2021年10月15日 [からだのこと]
人体冷凍解凍
お疲れ様です。院長です。
10月15日の金曜日でございます。
10月も折り返しまできましたし、後半戦に突入ですな。
さすがに、ちょっと寒いと感じる時間も出てきましたかね。
わたくし院長、基本熱を帯びてますから、快適な温度ですけどね。
もうしばらくは良い感じで暮らせそうですね。
てことで、今日のネタですが、今日のネタは寒いのを通り越した、冷凍なお話です。
人体を冷凍保存して未来まで体を維持するというアイデアは、SFの世界では定番です。
実際の世界でも、人体細胞や組織、臓器などを安全に冷凍保存する必要性は高まってきています。
そこで問題は、解凍した後でもその機能が維持できるかどうかなんですよね。
冷凍することはできても、解凍後に機能がなくなってるようじゃ意味がありません。
ですが、近い将来、自分の臓器を冷凍保存できる未来が来るかもしれません。
今はまだ実現できていませんが、魚をヒントに開発された新しい抗凍結剤がその手助けをしてくれるかもしれないそうなんです。
生物はたくましいもので、人間では考えられないような極限環境でも繁殖することができるものがいます。
そうした環境の1つに、南極や北極の凍てつく海があります。
体の組織が凍ってしまえば、生物にとっては大きなダメージです。
生きるために必要なタンパク質がくっついてしまったり、組織をつなげている構造が弱まったりしてしまいます。
そこで冷たい水の中で生きる魚や極限微生物は、凍り始めるとそれを察知して氷に結合するタンパク質を作り出すんだそうです。
これが抗凍結剤として作用するために、人間にはとても耐えられない寒さの中でも生きていくことができるわけなんですね。
英ウォーリック大学のマシュー・ギブソン教授は、こうした魚の機能をヒントに、合成ポリマーから氷に結びつくタンパク質を開発しました。
この合成ポリマー・タンパク質抗凍結剤は、無数のモノマー(ポリマーを構成する分子)を利用することで、用途に応じて簡単に調整することができるんだとか…。
そして今、ギブソン教授が目指しているのは、これを使って解凍した後でもその機能が維持できる細胞の凍り方を制御することです。
人体に移植される骨髄幹細胞は、輸送するために冷凍されることがあります。
その際、細胞が破壊されないように溶剤が加えられるのですが、それでもかなりの細胞がダメになりますし、溶剤自体が細胞に悪影響を与えることもあります。
ところがギブソン教授らが、この抗凍結剤を利用して骨髄幹細胞を冷凍してみたところ、これまで必要だった溶剤を減らしても、かなりの細胞を守ることができたそうなんです。
抗凍結剤は、昨今、成長著しい生物学的治療薬を保存するためにも利用することができます。
従来の薬剤は、一般に小さな分子を錠剤に固めたものですが、最近では、抗体から関節炎やがんの治療薬まで、タンパク質から作られた薬剤が増えています。
これらは普通の錠剤と違い、無造作に棚の中で保管というわけにはいきません。
がんに対する免疫力を高めるCAR-T細胞治療法などは、さらにデリケートな取り扱いが必要になります。
ドナーから細胞を採取し、それを処理して、凍結したうえで出荷するという複雑なプロセスがあるからです。
こうした新しい治療薬を安全に患者に届けることができる技術は、今後ますます大きな意味を持つでしょう。
例えば、現時点では、心臓の細胞組織を凍らせてしまうと、半分しか使えなくなってしまうそうなんです。
心臓組織の細胞はさまざまで、あるタイプの細胞にはぴったりの保存法だったとしても、別のタイプには向かないことがあります。
これが心臓組織全体の冷凍保存を難しくしているわけなんです。
最終目標としては、自分自身の心臓を組織バンクのようなところで丸ごと保存できるようにすることだそうで、これが実現すれば、いつか心臓に問題を抱えることがあっても、いつでも予備の心臓を移植することができるようになると…。
そして実際にこうした試みはすでに進んでおり、社会に影響を与えつつあります。
たとえばアメリカなどでは、今はいらないが将来的には子供が欲しいと思っている人向けに卵子の冷凍保存サービスを提供する企業があるんだそうです。
仕事と子育ての両立はときにとても大変なことです。
今はバリバリ働きたい、しかしいずれは子育てに専念したいような場合、卵子を保存することで希望通りの人生設計を描けるようになると…。
ですが一部の専門家からは、個人の悩みを解決する方法であるはずが、かえって負担になる可能性があると指摘しています。
というのも、本人が望むと望まざると、社会がそうすることを期待するようになるかもしれないからだとか。
まぁ、確かに。
こういう手法が一般的になってしまえば、自分のタイミングで子供を作るという事に、外部の意向が反映してしまう可能性はありますよねぇ。
また、幹細胞をたっぷりと含んだ臍帯血のバンキングサービスを提供する企業もすでに存在します。
倫理的な問題は置いておいたとしても、こういった「冷凍保存」の技術は日々、進化していってるようです。
自分の細胞を冷凍保存ねぇ…。
まぁ、わたくし院長は、そこまでしてって思いますけど、需要はあるんでしょうね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月15日の金曜日でございます。
10月も折り返しまできましたし、後半戦に突入ですな。
さすがに、ちょっと寒いと感じる時間も出てきましたかね。
わたくし院長、基本熱を帯びてますから、快適な温度ですけどね。
もうしばらくは良い感じで暮らせそうですね。
てことで、今日のネタですが、今日のネタは寒いのを通り越した、冷凍なお話です。
人体を冷凍保存して未来まで体を維持するというアイデアは、SFの世界では定番です。
実際の世界でも、人体細胞や組織、臓器などを安全に冷凍保存する必要性は高まってきています。
そこで問題は、解凍した後でもその機能が維持できるかどうかなんですよね。
冷凍することはできても、解凍後に機能がなくなってるようじゃ意味がありません。
ですが、近い将来、自分の臓器を冷凍保存できる未来が来るかもしれません。
今はまだ実現できていませんが、魚をヒントに開発された新しい抗凍結剤がその手助けをしてくれるかもしれないそうなんです。
生物はたくましいもので、人間では考えられないような極限環境でも繁殖することができるものがいます。
そうした環境の1つに、南極や北極の凍てつく海があります。
体の組織が凍ってしまえば、生物にとっては大きなダメージです。
生きるために必要なタンパク質がくっついてしまったり、組織をつなげている構造が弱まったりしてしまいます。
そこで冷たい水の中で生きる魚や極限微生物は、凍り始めるとそれを察知して氷に結合するタンパク質を作り出すんだそうです。
これが抗凍結剤として作用するために、人間にはとても耐えられない寒さの中でも生きていくことができるわけなんですね。
英ウォーリック大学のマシュー・ギブソン教授は、こうした魚の機能をヒントに、合成ポリマーから氷に結びつくタンパク質を開発しました。
この合成ポリマー・タンパク質抗凍結剤は、無数のモノマー(ポリマーを構成する分子)を利用することで、用途に応じて簡単に調整することができるんだとか…。
そして今、ギブソン教授が目指しているのは、これを使って解凍した後でもその機能が維持できる細胞の凍り方を制御することです。
人体に移植される骨髄幹細胞は、輸送するために冷凍されることがあります。
その際、細胞が破壊されないように溶剤が加えられるのですが、それでもかなりの細胞がダメになりますし、溶剤自体が細胞に悪影響を与えることもあります。
ところがギブソン教授らが、この抗凍結剤を利用して骨髄幹細胞を冷凍してみたところ、これまで必要だった溶剤を減らしても、かなりの細胞を守ることができたそうなんです。
抗凍結剤は、昨今、成長著しい生物学的治療薬を保存するためにも利用することができます。
従来の薬剤は、一般に小さな分子を錠剤に固めたものですが、最近では、抗体から関節炎やがんの治療薬まで、タンパク質から作られた薬剤が増えています。
これらは普通の錠剤と違い、無造作に棚の中で保管というわけにはいきません。
がんに対する免疫力を高めるCAR-T細胞治療法などは、さらにデリケートな取り扱いが必要になります。
ドナーから細胞を採取し、それを処理して、凍結したうえで出荷するという複雑なプロセスがあるからです。
こうした新しい治療薬を安全に患者に届けることができる技術は、今後ますます大きな意味を持つでしょう。
例えば、現時点では、心臓の細胞組織を凍らせてしまうと、半分しか使えなくなってしまうそうなんです。
心臓組織の細胞はさまざまで、あるタイプの細胞にはぴったりの保存法だったとしても、別のタイプには向かないことがあります。
これが心臓組織全体の冷凍保存を難しくしているわけなんです。
最終目標としては、自分自身の心臓を組織バンクのようなところで丸ごと保存できるようにすることだそうで、これが実現すれば、いつか心臓に問題を抱えることがあっても、いつでも予備の心臓を移植することができるようになると…。
そして実際にこうした試みはすでに進んでおり、社会に影響を与えつつあります。
たとえばアメリカなどでは、今はいらないが将来的には子供が欲しいと思っている人向けに卵子の冷凍保存サービスを提供する企業があるんだそうです。
仕事と子育ての両立はときにとても大変なことです。
今はバリバリ働きたい、しかしいずれは子育てに専念したいような場合、卵子を保存することで希望通りの人生設計を描けるようになると…。
ですが一部の専門家からは、個人の悩みを解決する方法であるはずが、かえって負担になる可能性があると指摘しています。
というのも、本人が望むと望まざると、社会がそうすることを期待するようになるかもしれないからだとか。
まぁ、確かに。
こういう手法が一般的になってしまえば、自分のタイミングで子供を作るという事に、外部の意向が反映してしまう可能性はありますよねぇ。
また、幹細胞をたっぷりと含んだ臍帯血のバンキングサービスを提供する企業もすでに存在します。
倫理的な問題は置いておいたとしても、こういった「冷凍保存」の技術は日々、進化していってるようです。
自分の細胞を冷凍保存ねぇ…。
まぁ、わたくし院長は、そこまでしてって思いますけど、需要はあるんでしょうね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院