
2023年01月19日 [動物のこと]
ハイイロオオカミの色
お疲れ様です。院長です。
1月19日の木曜日でございます。
毎日、寒いですなぁ。
世間じゃまだまだインフルエンザにコロナがジワジワと猛威を振るっておるようですが、インフルエンザはともかく、コロナはホントしつこいねぇ。
インフルエンザはまぁ、言うても毎年冬になるとある程度流行りますし、春先から自然と数も減るんですが、コロナってばずっと流行ってるもんね。
この感染力には驚きですが、今日はそんあ感染症のお話しでもしようかと思います。
感染症と言いましても、人間ではなくアメリカのオオカミのお話しです。
北米からユーラシア大陸にかけて生息するタイリクオオカミ「ハイイロオオカミ(学名 Canis lupus)」の毛色は、その名の通り、「灰色(ハイイロ)」なんですが、北米では、南に行くほど黒っぽい毛色をしたオオカミが増えてるんだとか…。
こうした毛色に違いがある原因はずっと不明だったそうなんですが、ついにその謎が解明されたそうだなんです。
黒っぽい被毛のオオカミは、その地域で流行している感染症に抵抗力を持っているからなんだとか…。
最新の研究によると、黒毛のハイイロオオカミは「犬ジステンパーウイルス」に抵抗力を与える遺伝子変異を持っており、それがこの病気が流行する地域における生存確率を高めた結果、黒い毛色が広まったんだそうです。
進化の自然選択(選択圧)は、とても奇妙な結果をもたらすことがあります。
例えば、ある病気に対する抵抗力を与えてくれる遺伝子変異を持つ個体は、その病気にかかっても生き残りやすいとされます。
すると生き残った個体がその変異体を子供に伝えていくので、だんだんとそれが広まっていくわけです。
ですが、そうした遺伝子の役割が必ずしも1つとは限りません。
人間の場合、ペストの抵抗力を高めとある遺伝子変異は、同時に関節リウマチなどの自己免疫疾患になりやすくすると言われています。
つまり現代人の中には、数世紀前に大流行したペストの影響を受けている人が今もいるということになるわけです。
ハイイロオオカミの場合、毛色を決めているのは「CPD103」という遺伝子だとされています。
その変異体を持っていると黒毛になると…。
そして面白いことに、CPD103があるDNA領域は犬ジステンパーのような肺の感染症から身を守るタンパク質の生産にも関係しています。
ですから、世界的にはほとんどいない黒毛のハイイロオオカミが北米に限ってたくさん生息している理由は、犬ジステンパーウイルスと関係があるのではないかと推測されてきました。
そこでフランス・モンペリエ大学の生態学者サラ・キュベインズ氏らは、北米に生息するオオカミに「犬ジステンパーの抗体」があるかどうかを調べ、その仮説を検証することにしました。
抗体は犬ジステンパーに感染して生き残ったというサインになります。
その結果、抗体を持つオオカミは確かに黒毛であることが多く、特に高齢のオオカミほどそうした傾向にあることが判明したそうです。
また、犬ジステンパーが流行した地域ほど、黒毛のオオカミが多いこともわかったという事ですから、そうなんでしょうね。
さらにイエローストーン国立公園に生息するオオカミ20年分のデータからは、公園内のオオカミは55パーセントが灰色で、45パーセントが黒いことがわかったそうです。
重要なのは、黒毛のオオカミのうちCPD103変異体を2つ持っている(両親から1つずつ受け継いだ)のは、わずか5%でしかなかったことです。
こうしたことは、オオカミは色が反対の交配相手を選ぶことで、繁殖に成功し、犬ジステンパーに強い子供を残せる確率を高めているだろうことを示しているそうなんです。
ただしこの結果は、犬ジステンパーが流行した地域でのみ有効なものなんだそうです。
この研究で使われた数理モデルによれば、犬ジステンパーの危険がない地域では、反対色の相手を選ぶメリットは失われることになるそうです。
なお今回の研究は、北米で黒毛のオオカミが多い理由を説明できるだけでなく、犬ジステンパー流行の歴史の研究や、病気の抵抗力を調べるためのツールにもなるそうです。
またオオカミだけでなく、それ以外のさまざまな生物にも応用できるかもしれないとのことです。
昆虫・ほ乳類・両生類・は虫類・鳥類などの幅広い生物において、色の違いは病気に対する抵抗力と関係している可能性があると…。
その場合、体の色は、生存に有利な子孫を残せる相手選びのサインであるとも考えられるわけですな。
これが本当だとすれば、病原菌は想像以上に、動物の形や行動の形成に大きな役割を担っているのかもしれないですなぁ。
人間もそのうち、コロナに強い「色」のヒトが出現したりするかもねぇ。
てか、人間の場合、最初から民族によって肌や髪や目の色が全然違いますし、これらにも何らかの謎があるんでしょうな。
詳しくは知りませんけど。
突然、アジア圏の人々が金髪になって、調べたら、コロナに耐性があるとか…。
ないわな(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月19日の木曜日でございます。
毎日、寒いですなぁ。
世間じゃまだまだインフルエンザにコロナがジワジワと猛威を振るっておるようですが、インフルエンザはともかく、コロナはホントしつこいねぇ。
インフルエンザはまぁ、言うても毎年冬になるとある程度流行りますし、春先から自然と数も減るんですが、コロナってばずっと流行ってるもんね。
この感染力には驚きですが、今日はそんあ感染症のお話しでもしようかと思います。
感染症と言いましても、人間ではなくアメリカのオオカミのお話しです。
北米からユーラシア大陸にかけて生息するタイリクオオカミ「ハイイロオオカミ(学名 Canis lupus)」の毛色は、その名の通り、「灰色(ハイイロ)」なんですが、北米では、南に行くほど黒っぽい毛色をしたオオカミが増えてるんだとか…。
こうした毛色に違いがある原因はずっと不明だったそうなんですが、ついにその謎が解明されたそうだなんです。
黒っぽい被毛のオオカミは、その地域で流行している感染症に抵抗力を持っているからなんだとか…。
最新の研究によると、黒毛のハイイロオオカミは「犬ジステンパーウイルス」に抵抗力を与える遺伝子変異を持っており、それがこの病気が流行する地域における生存確率を高めた結果、黒い毛色が広まったんだそうです。
進化の自然選択(選択圧)は、とても奇妙な結果をもたらすことがあります。
例えば、ある病気に対する抵抗力を与えてくれる遺伝子変異を持つ個体は、その病気にかかっても生き残りやすいとされます。
すると生き残った個体がその変異体を子供に伝えていくので、だんだんとそれが広まっていくわけです。
ですが、そうした遺伝子の役割が必ずしも1つとは限りません。
人間の場合、ペストの抵抗力を高めとある遺伝子変異は、同時に関節リウマチなどの自己免疫疾患になりやすくすると言われています。
つまり現代人の中には、数世紀前に大流行したペストの影響を受けている人が今もいるということになるわけです。
ハイイロオオカミの場合、毛色を決めているのは「CPD103」という遺伝子だとされています。
その変異体を持っていると黒毛になると…。
そして面白いことに、CPD103があるDNA領域は犬ジステンパーのような肺の感染症から身を守るタンパク質の生産にも関係しています。
ですから、世界的にはほとんどいない黒毛のハイイロオオカミが北米に限ってたくさん生息している理由は、犬ジステンパーウイルスと関係があるのではないかと推測されてきました。
そこでフランス・モンペリエ大学の生態学者サラ・キュベインズ氏らは、北米に生息するオオカミに「犬ジステンパーの抗体」があるかどうかを調べ、その仮説を検証することにしました。
抗体は犬ジステンパーに感染して生き残ったというサインになります。
その結果、抗体を持つオオカミは確かに黒毛であることが多く、特に高齢のオオカミほどそうした傾向にあることが判明したそうです。
また、犬ジステンパーが流行した地域ほど、黒毛のオオカミが多いこともわかったという事ですから、そうなんでしょうね。
さらにイエローストーン国立公園に生息するオオカミ20年分のデータからは、公園内のオオカミは55パーセントが灰色で、45パーセントが黒いことがわかったそうです。
重要なのは、黒毛のオオカミのうちCPD103変異体を2つ持っている(両親から1つずつ受け継いだ)のは、わずか5%でしかなかったことです。
こうしたことは、オオカミは色が反対の交配相手を選ぶことで、繁殖に成功し、犬ジステンパーに強い子供を残せる確率を高めているだろうことを示しているそうなんです。
ただしこの結果は、犬ジステンパーが流行した地域でのみ有効なものなんだそうです。
この研究で使われた数理モデルによれば、犬ジステンパーの危険がない地域では、反対色の相手を選ぶメリットは失われることになるそうです。
なお今回の研究は、北米で黒毛のオオカミが多い理由を説明できるだけでなく、犬ジステンパー流行の歴史の研究や、病気の抵抗力を調べるためのツールにもなるそうです。
またオオカミだけでなく、それ以外のさまざまな生物にも応用できるかもしれないとのことです。
昆虫・ほ乳類・両生類・は虫類・鳥類などの幅広い生物において、色の違いは病気に対する抵抗力と関係している可能性があると…。
その場合、体の色は、生存に有利な子孫を残せる相手選びのサインであるとも考えられるわけですな。
これが本当だとすれば、病原菌は想像以上に、動物の形や行動の形成に大きな役割を担っているのかもしれないですなぁ。
人間もそのうち、コロナに強い「色」のヒトが出現したりするかもねぇ。
てか、人間の場合、最初から民族によって肌や髪や目の色が全然違いますし、これらにも何らかの謎があるんでしょうな。
詳しくは知りませんけど。
突然、アジア圏の人々が金髪になって、調べたら、コロナに耐性があるとか…。
ないわな(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院