2021年12月07日 [動物のこと]
女王アリ誕生
お疲れ様です。院長です。
12月7日の火曜日でございます。
毎日寒いですねぇ。
これからドンドン寒くなるかと思うと、毎年ですが、去年はこんな寒かったっけ?って思います。
温暖化で暖かくなってんじゃないのぉ。
温暖化とは言え、冬はちゃんと寒いんだな。
てことで、今日のネタですが、久々の昆虫ネタで、中でも小さい部類の「アリ」に関するお話しです。
みなさんもご存知の通り、アリには大きく、「働きアリ」と「女王アリ」が存在します。
一般的には、女王アリの方が身体も大きく、遺伝子的に優れているものとされていますが、最新の研究でなんと、働きアリを女王アリに変身させるタンパク質を特定できたんだそうです。
動物の脳はとても柔軟な器官で、その構造や機能を変化させることができます。
その顕著な例が明らかとなったわけですな。
インドクワガタアリは、女王アリが死ぬと、働きアリのメスたちがお互いに争い合い、その勝者が次の女王アリとなります。
女王アリに変身した働きアリは、産卵が大きくなり、脳の一部が失われるのですが、次世代の女王アリはどのようにして決定づけられるのでしょう?
そこにはある1種のタンパク質が関与していることが新たな研究から明らかとなりました。
社会性昆虫の代表格であるアリは、はっきりと役割が区別されています。
たとえば「女王アリ」は、巣の仲間に身の回りの世話をさせながら、もっぱら卵を産むのが役割です。
一方「働きアリ」なら、その名の通り働くことが役割で、普通なら卵を産んだりはしないわけです。
最近では、多摩動物公園で女王アリが死亡した後のコロニーの様子を一般公開した「滅びの展示」が行われたことが話題となりました。
女王アリの死後も淡々と働いていたアリたちだが、徐々に群れは衰退し終焉を迎えたんですね。
ですが一部の種には、女王アリの死後、働きアリの中から新たな女王が誕生するタイプがいるんですね。
働きアリから選抜され、女王アリに昇格し、産卵能力を持った個体は「ゲーマーゲート(gamergate)」と呼ばれているんだそうです。
インドに生息する体長2.5センチほどのクワガタのようなアゴを持つ「インドクワガタアリ(Harpegnathos saltator)」も、ゲーマーゲートによりコロニーが維持されています。
インドクワガタアリのコロニーでは、女王アリが死亡すると、次世代女王をめぐって後継者争いが勃発します。
メスの働きアリの大半が1か月以上もお互いに攻撃しあい、最後まで耐え抜いた働きアリが女王アリに昇格するわけなんです。
米ペンシルベニア大学のロバート・ボナシオ氏は、「ゲーマーゲートは、女王アリの社会的役割を奪った働きアリです」と説明しています。
ゲーマーゲートの外見はほとんど働きアリと変わりません。
しかし次世代の女王アリに選ばれし働きアリの体は大きく変化します。
卵巣が大きくなり、脳の容積が2割程度小さくなります。
これは繁殖行動に専念する為、脳に費やすエネルギーを縮小して卵巣を拡大させる為と考えられているそうなんです。
では、過酷な戦いを勝ち抜き、女王アリとなった働きアリは、負けていったアリたちと何が違うのでしょうか?
この謎を解くために、ボナシオ氏らはインドクワガタアリの脳から生きたままの神経細胞を採取し、これを培養しながら変身を引き起こす分子メカニズムを探りました。
その結果、働きアリとゲーマーゲートでは、2種類のホルモン(「幼若ホルモン」と「エクジソン」)の濃度に差があることが明らかになりました。
どうも、この差によって、脳内で活性化する遺伝子のパターンに違いが生まれているようなんですね。
2つのホルモンは、「Kr-h1」というたった1つのタンパク質を活性化させることで、神経細胞に影響を与えていたそうなんです。
これはボナシオ氏にとって予想外だったそうで、というのも、彼の考えでは、働きアリとゲーマーゲートにはそれぞれ専用のスイッチがあると思われていたからです。
ところが実際には、たった1つのタンパク質がどちらのアリの中でもスイッチとして機能していたんですね。
もちろん、Kr-h1が、クラスチェンジを起こす唯一のスイッチとは限りません。
それでも「両クラスで機能するタンパク質が見つかったのは、興味深いことです」と、ボナシオ氏は語っています。
この発見を人間などの動物にそのまま当てはめるのは難しいですが、脳の構造や機能の変化のメカニズムについて理解を深めるヒントになるとのことです。
哺乳類の脳でも、アリのようなホルモンやタンパク質が見つかれば、スゴイことですわなぁ…。
実は、こういったホルモンやタンパク質が、人間で言うところの「カリスマ」たるものなのかもしれませんしね。
まだまだ謎は多いですが、今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
12月7日の火曜日でございます。
毎日寒いですねぇ。
これからドンドン寒くなるかと思うと、毎年ですが、去年はこんな寒かったっけ?って思います。
温暖化で暖かくなってんじゃないのぉ。
温暖化とは言え、冬はちゃんと寒いんだな。
てことで、今日のネタですが、久々の昆虫ネタで、中でも小さい部類の「アリ」に関するお話しです。
みなさんもご存知の通り、アリには大きく、「働きアリ」と「女王アリ」が存在します。
一般的には、女王アリの方が身体も大きく、遺伝子的に優れているものとされていますが、最新の研究でなんと、働きアリを女王アリに変身させるタンパク質を特定できたんだそうです。
動物の脳はとても柔軟な器官で、その構造や機能を変化させることができます。
その顕著な例が明らかとなったわけですな。
インドクワガタアリは、女王アリが死ぬと、働きアリのメスたちがお互いに争い合い、その勝者が次の女王アリとなります。
女王アリに変身した働きアリは、産卵が大きくなり、脳の一部が失われるのですが、次世代の女王アリはどのようにして決定づけられるのでしょう?
そこにはある1種のタンパク質が関与していることが新たな研究から明らかとなりました。
社会性昆虫の代表格であるアリは、はっきりと役割が区別されています。
たとえば「女王アリ」は、巣の仲間に身の回りの世話をさせながら、もっぱら卵を産むのが役割です。
一方「働きアリ」なら、その名の通り働くことが役割で、普通なら卵を産んだりはしないわけです。
最近では、多摩動物公園で女王アリが死亡した後のコロニーの様子を一般公開した「滅びの展示」が行われたことが話題となりました。
女王アリの死後も淡々と働いていたアリたちだが、徐々に群れは衰退し終焉を迎えたんですね。
ですが一部の種には、女王アリの死後、働きアリの中から新たな女王が誕生するタイプがいるんですね。
働きアリから選抜され、女王アリに昇格し、産卵能力を持った個体は「ゲーマーゲート(gamergate)」と呼ばれているんだそうです。
インドに生息する体長2.5センチほどのクワガタのようなアゴを持つ「インドクワガタアリ(Harpegnathos saltator)」も、ゲーマーゲートによりコロニーが維持されています。
インドクワガタアリのコロニーでは、女王アリが死亡すると、次世代女王をめぐって後継者争いが勃発します。
メスの働きアリの大半が1か月以上もお互いに攻撃しあい、最後まで耐え抜いた働きアリが女王アリに昇格するわけなんです。
米ペンシルベニア大学のロバート・ボナシオ氏は、「ゲーマーゲートは、女王アリの社会的役割を奪った働きアリです」と説明しています。
ゲーマーゲートの外見はほとんど働きアリと変わりません。
しかし次世代の女王アリに選ばれし働きアリの体は大きく変化します。
卵巣が大きくなり、脳の容積が2割程度小さくなります。
これは繁殖行動に専念する為、脳に費やすエネルギーを縮小して卵巣を拡大させる為と考えられているそうなんです。
では、過酷な戦いを勝ち抜き、女王アリとなった働きアリは、負けていったアリたちと何が違うのでしょうか?
この謎を解くために、ボナシオ氏らはインドクワガタアリの脳から生きたままの神経細胞を採取し、これを培養しながら変身を引き起こす分子メカニズムを探りました。
その結果、働きアリとゲーマーゲートでは、2種類のホルモン(「幼若ホルモン」と「エクジソン」)の濃度に差があることが明らかになりました。
どうも、この差によって、脳内で活性化する遺伝子のパターンに違いが生まれているようなんですね。
2つのホルモンは、「Kr-h1」というたった1つのタンパク質を活性化させることで、神経細胞に影響を与えていたそうなんです。
これはボナシオ氏にとって予想外だったそうで、というのも、彼の考えでは、働きアリとゲーマーゲートにはそれぞれ専用のスイッチがあると思われていたからです。
ところが実際には、たった1つのタンパク質がどちらのアリの中でもスイッチとして機能していたんですね。
もちろん、Kr-h1が、クラスチェンジを起こす唯一のスイッチとは限りません。
それでも「両クラスで機能するタンパク質が見つかったのは、興味深いことです」と、ボナシオ氏は語っています。
この発見を人間などの動物にそのまま当てはめるのは難しいですが、脳の構造や機能の変化のメカニズムについて理解を深めるヒントになるとのことです。
哺乳類の脳でも、アリのようなホルモンやタンパク質が見つかれば、スゴイことですわなぁ…。
実は、こういったホルモンやタンパク質が、人間で言うところの「カリスマ」たるものなのかもしれませんしね。
まだまだ謎は多いですが、今後の研究に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院