2024年05月28日 [からだのこと]
DNAのコピペミス
お疲れ様です。院長です。
5月28日の火曜日でございます。
5月も終盤ですなぁ。
では今日も元気にネタいきましょう。
なんでも、新たな研究によると、7億年前に誕生したさまざまな動物の共通祖先の遺伝子のおよそ半分は、本来の用途を変えることで、今日の動物に見られるさまざまなユニークな特徴を作り出しているそうです。
そのような古い遺伝子は、生物の体において基礎的なきわめて重要な機能を担っています。
それほど重要なものを、なぜ動物たちは別の用途に再利用することができたのでしょう?
スペインの研究によれば、その原因は遺伝子のコピペミスで、同じ遺伝子を2つ作り出してしまったことなんだとか…。
7億年前、驚くべき生物が地球に誕生しました。
今の基準からすればどこがスゴいのかわからないでしょうけど、その動物には前と後、上と下があったわけです。
この特徴は当時としては画期的なもので、私たち人間をはじめ、ほとんどの複雑な動物が受け継いでいます。
太古の海の海底を這っていたと推測されているその生物は、脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)と無脊椎動物(昆虫、節足動物、軟体動物など)が含まれる大グループ「左右相称動物」の最後の共通祖先です。
バルセロナ科学技術研究所(スペイン)をはじめとする研究チームは、ヒト、サメ、カゲロウ、ムカデ、タコなど20種の左右相称動物を調べ、じつに7000グループ以上の遺伝子がその共通祖先まで遡ることを突き止めました。
もう1つ驚くべきことは、この共通祖先の遺伝子の半分が、その後の動物のさまざまな部位で再利用されていたことでした。
遺伝子のDNAはいわば設計図のようなもので、体の構造などタンパク質合成に必要な情報がすべてつまっています。
で、その設計図を複製するときに誤りが生じたのだと…。
例えば、脊椎動物が誕生してまもない頃、体の各種組織に特化した遺伝子が大量に出現するという重要な出来事が起きています。
偶然か必然か、それと時を同じくして、ゲノム情報全体がコピーされるという非常に重要な出来事(全ゲノム重複イベント)が2回起きています。
こうして同じ遺伝子を2つ手に入れたことで、動物たちは片方を基本的な機能のために残しつつ、もう片方を進化のために大胆に使うことができたんだと…。
研究チームの1人、フェデリカ・マンティカ氏は、我々の遺伝子は、組織や臓器を作るためのレシピが書かれた膨大な数の料理本のようなものだと語っています。
例えば今、手元にパエリアのレシピがあったとして、それを書きうつすときにミスをして、2種類のレシピができてしまったと…。
そこで、元々のレシピを保持しつつ、もう1つのレシピはミスした部分が変更されていき、いろいろ工夫を凝らしたところリゾットが出来上がったとそういうことのようです。
しかも、このような出来事は、程度の差こそあれ、左右相称動物の進化の歴史を通じて繰り返し起きているのだそうです。
そして今回の研究では、そうした事例がいくつも発見されています。
例えば、件の共通祖先に起源があるTESMIN遺伝子とtomb遺伝子は、脊椎動物と昆虫の両方の精巣において、それぞれ独自の役割を果たしています。
それはとても重要なもので、この遺伝子が正常に働かないと精子を上手く作ることができず、マウスでもミバエでも生殖に問題を抱えるようになります。
先祖遺伝子の特殊化は、複雑な神経系が発達する基礎にもなりました。
脊椎動物では、神経細胞の周囲に「ミエリン鞘」(神経シグナルの高速な伝達には不可欠なもの)を形成するのに重要な遺伝子がそれです。
人間では認知機能に重要な役割を果たすFGF17遺伝子が、もともとは共通祖先から受け継いだものです。
昆虫では、そうした遺伝子が筋肉と表皮のクチクラを形成するために使われ、飛行能力を発達させました。
タコの皮膚では、光の刺激を感知することに特化し、忍者のようなカモフラージュ機能や、仲間とのコミュニケーション能力を支えています。
つまり、昆虫の飛行能力、タコの迷彩、人間の認知もすべてコピペミスから始まったのだということです。
今回の研究では、組織レベルで種の進化を追うことで、身体の各所にある遺伝子の使われ方の変化が、動物それぞれにユニークな特徴を進化させる大きな原動力になっただろうことが明らかになりました。
この研究の責任者であるマヌエル・イリミア教授は、こう結論づけています。
この研究は、遺伝子が果たす役割や機能を再考させるものです。
生存に不可欠で、何百万年もの間、保存されてきた遺伝子であっても、進化の過程でいとも容易に新たな機能を獲得することができます。
重要な役割を守ること、新しい道を探ること、どちらも大切ですが、進化はそのバランスを上手くとっているのだそうです。
まぁ、長い時間をかけて進化していくわけですから、少々のミスはあって当たり前なのかもしれませんね。
まぁ、何事もミスしてもそのあとリカバリー出来るってことですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月28日の火曜日でございます。
5月も終盤ですなぁ。
では今日も元気にネタいきましょう。
なんでも、新たな研究によると、7億年前に誕生したさまざまな動物の共通祖先の遺伝子のおよそ半分は、本来の用途を変えることで、今日の動物に見られるさまざまなユニークな特徴を作り出しているそうです。
そのような古い遺伝子は、生物の体において基礎的なきわめて重要な機能を担っています。
それほど重要なものを、なぜ動物たちは別の用途に再利用することができたのでしょう?
スペインの研究によれば、その原因は遺伝子のコピペミスで、同じ遺伝子を2つ作り出してしまったことなんだとか…。
7億年前、驚くべき生物が地球に誕生しました。
今の基準からすればどこがスゴいのかわからないでしょうけど、その動物には前と後、上と下があったわけです。
この特徴は当時としては画期的なもので、私たち人間をはじめ、ほとんどの複雑な動物が受け継いでいます。
太古の海の海底を這っていたと推測されているその生物は、脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)と無脊椎動物(昆虫、節足動物、軟体動物など)が含まれる大グループ「左右相称動物」の最後の共通祖先です。
バルセロナ科学技術研究所(スペイン)をはじめとする研究チームは、ヒト、サメ、カゲロウ、ムカデ、タコなど20種の左右相称動物を調べ、じつに7000グループ以上の遺伝子がその共通祖先まで遡ることを突き止めました。
もう1つ驚くべきことは、この共通祖先の遺伝子の半分が、その後の動物のさまざまな部位で再利用されていたことでした。
遺伝子のDNAはいわば設計図のようなもので、体の構造などタンパク質合成に必要な情報がすべてつまっています。
で、その設計図を複製するときに誤りが生じたのだと…。
例えば、脊椎動物が誕生してまもない頃、体の各種組織に特化した遺伝子が大量に出現するという重要な出来事が起きています。
偶然か必然か、それと時を同じくして、ゲノム情報全体がコピーされるという非常に重要な出来事(全ゲノム重複イベント)が2回起きています。
こうして同じ遺伝子を2つ手に入れたことで、動物たちは片方を基本的な機能のために残しつつ、もう片方を進化のために大胆に使うことができたんだと…。
研究チームの1人、フェデリカ・マンティカ氏は、我々の遺伝子は、組織や臓器を作るためのレシピが書かれた膨大な数の料理本のようなものだと語っています。
例えば今、手元にパエリアのレシピがあったとして、それを書きうつすときにミスをして、2種類のレシピができてしまったと…。
そこで、元々のレシピを保持しつつ、もう1つのレシピはミスした部分が変更されていき、いろいろ工夫を凝らしたところリゾットが出来上がったとそういうことのようです。
しかも、このような出来事は、程度の差こそあれ、左右相称動物の進化の歴史を通じて繰り返し起きているのだそうです。
そして今回の研究では、そうした事例がいくつも発見されています。
例えば、件の共通祖先に起源があるTESMIN遺伝子とtomb遺伝子は、脊椎動物と昆虫の両方の精巣において、それぞれ独自の役割を果たしています。
それはとても重要なもので、この遺伝子が正常に働かないと精子を上手く作ることができず、マウスでもミバエでも生殖に問題を抱えるようになります。
先祖遺伝子の特殊化は、複雑な神経系が発達する基礎にもなりました。
脊椎動物では、神経細胞の周囲に「ミエリン鞘」(神経シグナルの高速な伝達には不可欠なもの)を形成するのに重要な遺伝子がそれです。
人間では認知機能に重要な役割を果たすFGF17遺伝子が、もともとは共通祖先から受け継いだものです。
昆虫では、そうした遺伝子が筋肉と表皮のクチクラを形成するために使われ、飛行能力を発達させました。
タコの皮膚では、光の刺激を感知することに特化し、忍者のようなカモフラージュ機能や、仲間とのコミュニケーション能力を支えています。
つまり、昆虫の飛行能力、タコの迷彩、人間の認知もすべてコピペミスから始まったのだということです。
今回の研究では、組織レベルで種の進化を追うことで、身体の各所にある遺伝子の使われ方の変化が、動物それぞれにユニークな特徴を進化させる大きな原動力になっただろうことが明らかになりました。
この研究の責任者であるマヌエル・イリミア教授は、こう結論づけています。
この研究は、遺伝子が果たす役割や機能を再考させるものです。
生存に不可欠で、何百万年もの間、保存されてきた遺伝子であっても、進化の過程でいとも容易に新たな機能を獲得することができます。
重要な役割を守ること、新しい道を探ること、どちらも大切ですが、進化はそのバランスを上手くとっているのだそうです。
まぁ、長い時間をかけて進化していくわけですから、少々のミスはあって当たり前なのかもしれませんね。
まぁ、何事もミスしてもそのあとリカバリー出来るってことですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院