2023年06月07日 [からだのこと]
ミトコンドリア置換療法
お疲れ様です。院長です。
6月7日の水曜日でございます。
6月もアッちゅう間に1週間が過ぎました。
この調子で、早いトコ梅雨も明けて下さい。
ま、しばらく我慢すればいやでも夏になりますわな。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日のネタはDNAの神秘的なお話しでございます。
なんでも3人のDNAを持つ赤ちゃんが、英国で初めて誕生したんだとか…。
その子のDNAは99.8%以上が両親のものなんですが、ごくわずかだけ別の女性からも遺伝子を受け継いでいるそうです。
じつはこの子、命に関わるミトコンドリアの病気を防ぐため、「ミトコンドリア置換療法」と呼ばれる体外受精によって生まれてきました。
難病に指定される「ミトコンドリア病」は、せっかく生まれた赤ちゃんがわずか数時間で亡くなってしまうこともある危険な病気です。
今のところ普通の方法では治せない不治の病とされてますが、第三者から健康なミトコンドリアをもらうことで防ぐことができるそうなんです。
ですがミトコンドリアには独自のDNAがあるので、この方法で生まれた子は3人から遺伝子を受け継いでいるってことになるそうです。
そもそも「ミトコンドリア」とは、細胞の中にある小さな器官で、細胞にエネルギーを供給する大切な役割があるものです。
何らかの問題でこれがうまく働いてくれないと、体にエネルギーを供給できず、脳障害・筋肉の低下・心不全・失明など、さまざまな障害を引き起こし、ときに命に関わる深刻な症状になることもあるわけです。
その原因の1つは、ミトコンドリアDNAの異常だとされています。
このDNAは母から子へと受け継がれるので、これに異常がある女性の場合、生まれてくる子供にはミトコンドリア病を発症するリスクがあるわけです。
そこで第三者の女性から健康なミトコンドリアをもらって体外受精をし、病気を防ごうというのが、「ミトコンドリア置換療法(mitochondrial replacement therapy)」や「ミトコンドリア提供治療(mitochondrial donation treatment)」と呼ばれる治療法なんですね。
ミトコンドリア置換治療には、受精卵を使う方法と未受精卵を使う方法があります。
前者ではまず子供を望む両親から受精卵を預かり、そこから核を取り出して保管します。
次にミトコンドリア提供者の受精卵を用意し、そこから核を取り除き、こちらは廃棄します。
残された提供者の卵子には健康なミトコンドリアが含まれているので、最初に取り出した両親の核をこの卵子に移植します。
これを母親のお腹に戻して、きちんと育ててやればいいと…。
まぁ、書くと簡単そうですが、大変な技術が必要でしょうねぇ。
そしてミトコンドリアは母から子へと受け継がれる独自の遺伝情報(ミトコンドリアDNA)を持っています。
そのため、この方法で生まれた子どもは両親のDNAのほか、ほんの少しだけ提供者のDNAも受け継いでいるわけなんですね。
これはその子の子供にも受け継がれる、永久的な変化なんだそうです。
とは言っても、移植されたDNAは健康なミトコンドリアを作ることにだけ関係するものなので、容姿や能力には影響しないんだとか…。
他人の遺伝子がほんの少し混ざっていたとしても、両親ははっきり我が子と思える子供を授かれるわけなんですね。
なお、3人の遺伝子を持つ赤ちゃんは、英国のニューカッスル不妊治療センターとうところで生まれました。
同国では2015年に法改正が行われ、ミトコンドリア置換治療が行えるようになったそうなんです。
ですがその後、英政府がそれを性急に推進するようなことはなく、3人のDNAを持つ最初の子供は、2016年に米国で治療を受けたヨルダン人の赤ちゃんだったそうです。
また、家族のプライバシー保護のため、英国で生まれた赤ちゃんの正確な人数や、詳しい状況は明かされていません。
英国の生殖医療・研究の規制機関「HFEA」によると、2023年4月20日の時点で、この技術によって生まれた赤ちゃんは「5人未満」であるそうです。
また、ミトコンドリア置換療法は100%確実にミトコンドリア病を防げるものではないそうなんです。
核の移植で卵子に混ざってしまった異常なミトコンドリアが、妊娠中に増殖してしまうこともあるそうなんです。
どれ位の確率で成功するのかどうかにもよりますし、ミトコンドリアに異常がある女性が子供を産んだとき、どれ位の確率でミトコンドリア病が発症するのかにもよりますよねぇ。
まぁ両親の気持ちを考えると、病気になるリスクがあるなら、少しでも下げたいとは思うでしょうけどね。
ちなみにわたくし院長が調べた限りですが、日本では研究目的のみ、承認されてるようです。
つまり、核移植した受精卵を母体に戻すことは禁じられてるようです。
ま、倫理観の問題もありますし、日本ではまだ先の話になるでしょうね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月7日の水曜日でございます。
6月もアッちゅう間に1週間が過ぎました。
この調子で、早いトコ梅雨も明けて下さい。
ま、しばらく我慢すればいやでも夏になりますわな。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日のネタはDNAの神秘的なお話しでございます。
なんでも3人のDNAを持つ赤ちゃんが、英国で初めて誕生したんだとか…。
その子のDNAは99.8%以上が両親のものなんですが、ごくわずかだけ別の女性からも遺伝子を受け継いでいるそうです。
じつはこの子、命に関わるミトコンドリアの病気を防ぐため、「ミトコンドリア置換療法」と呼ばれる体外受精によって生まれてきました。
難病に指定される「ミトコンドリア病」は、せっかく生まれた赤ちゃんがわずか数時間で亡くなってしまうこともある危険な病気です。
今のところ普通の方法では治せない不治の病とされてますが、第三者から健康なミトコンドリアをもらうことで防ぐことができるそうなんです。
ですがミトコンドリアには独自のDNAがあるので、この方法で生まれた子は3人から遺伝子を受け継いでいるってことになるそうです。
そもそも「ミトコンドリア」とは、細胞の中にある小さな器官で、細胞にエネルギーを供給する大切な役割があるものです。
何らかの問題でこれがうまく働いてくれないと、体にエネルギーを供給できず、脳障害・筋肉の低下・心不全・失明など、さまざまな障害を引き起こし、ときに命に関わる深刻な症状になることもあるわけです。
その原因の1つは、ミトコンドリアDNAの異常だとされています。
このDNAは母から子へと受け継がれるので、これに異常がある女性の場合、生まれてくる子供にはミトコンドリア病を発症するリスクがあるわけです。
そこで第三者の女性から健康なミトコンドリアをもらって体外受精をし、病気を防ごうというのが、「ミトコンドリア置換療法(mitochondrial replacement therapy)」や「ミトコンドリア提供治療(mitochondrial donation treatment)」と呼ばれる治療法なんですね。
ミトコンドリア置換治療には、受精卵を使う方法と未受精卵を使う方法があります。
前者ではまず子供を望む両親から受精卵を預かり、そこから核を取り出して保管します。
次にミトコンドリア提供者の受精卵を用意し、そこから核を取り除き、こちらは廃棄します。
残された提供者の卵子には健康なミトコンドリアが含まれているので、最初に取り出した両親の核をこの卵子に移植します。
これを母親のお腹に戻して、きちんと育ててやればいいと…。
まぁ、書くと簡単そうですが、大変な技術が必要でしょうねぇ。
そしてミトコンドリアは母から子へと受け継がれる独自の遺伝情報(ミトコンドリアDNA)を持っています。
そのため、この方法で生まれた子どもは両親のDNAのほか、ほんの少しだけ提供者のDNAも受け継いでいるわけなんですね。
これはその子の子供にも受け継がれる、永久的な変化なんだそうです。
とは言っても、移植されたDNAは健康なミトコンドリアを作ることにだけ関係するものなので、容姿や能力には影響しないんだとか…。
他人の遺伝子がほんの少し混ざっていたとしても、両親ははっきり我が子と思える子供を授かれるわけなんですね。
なお、3人の遺伝子を持つ赤ちゃんは、英国のニューカッスル不妊治療センターとうところで生まれました。
同国では2015年に法改正が行われ、ミトコンドリア置換治療が行えるようになったそうなんです。
ですがその後、英政府がそれを性急に推進するようなことはなく、3人のDNAを持つ最初の子供は、2016年に米国で治療を受けたヨルダン人の赤ちゃんだったそうです。
また、家族のプライバシー保護のため、英国で生まれた赤ちゃんの正確な人数や、詳しい状況は明かされていません。
英国の生殖医療・研究の規制機関「HFEA」によると、2023年4月20日の時点で、この技術によって生まれた赤ちゃんは「5人未満」であるそうです。
また、ミトコンドリア置換療法は100%確実にミトコンドリア病を防げるものではないそうなんです。
核の移植で卵子に混ざってしまった異常なミトコンドリアが、妊娠中に増殖してしまうこともあるそうなんです。
どれ位の確率で成功するのかどうかにもよりますし、ミトコンドリアに異常がある女性が子供を産んだとき、どれ位の確率でミトコンドリア病が発症するのかにもよりますよねぇ。
まぁ両親の気持ちを考えると、病気になるリスクがあるなら、少しでも下げたいとは思うでしょうけどね。
ちなみにわたくし院長が調べた限りですが、日本では研究目的のみ、承認されてるようです。
つまり、核移植した受精卵を母体に戻すことは禁じられてるようです。
ま、倫理観の問題もありますし、日本ではまだ先の話になるでしょうね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院