2023年06月16日 [動物のこと]
蝗害抑制ホルモン
お疲れ様です。院長です。
6月16日の金曜日でございます。
当院は、夏が近付くとと言うか、暑くなりだすとどこからともなく虫が出だします。
前の通りがちょっと暗くて、明るさに寄ってきてるんだとは思いますが、ホント毎年現れます。
わたくし院長、大の虫嫌いです。
いわゆる男の子に大人気の、カブトムシとかクワガタですら、嫌いでございます。
今日のネタは、そんな虫に関するお話しです。
なんでも大量発生したバッタの共食いを制御するフェロモンが発見されたんだとか…。
植物への被害を防げる可能性があるってことで、注目されてます。
普段は単独でおとなしく行動しているバッタですが、仲間の数が増えると攻撃性を増し、大群となって、植物という植物を食べ尽くしてしまいます。
こういった害を「蝗害」といい、日本でもときに被害がでています。
特にアフリカなんかでは深刻な問題となっているそうです。
昆虫嫌いのわたくし院長からしたら、バッタの大群とか想像しただけで無理ですが…。
驚くべきことに、このバッタの集団行動は、生き延びるために仲間と協力しているわけではなく、「共食い」が原動力になっていることがわかっています。
最新の研究では、バッタの群れで重要な役割を果たす、「共食いから身を守るためのフェロモン」を発見したと報告されています。
この発見により、農作物を荒らし、食の安全を脅かすバッタの大群を制御する新たな可能性が開かれるかもしれないそうです。
通常のバッタ(トノサマバッタなど)は、単独で生きる比較的少食な昆虫です。
この形態を「孤独相」と呼びます。
ところが、なにかの拍子で数が増えすぎてしまうと、「群生相」という形態に変化し、大群をなして手当たり次第に植物という植物を食い尽くしながら移動します。
こうして農作物に多大な被害が出るのが「蝗害(こうがい)」で、聖書の時代から、現代のアフリカなどでも度々発生している厄介な問題です。
蝗害を起こすバッタは「トビバッタ」や「ワタリバッタ」と呼ばれるものだそうです。
「群生相」状態になったバッタは見た目も変わるそうなんです。
体が大きくなり、色が鮮やかで、飛ぶことが多くなり、攻撃的になります。
そのため昔は、単独のバッタと群れるバッタでは種類が違うと考えられていたこともあったそうです。
じつはこうしたバッタの群れは、仲間同士が協力しているわけではなく、「共食い」が関係していることがわかっています。
どうもバッタは仲間から食われないよう逃げることで、エサがないところからあるところへと一斉に移動しているようなんですね。
ドイツ、マックス・プランク化学生態研究所のビル・ハンソン氏は、「バッタは背後からお互いを喰い合います」と説明しています。
つまり移動するのをやめると仲間に食べられてしまうんだとか…。
だとするなら、バッタは共食いから身を守るための方法も身につけているのではないだろうか?
こう考えたハンソン氏らは、それを確かめてみることにしたそうなんです。
まずハンソン氏は、虫かごのバッタを増やして、実際に共食いが起きることを確認しました。
ここからは、虫かごのバッタが50匹を超えると、共食いのスイッチが入るらしいことが明らかになっています。
その上で、群れるバッタ(群生相)と群れないバッタ(孤独相)のニオイを比べてみたところ、群れるバッタだけが発する17種類のニオイが見つかったそうなんです。
それらのニオイ(化学物質)の効果を調べてみると、仲間を撃退して、遠ざけるものがあることがわかりました。
それが「シアン化ベンジル」という物質だそうです。
シアン化ベンジルは群れるバッタが作る強力な毒素(シアン化水素)に関係するもので、「近づくな」というサインとしてうってつけなんだそうです。
さらに遺伝子をいじり、バッタがシアン化ベンジルを作れないようにすると、共食いの犠牲になりやすくなることもわかったそうです。
また、バッタがシアン化ベンジルを感じられないようにすると、そのバッタは仲間をよく食べるようになったそうです。
このことからもシアン化ベンジルには、共食いを防ぐ効果があることがよくわかります。
2020年の研究で、バッタを惹きつけ大群化させるフェロモンが特定されましたが、今度はバッタを遠ざけ、攻撃を制御するフェロモンが特定されたわけなんです。
かつてバッタの群れと共食いの関係を明らかにしたイアン・カズン氏らは、この発見について、群れるバッタの背後にある集団行動メカニズムと競争メカニズムの「複雑なバランス」に光を当てたものと評しています。
このバランスをうまく利用することで、将来的にはバッタの被害を防ぐこともできるかもしれません。
ですがハンソン氏が願うのは、バッタを絶滅させることではありません。
バッタの群れを小さくし、農作物がない地域に移動させられれば、十分成果が上がるでしょう」とのことです。
まぁ、でも数が異常に増えるところに問題があるんじゃないでしょうかね。
数が増えると、当然ながら食料もたくさん必要になりますし、そうなるとバッタはただ食事してるだけで人間からすると害になりますもんね。
この「何かのはずみで」以上に増える理由を解明して、異常に増えなくすれば共存できる気もしますが…。
そんな簡単なもんでもないのかね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月16日の金曜日でございます。
当院は、夏が近付くとと言うか、暑くなりだすとどこからともなく虫が出だします。
前の通りがちょっと暗くて、明るさに寄ってきてるんだとは思いますが、ホント毎年現れます。
わたくし院長、大の虫嫌いです。
いわゆる男の子に大人気の、カブトムシとかクワガタですら、嫌いでございます。
今日のネタは、そんな虫に関するお話しです。
なんでも大量発生したバッタの共食いを制御するフェロモンが発見されたんだとか…。
植物への被害を防げる可能性があるってことで、注目されてます。
普段は単独でおとなしく行動しているバッタですが、仲間の数が増えると攻撃性を増し、大群となって、植物という植物を食べ尽くしてしまいます。
こういった害を「蝗害」といい、日本でもときに被害がでています。
特にアフリカなんかでは深刻な問題となっているそうです。
昆虫嫌いのわたくし院長からしたら、バッタの大群とか想像しただけで無理ですが…。
驚くべきことに、このバッタの集団行動は、生き延びるために仲間と協力しているわけではなく、「共食い」が原動力になっていることがわかっています。
最新の研究では、バッタの群れで重要な役割を果たす、「共食いから身を守るためのフェロモン」を発見したと報告されています。
この発見により、農作物を荒らし、食の安全を脅かすバッタの大群を制御する新たな可能性が開かれるかもしれないそうです。
通常のバッタ(トノサマバッタなど)は、単独で生きる比較的少食な昆虫です。
この形態を「孤独相」と呼びます。
ところが、なにかの拍子で数が増えすぎてしまうと、「群生相」という形態に変化し、大群をなして手当たり次第に植物という植物を食い尽くしながら移動します。
こうして農作物に多大な被害が出るのが「蝗害(こうがい)」で、聖書の時代から、現代のアフリカなどでも度々発生している厄介な問題です。
蝗害を起こすバッタは「トビバッタ」や「ワタリバッタ」と呼ばれるものだそうです。
「群生相」状態になったバッタは見た目も変わるそうなんです。
体が大きくなり、色が鮮やかで、飛ぶことが多くなり、攻撃的になります。
そのため昔は、単独のバッタと群れるバッタでは種類が違うと考えられていたこともあったそうです。
じつはこうしたバッタの群れは、仲間同士が協力しているわけではなく、「共食い」が関係していることがわかっています。
どうもバッタは仲間から食われないよう逃げることで、エサがないところからあるところへと一斉に移動しているようなんですね。
ドイツ、マックス・プランク化学生態研究所のビル・ハンソン氏は、「バッタは背後からお互いを喰い合います」と説明しています。
つまり移動するのをやめると仲間に食べられてしまうんだとか…。
だとするなら、バッタは共食いから身を守るための方法も身につけているのではないだろうか?
こう考えたハンソン氏らは、それを確かめてみることにしたそうなんです。
まずハンソン氏は、虫かごのバッタを増やして、実際に共食いが起きることを確認しました。
ここからは、虫かごのバッタが50匹を超えると、共食いのスイッチが入るらしいことが明らかになっています。
その上で、群れるバッタ(群生相)と群れないバッタ(孤独相)のニオイを比べてみたところ、群れるバッタだけが発する17種類のニオイが見つかったそうなんです。
それらのニオイ(化学物質)の効果を調べてみると、仲間を撃退して、遠ざけるものがあることがわかりました。
それが「シアン化ベンジル」という物質だそうです。
シアン化ベンジルは群れるバッタが作る強力な毒素(シアン化水素)に関係するもので、「近づくな」というサインとしてうってつけなんだそうです。
さらに遺伝子をいじり、バッタがシアン化ベンジルを作れないようにすると、共食いの犠牲になりやすくなることもわかったそうです。
また、バッタがシアン化ベンジルを感じられないようにすると、そのバッタは仲間をよく食べるようになったそうです。
このことからもシアン化ベンジルには、共食いを防ぐ効果があることがよくわかります。
2020年の研究で、バッタを惹きつけ大群化させるフェロモンが特定されましたが、今度はバッタを遠ざけ、攻撃を制御するフェロモンが特定されたわけなんです。
かつてバッタの群れと共食いの関係を明らかにしたイアン・カズン氏らは、この発見について、群れるバッタの背後にある集団行動メカニズムと競争メカニズムの「複雑なバランス」に光を当てたものと評しています。
このバランスをうまく利用することで、将来的にはバッタの被害を防ぐこともできるかもしれません。
ですがハンソン氏が願うのは、バッタを絶滅させることではありません。
バッタの群れを小さくし、農作物がない地域に移動させられれば、十分成果が上がるでしょう」とのことです。
まぁ、でも数が異常に増えるところに問題があるんじゃないでしょうかね。
数が増えると、当然ながら食料もたくさん必要になりますし、そうなるとバッタはただ食事してるだけで人間からすると害になりますもんね。
この「何かのはずみで」以上に増える理由を解明して、異常に増えなくすれば共存できる気もしますが…。
そんな簡単なもんでもないのかね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院