2024年03月11日 [動物のこと]
まさにアリの一穴
お疲れ様です。院長です。
3月11日の月曜日でございます。
さぁ、3月も1/3が過ぎ、かなり春感も増してきましたな。
今年は、暖かくなったり寒くなったりと、妙な気候なんで油断は出来ませんが、まぁボチボチ春ですな。
てことで、心軽やかにネタにいきましょう。
ほんのわずかな変化が、大きな変化を引き起こすことを「バタフライ効果」というそうなんですが、これに近いことが自然界で起きているそうなんです。
アフリカで、ほんの小さな外来種のアリが侵入したことから、ライオンの狩りスタイルを劇的に変化させたんだとか…。
ライオンはこれまでのようにシマウマを狙うことがなくなり、代わりにバッファローが狙われることとなったそうなんです。
小さなアリから百獣の王ライオンにつながる連鎖には、在来種のアリや木、そして象も関係しているそうです。
最新の研究で明らかになった、ケニアのサバンナで動物や植物が織りなす複雑な生態系について見ていきましょう。
20世紀の終わり頃、マダガスカルの約900km東に位置するモーリシャス島に生息していた「ツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)が、アフリカ、ケニアのオル・ペジェタ保護区に侵入しました。
この外来種のアリは、そこに生えるマメ科の木(アカキア・ドレパノロビウム)が気に入ったようで、この木に住みつき始めました。
困ったのは、そこで暮らしていた在来の「シリアゲアリ(Crematogaster)」でした。
この木とシリアゲアリは持ちつ持たれつの関係にあり、アリは美味しい蜜と隠れ家を提供してもらう代わりに、木を食べようとする動物に噛みつき、ギ酸を放出することで木を守っていたんですね。
シリアゲアリのガードマンとしての働きぶりは確かなもので、彼らの何倍も大きな巨大な象がやってきても、その鼻に群がっては撃退したそうです。
ところが、よそ者のツヤオオズアリに追い払われてしまうと、木は誰からも守られなくなったしまったわけです。
そうなると結果的に象たちは気兼ねなく樹木を食べられるようになり、木が食べられるペースは5〜7倍にも上がったそうなんです。
こうしてケニアからアリと共生関係にあったアカキア・ドレパノロビウムの木は激減することになります。
これはライオンにとっても困ったことだったようなんです。
彼らは狩りをするとき、この木に身を隠して獲物に忍びよっていたんですね。
ところがそれがなくなってしまったために、足の速いシマウマを狩れなくなってしまったそうなんです。
そこで目をつけたのが、もっと足の遅いバッファローだと…。
その結果、2003〜2020年にかけて、ライオンの獲物となったシマウマは67%から42%に減少し、その代わりにバッファローの犠牲は0%から42%に増加したそうです。
米ワイオミング大学の動物学者ダグラス・カマル氏らが発表した研究では、次のように説明していています。
地球上でもっとも広範囲に生息し、生態系に大きな影響を与えている侵略的外来種であるヒツヤオオズアリの広がりが、生態学的な連鎖反応を引き起こし、ライオンにとって主要な獲物である動物の狩りの成功率が低下していることが明らかになりました。
バッファローにとっては気の毒な話しですが、幸いにも「今のところ」、保護区で生きるライオンの個体数に変化はないようです。
つまり、それだけ、バッファローが食われてるんですねぇ(笑)
ですが今後はどうなるかわからないとカマル氏は語っています。
百獣の王ライオンといえど、バッファローは手強い相手です。
それを狩るにはシマウマよりも骨が折れるし、下手をすると反撃されて命を落とすこともあると…。
それがいずれライオンの個体数を減らさないとも限らないという話です。
とりあえずは、将来的なライオンへの影響はさておき、今回の研究は、生態系がいかに複雑におりなされ、さまざまな生物が目に見えない形で関わっていることを教えてくれています。
ファウナ&フローラ・インターナショナルの生態学者メレディス・パーマー氏は、第三者の立場から次のようにコメントしています。
この研究は、生態系がいかに複雑であるかを示してくれました。
1本の糸を引っ張ると、全体が反応するのです。
生き物同士が複雑な関係でつながっており、ほんの小さなきっかけで、その連鎖は変化していく。
ですが自然は自浄作用が働くこともあるし、生物たちは適応するために自らのスタイルを変えていくこともあります。
今後ケニアのサバンナの生態系がどのような形になっていくのか、見守っていきたいと思います。
まぁ、今回の事に限らず、我々の知らないところで、もっと色んな変化が常に起ってるんじゃないですかね。
都度、動物たちはライフスタイルを変え、時には肉体を進化させ適応してるんでしょう。
人間も見習わなきゃね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月11日の月曜日でございます。
さぁ、3月も1/3が過ぎ、かなり春感も増してきましたな。
今年は、暖かくなったり寒くなったりと、妙な気候なんで油断は出来ませんが、まぁボチボチ春ですな。
てことで、心軽やかにネタにいきましょう。
ほんのわずかな変化が、大きな変化を引き起こすことを「バタフライ効果」というそうなんですが、これに近いことが自然界で起きているそうなんです。
アフリカで、ほんの小さな外来種のアリが侵入したことから、ライオンの狩りスタイルを劇的に変化させたんだとか…。
ライオンはこれまでのようにシマウマを狙うことがなくなり、代わりにバッファローが狙われることとなったそうなんです。
小さなアリから百獣の王ライオンにつながる連鎖には、在来種のアリや木、そして象も関係しているそうです。
最新の研究で明らかになった、ケニアのサバンナで動物や植物が織りなす複雑な生態系について見ていきましょう。
20世紀の終わり頃、マダガスカルの約900km東に位置するモーリシャス島に生息していた「ツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)が、アフリカ、ケニアのオル・ペジェタ保護区に侵入しました。
この外来種のアリは、そこに生えるマメ科の木(アカキア・ドレパノロビウム)が気に入ったようで、この木に住みつき始めました。
困ったのは、そこで暮らしていた在来の「シリアゲアリ(Crematogaster)」でした。
この木とシリアゲアリは持ちつ持たれつの関係にあり、アリは美味しい蜜と隠れ家を提供してもらう代わりに、木を食べようとする動物に噛みつき、ギ酸を放出することで木を守っていたんですね。
シリアゲアリのガードマンとしての働きぶりは確かなもので、彼らの何倍も大きな巨大な象がやってきても、その鼻に群がっては撃退したそうです。
ところが、よそ者のツヤオオズアリに追い払われてしまうと、木は誰からも守られなくなったしまったわけです。
そうなると結果的に象たちは気兼ねなく樹木を食べられるようになり、木が食べられるペースは5〜7倍にも上がったそうなんです。
こうしてケニアからアリと共生関係にあったアカキア・ドレパノロビウムの木は激減することになります。
これはライオンにとっても困ったことだったようなんです。
彼らは狩りをするとき、この木に身を隠して獲物に忍びよっていたんですね。
ところがそれがなくなってしまったために、足の速いシマウマを狩れなくなってしまったそうなんです。
そこで目をつけたのが、もっと足の遅いバッファローだと…。
その結果、2003〜2020年にかけて、ライオンの獲物となったシマウマは67%から42%に減少し、その代わりにバッファローの犠牲は0%から42%に増加したそうです。
米ワイオミング大学の動物学者ダグラス・カマル氏らが発表した研究では、次のように説明していています。
地球上でもっとも広範囲に生息し、生態系に大きな影響を与えている侵略的外来種であるヒツヤオオズアリの広がりが、生態学的な連鎖反応を引き起こし、ライオンにとって主要な獲物である動物の狩りの成功率が低下していることが明らかになりました。
バッファローにとっては気の毒な話しですが、幸いにも「今のところ」、保護区で生きるライオンの個体数に変化はないようです。
つまり、それだけ、バッファローが食われてるんですねぇ(笑)
ですが今後はどうなるかわからないとカマル氏は語っています。
百獣の王ライオンといえど、バッファローは手強い相手です。
それを狩るにはシマウマよりも骨が折れるし、下手をすると反撃されて命を落とすこともあると…。
それがいずれライオンの個体数を減らさないとも限らないという話です。
とりあえずは、将来的なライオンへの影響はさておき、今回の研究は、生態系がいかに複雑におりなされ、さまざまな生物が目に見えない形で関わっていることを教えてくれています。
ファウナ&フローラ・インターナショナルの生態学者メレディス・パーマー氏は、第三者の立場から次のようにコメントしています。
この研究は、生態系がいかに複雑であるかを示してくれました。
1本の糸を引っ張ると、全体が反応するのです。
生き物同士が複雑な関係でつながっており、ほんの小さなきっかけで、その連鎖は変化していく。
ですが自然は自浄作用が働くこともあるし、生物たちは適応するために自らのスタイルを変えていくこともあります。
今後ケニアのサバンナの生態系がどのような形になっていくのか、見守っていきたいと思います。
まぁ、今回の事に限らず、我々の知らないところで、もっと色んな変化が常に起ってるんじゃないですかね。
都度、動物たちはライフスタイルを変え、時には肉体を進化させ適応してるんでしょう。
人間も見習わなきゃね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院