2023年10月06日 [色々なこと]
メタンターミネーション
お疲れ様です。院長です。
10月6日の金曜日でございます。
10月最初の金曜日でございます。
では今日もネタにいきましょう。
今日はまぁ、何度も書いてる温室効果ガス、メタンのお話しとなっております。
2006年以降、地球の大気に含まれるメタンが急激に増加しています。
メタンはきわめて強力な温室効果ガスなんですが、人間の活動によって排出される二酸化炭素とは違って、排出源は生物学的なものであるようなんですね。
じつは現在見られるメタンの急増は、過去にも起きたことがあります。
それは1万2000年前の氷期から間氷期に移り変わった時代のことです。
このことから気候学者の中には、メタンの急増は「ターミネーション」という気候の激変フェーズに入ったサインであると考える者もいるそうです。
では一体なぜ、メタンは急増しており、それは地球にどのような影響を与えるのか?
ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校の気候学者ユアン・ニスベット氏がメタン激増の理由について説明してくれています。
メタンは二酸化炭素の25倍もの熱を蓄える強力な温室効果ガスで、人類が化石燃料を燃やし始める前、大気中のメタンは0.7ppmほどでした。
ところが現在は1.9ppmを超え、なおも増えています。
そもそも最初にメタンが急激に増加したのは、19世紀から20世紀にかけてのこと。
これは化石燃料、特にガス田や炭鉱からの排出が原因とされていますが、それでも1990年代末には頭打ちとなっていました。
その理由は、車を想像してみるとわかりやすいそうで、アクセルを踏めば、車は加速し始めますが、それと同時に空気抵抗も増加します。
そのため、どこかの時点でエンジンのパワーと空気抵抗が釣り合い、それ以上スピードが出なくなるわけです。
1999年、メタンもまた排出と吸収のバランスが釣り合ったように見えました。
ところが予想外なことに、2006年になって再び大気中のメタンが急激に増加し始めたわけなんです。
2020年代になると、そのスピードはさらに速くなり、1980年代のピーク時よりも加速しています。
ニスベット氏によると、その主な原因は、赤道付近の湿地帯から排出されるメタンであると言う事らしいです。
気候変動、地球温暖化の影響で雨が増えて湿地帯が広がったのと、気温が高くなって植物がよく育つようになり、メタンの材料(微生物によって植物が分解されたもの)が増えたことが原因だと…。
またアフリカ、インド、ブラジルで飼育されている大量の家畜や、デリーのような大都市近郊に埋め立てられる腐敗した廃棄物も重要な発生源だとされています。
じつは今見られているようなメタンの急激な増加は、過去にも起きたことがあります。
意外に思うかもしれませんが、現在は氷河時代の最中にあるらしいんです。
氷河時代といってもずっと寒いわけではなく、寒い「氷期」と比較的暖かい「間氷期」を繰り返しています。
現在は、260万年前から続く「第四紀氷河時代」の間氷期にあたるんだそうです。
こうした氷期から間氷期へと移り変わる時代の氷に閉じ込められている気泡を調べてみると、その都度大気中のメタン濃度が急激に上昇していることがわかるそうなんです。
その原因も、やはり湿地帯の拡大によるものである可能性が高いと…。
氷期から間氷期にスイッチする時代、世界の気温は数千年の間に数度も高くなります。
このような氷期の終わりに見られる大きな気候の変化のことを「ターミネーション」というそうです。
過去に起きたターミネーションは、それぞれを区別するために新しい順にI〜IXまでのローマ数字が振られています。
たとえば現代の気候の始まりを告げた1万2000年のものは「ターミネーションI」。
その前の13万1000年前のものは「ターミネーションII」といった具合です。
一つのターミネーションが完全に終わるには数千年かかると言われています。
ですが大抵の場合、まずゆっくりと忍び寄るような温暖化が始まり、それから100年未満のうちにきわめて急激な気候変動が起こります。
これを「激変期」とでも表現しましょう。
さらにその後もっと長くゆっくりとした温暖化へと変わり、最終的には大きな氷冠が解けると…。
ちなみに現代の気候をもたらした前回の激変期では、グリーンランドの気温は数十年のうちに約10度上昇しているそうです。
そしてこの間、メタンはきわめて急激に増加したわけです。
メタンは産業革命の前から大きく変動していましたが、2006年以降の急激な増加は、1万2000年前のターミネーションのそれに匹敵するそうです。
もちろんエルニーニョのような自然な気候サイクルの結果である可能性もあります。
ですが新しいターミネーション・ゼロが始まったサインである可能性も否定できないと…。
通常のターミネーションが完了すれば、時代は氷期から間氷期へと移り、気候全体の様子が大きく変わります。
ですが現在はすでに温暖な間氷期にあるわけで、今の気候変動の結果として、これから何が起きるのか予測するのは難しいと、ニスベット氏は説明しています。
夏には北極の海氷が失われ、グリーンランドや西南極では氷が薄くなったり、部分的に崩壊したりします。
それが大西洋の海流に影響して、熱帯の気象循環パターンが北極や南極へと広がるでしょう。
生物圏が全体的に左右されるほか、とりわけ南・東アジアやアフリカの食糧生産にも大きな影響が出ることが予測されます。
ニスベット氏によれば、メタンの急増を抑えるために人間ができることはたくさんあるといいます。
たとえば、石油・ガス産業からの排出削減、埋め立て地を土で覆う、農業ごみの焼却を減らすといったことだそうです。
今起きている地球温暖化の主な要因は二酸化炭素であることは、これまでの研究で明らかなので、これで気温の上昇が止まるわけではないですが、少なくともそれを抑えることにはつながります。
もしも新たなターミネーションが起きているのなら、それはゼロということになりますが、じつはローマ数字にはゼロがありません。
それは今後の気候の変化がいまだかつてない、未知のものであるということを暗示しているかのようですねぇ…。
まぁ、専門家がどうなるか分からんってなもん、我々が考えても仕方ないですが、まずはどうすれば良いかを広く伝えていかなきゃいけませんよね。
まぁ、正直、もう手遅れな気もしますけど(笑)
いや、笑い事ではないですが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月6日の金曜日でございます。
10月最初の金曜日でございます。
では今日もネタにいきましょう。
今日はまぁ、何度も書いてる温室効果ガス、メタンのお話しとなっております。
2006年以降、地球の大気に含まれるメタンが急激に増加しています。
メタンはきわめて強力な温室効果ガスなんですが、人間の活動によって排出される二酸化炭素とは違って、排出源は生物学的なものであるようなんですね。
じつは現在見られるメタンの急増は、過去にも起きたことがあります。
それは1万2000年前の氷期から間氷期に移り変わった時代のことです。
このことから気候学者の中には、メタンの急増は「ターミネーション」という気候の激変フェーズに入ったサインであると考える者もいるそうです。
では一体なぜ、メタンは急増しており、それは地球にどのような影響を与えるのか?
ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校の気候学者ユアン・ニスベット氏がメタン激増の理由について説明してくれています。
メタンは二酸化炭素の25倍もの熱を蓄える強力な温室効果ガスで、人類が化石燃料を燃やし始める前、大気中のメタンは0.7ppmほどでした。
ところが現在は1.9ppmを超え、なおも増えています。
そもそも最初にメタンが急激に増加したのは、19世紀から20世紀にかけてのこと。
これは化石燃料、特にガス田や炭鉱からの排出が原因とされていますが、それでも1990年代末には頭打ちとなっていました。
その理由は、車を想像してみるとわかりやすいそうで、アクセルを踏めば、車は加速し始めますが、それと同時に空気抵抗も増加します。
そのため、どこかの時点でエンジンのパワーと空気抵抗が釣り合い、それ以上スピードが出なくなるわけです。
1999年、メタンもまた排出と吸収のバランスが釣り合ったように見えました。
ところが予想外なことに、2006年になって再び大気中のメタンが急激に増加し始めたわけなんです。
2020年代になると、そのスピードはさらに速くなり、1980年代のピーク時よりも加速しています。
ニスベット氏によると、その主な原因は、赤道付近の湿地帯から排出されるメタンであると言う事らしいです。
気候変動、地球温暖化の影響で雨が増えて湿地帯が広がったのと、気温が高くなって植物がよく育つようになり、メタンの材料(微生物によって植物が分解されたもの)が増えたことが原因だと…。
またアフリカ、インド、ブラジルで飼育されている大量の家畜や、デリーのような大都市近郊に埋め立てられる腐敗した廃棄物も重要な発生源だとされています。
じつは今見られているようなメタンの急激な増加は、過去にも起きたことがあります。
意外に思うかもしれませんが、現在は氷河時代の最中にあるらしいんです。
氷河時代といってもずっと寒いわけではなく、寒い「氷期」と比較的暖かい「間氷期」を繰り返しています。
現在は、260万年前から続く「第四紀氷河時代」の間氷期にあたるんだそうです。
こうした氷期から間氷期へと移り変わる時代の氷に閉じ込められている気泡を調べてみると、その都度大気中のメタン濃度が急激に上昇していることがわかるそうなんです。
その原因も、やはり湿地帯の拡大によるものである可能性が高いと…。
氷期から間氷期にスイッチする時代、世界の気温は数千年の間に数度も高くなります。
このような氷期の終わりに見られる大きな気候の変化のことを「ターミネーション」というそうです。
過去に起きたターミネーションは、それぞれを区別するために新しい順にI〜IXまでのローマ数字が振られています。
たとえば現代の気候の始まりを告げた1万2000年のものは「ターミネーションI」。
その前の13万1000年前のものは「ターミネーションII」といった具合です。
一つのターミネーションが完全に終わるには数千年かかると言われています。
ですが大抵の場合、まずゆっくりと忍び寄るような温暖化が始まり、それから100年未満のうちにきわめて急激な気候変動が起こります。
これを「激変期」とでも表現しましょう。
さらにその後もっと長くゆっくりとした温暖化へと変わり、最終的には大きな氷冠が解けると…。
ちなみに現代の気候をもたらした前回の激変期では、グリーンランドの気温は数十年のうちに約10度上昇しているそうです。
そしてこの間、メタンはきわめて急激に増加したわけです。
メタンは産業革命の前から大きく変動していましたが、2006年以降の急激な増加は、1万2000年前のターミネーションのそれに匹敵するそうです。
もちろんエルニーニョのような自然な気候サイクルの結果である可能性もあります。
ですが新しいターミネーション・ゼロが始まったサインである可能性も否定できないと…。
通常のターミネーションが完了すれば、時代は氷期から間氷期へと移り、気候全体の様子が大きく変わります。
ですが現在はすでに温暖な間氷期にあるわけで、今の気候変動の結果として、これから何が起きるのか予測するのは難しいと、ニスベット氏は説明しています。
夏には北極の海氷が失われ、グリーンランドや西南極では氷が薄くなったり、部分的に崩壊したりします。
それが大西洋の海流に影響して、熱帯の気象循環パターンが北極や南極へと広がるでしょう。
生物圏が全体的に左右されるほか、とりわけ南・東アジアやアフリカの食糧生産にも大きな影響が出ることが予測されます。
ニスベット氏によれば、メタンの急増を抑えるために人間ができることはたくさんあるといいます。
たとえば、石油・ガス産業からの排出削減、埋め立て地を土で覆う、農業ごみの焼却を減らすといったことだそうです。
今起きている地球温暖化の主な要因は二酸化炭素であることは、これまでの研究で明らかなので、これで気温の上昇が止まるわけではないですが、少なくともそれを抑えることにはつながります。
もしも新たなターミネーションが起きているのなら、それはゼロということになりますが、じつはローマ数字にはゼロがありません。
それは今後の気候の変化がいまだかつてない、未知のものであるということを暗示しているかのようですねぇ…。
まぁ、専門家がどうなるか分からんってなもん、我々が考えても仕方ないですが、まずはどうすれば良いかを広く伝えていかなきゃいけませんよね。
まぁ、正直、もう手遅れな気もしますけど(笑)
いや、笑い事ではないですが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院