2024年05月12日 [からだのこと]
(376)サンデーイルネス(仮)腎臓の形態異常について
お疲れ様です。院長です。
5月12日のサンデーイルネスでございます。
5月も1/3が過ぎ、徐々に暑くなってきますよねぇ。
毎年、これくらいからもう暑くなり、梅雨時にはすでに夏の暑さですからね。
そして、今年もおそらく、狂ったような暑さになるんでしょう。
ま、覚悟はしてますけどね。
どうせ、バカみたいに暑いんでしょうしね。
てことで、徐々に夏を感じながら今日も本題に入りましょう。
書いててちょっと長くなっちゃったので、2回にわけていこうかと思います。
今週のイルネス辞典は、「腎臓の形態異常」について解説していきたいと思います。
腎臓の形態異常には、さまざまな疾患が合併することが多いので、まずは正確な診断と病像の把握が必要です。
そのあとは腎機能をいかに保つことができるかが重要になります。
発見された時期や合併症の有無、異常を放置していると腎機能に悪影響を及ぼす可能性があるかなどを総合的にみて、治療が必要かどうかを判断します。
数(かず)・大(おお)きさの異常(いじょう)
(1)両側腎無発生(りょうそくじんむはっせい)
両側の腎臓が完全にない状態です。
胎児期に尿の生成がないことから高度の羊水過少症を伴い、特有な顔つきや四肢の奇形、肺の発育不全などを生じます。
ほぼ全例が、出生後呼吸不全で亡くなります。
(2)片側(へんそく)腎無発生
片側の腎臓のみが完全にない状態です。
反対側の腎臓が正常ならば、通常、症状が出ることはなく、一般的に治療や日常生活の制限は必要ありません。
女性の場合は、比較的高率に子宮や腟といった生殖器の奇形を合併します。
(3)過剰腎(かじょうじん)
3個以上の独立した腎臓があるもので、極めてまれです。
(4)低形成腎(ていけいせいじん)
先天性の発育不良の腎臓で、正常な腎臓に比べてサイズが小さくなります。
ネフロンの数も少ないのですが、構造は正常で、腎臓の機能はある程度備わっています。
膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)を伴うことも多くあります。
両側の低形成腎の場合は、程度により腎不全に至ることがありますので、定期的な受診が必要です。
根本的な治療法はありませんが、降圧薬に分類されるアンジオテンシン受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬の内服が、腎不全の進行を遅らせる可能性が報告されています。
一方、片側のみの低形成腎の場合は、反対側の腎臓が代償性に大きくなり、とくに症状が出ることはありません。
成長後に、偶然発見されることもありますが、とくに治療は必要となりません。
形態(けいたい)と位置(いち)の異常(いじょう)
(1)融合腎(ゆうごうじん)
本来、体の左右に1個ずつある腎臓がつながってしまっている形態異常です。
腎臓の下端が体の中心線上でつながり、馬の蹄鉄(ていてつ)に似た形態となる馬蹄腎(ばていじん)が代表的です。
超音波検査やCT、腎シンチグラフィで形態の検査を行うことにより診断ができます。
合併症がなく、無症状の場合はとくに治療は必要ありません。
しかし、結合部が尿管を圧迫して尿の通過障害を起こし、そのため感染症を起こしたり、尿路結石(にょうろけっせき)が発生したり、腰痛の原因となっていたりする場合があります。
このような時は、結合部の離断などの手術が必要となることがあります。
(2)変位腎(へんいじん)
腎臓は、胎生初期に骨盤内で発生し、徐々に上昇してきて正常な腰の位置に達します。
この上昇過程に異常が生じると腎臓の位置が異常となり、変位腎と呼ばれます。
上昇が不完全な場合、腎臓が骨盤内にある骨盤腎(こつばんじん)となり、まれではありますが、上昇が過剰だと胸腔内にある胸部腎(きょうぶじん)となります。
また、片側の腎臓が、体の中心線を越えて反対側に存在する場合、交差性変位腎と呼ばれます。
変位腎の多くは無症状で、偶然発見されます。
発見された場合、腎臓の血管系がどのような状態になっているかを調べることも大切です。
(3)腎下垂(じんかすい)、遊走腎(ゆうそうじん)
腎臓は、健康な人でも息を吸った時や立った時には4〜5p下方へ移動します。
下降の程度が強く、そのためにいろいろな症状が出るものを腎下垂または遊走腎といいます。
腎臓を支えている周囲の組織の力が弱いために生じると考えられており、一般に、やせていて体つきの細い女性に多く、大部分は右側に起こります。
尿管の屈曲や腎動静脈の伸展が起こりやすく、尿流通過障害や腎盂腎炎(じんうじんえん)、尿路結石、腰痛などの症状を起こしやすくなります。
症状がなければ治療の必要はありません。
やせている人は、少し太るような食事をしたり、また、適度なスポーツなどで筋力をつけることも効果があります。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月12日のサンデーイルネスでございます。
5月も1/3が過ぎ、徐々に暑くなってきますよねぇ。
毎年、これくらいからもう暑くなり、梅雨時にはすでに夏の暑さですからね。
そして、今年もおそらく、狂ったような暑さになるんでしょう。
ま、覚悟はしてますけどね。
どうせ、バカみたいに暑いんでしょうしね。
てことで、徐々に夏を感じながら今日も本題に入りましょう。
書いててちょっと長くなっちゃったので、2回にわけていこうかと思います。
今週のイルネス辞典は、「腎臓の形態異常」について解説していきたいと思います。
腎臓の形態異常には、さまざまな疾患が合併することが多いので、まずは正確な診断と病像の把握が必要です。
そのあとは腎機能をいかに保つことができるかが重要になります。
発見された時期や合併症の有無、異常を放置していると腎機能に悪影響を及ぼす可能性があるかなどを総合的にみて、治療が必要かどうかを判断します。
数(かず)・大(おお)きさの異常(いじょう)
(1)両側腎無発生(りょうそくじんむはっせい)
両側の腎臓が完全にない状態です。
胎児期に尿の生成がないことから高度の羊水過少症を伴い、特有な顔つきや四肢の奇形、肺の発育不全などを生じます。
ほぼ全例が、出生後呼吸不全で亡くなります。
(2)片側(へんそく)腎無発生
片側の腎臓のみが完全にない状態です。
反対側の腎臓が正常ならば、通常、症状が出ることはなく、一般的に治療や日常生活の制限は必要ありません。
女性の場合は、比較的高率に子宮や腟といった生殖器の奇形を合併します。
(3)過剰腎(かじょうじん)
3個以上の独立した腎臓があるもので、極めてまれです。
(4)低形成腎(ていけいせいじん)
先天性の発育不良の腎臓で、正常な腎臓に比べてサイズが小さくなります。
ネフロンの数も少ないのですが、構造は正常で、腎臓の機能はある程度備わっています。
膀胱尿管逆流(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう)を伴うことも多くあります。
両側の低形成腎の場合は、程度により腎不全に至ることがありますので、定期的な受診が必要です。
根本的な治療法はありませんが、降圧薬に分類されるアンジオテンシン受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬の内服が、腎不全の進行を遅らせる可能性が報告されています。
一方、片側のみの低形成腎の場合は、反対側の腎臓が代償性に大きくなり、とくに症状が出ることはありません。
成長後に、偶然発見されることもありますが、とくに治療は必要となりません。
形態(けいたい)と位置(いち)の異常(いじょう)
(1)融合腎(ゆうごうじん)
本来、体の左右に1個ずつある腎臓がつながってしまっている形態異常です。
腎臓の下端が体の中心線上でつながり、馬の蹄鉄(ていてつ)に似た形態となる馬蹄腎(ばていじん)が代表的です。
超音波検査やCT、腎シンチグラフィで形態の検査を行うことにより診断ができます。
合併症がなく、無症状の場合はとくに治療は必要ありません。
しかし、結合部が尿管を圧迫して尿の通過障害を起こし、そのため感染症を起こしたり、尿路結石(にょうろけっせき)が発生したり、腰痛の原因となっていたりする場合があります。
このような時は、結合部の離断などの手術が必要となることがあります。
(2)変位腎(へんいじん)
腎臓は、胎生初期に骨盤内で発生し、徐々に上昇してきて正常な腰の位置に達します。
この上昇過程に異常が生じると腎臓の位置が異常となり、変位腎と呼ばれます。
上昇が不完全な場合、腎臓が骨盤内にある骨盤腎(こつばんじん)となり、まれではありますが、上昇が過剰だと胸腔内にある胸部腎(きょうぶじん)となります。
また、片側の腎臓が、体の中心線を越えて反対側に存在する場合、交差性変位腎と呼ばれます。
変位腎の多くは無症状で、偶然発見されます。
発見された場合、腎臓の血管系がどのような状態になっているかを調べることも大切です。
(3)腎下垂(じんかすい)、遊走腎(ゆうそうじん)
腎臓は、健康な人でも息を吸った時や立った時には4〜5p下方へ移動します。
下降の程度が強く、そのためにいろいろな症状が出るものを腎下垂または遊走腎といいます。
腎臓を支えている周囲の組織の力が弱いために生じると考えられており、一般に、やせていて体つきの細い女性に多く、大部分は右側に起こります。
尿管の屈曲や腎動静脈の伸展が起こりやすく、尿流通過障害や腎盂腎炎(じんうじんえん)、尿路結石、腰痛などの症状を起こしやすくなります。
症状がなければ治療の必要はありません。
やせている人は、少し太るような食事をしたり、また、適度なスポーツなどで筋力をつけることも効果があります。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院