発育が完了する成人になってからがよいでしょう。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院