2021年06月17日 [動物のこと]
クマムシ不死身伝説。
お疲れ様です。院長です。
6月17日の木曜日でございます。
この季節は毎日梅雨ですし、日々の変化が少ないんですよね。
ですから、この書き出しもそれ程変化がありません。
てな時はとっととネタにいくわけです。
さて、今日のネタは久々に登場します「クマムシ」ネタでございます。
クマムシと言っても、数年前にあったかいスープの歌で一世を風靡したお笑い芸人ではないですよ。
最強生物のクマムシです。
久々の登場ってことですが、過去にこれだけこのブログには出ています。
2016年10月、2017年4月、 2017年12月、2019年8月
なかなかの頻度ですな。
極度の乾燥、100度の高温、絶対零度近くの超低温、真空、高圧、高線量の放射線、これらは圧倒的な生命力で知られるクマムシが耐えてきたものです。
そのクマムシの不死身伝説に新たなる1ページが加わりました。
なんと銃で射出され、砂に叩きつけられても死なないことが確認されたのだそうです。
このクマムシの射出にはニ段式軽ガス銃が使われました。
この銃は、まず通常の火薬で発射物を加速させた後、水素やヘリウムで加圧することで、最大秒速8000メートルまで射出することができるんだそうです。
秒速8000メートルと言われても、普通はピンときませんよね。
そこでちょっと調べてみたところ、現在の技術でかなりレベルの高いライフル銃で、秒速1600メートル辺りが限界のようです。
因みにいわゆる「マッハ」と呼ばれる「音速」ですが、マッハ1でも秒速340メートルですから、秒速8000メートルって事は、マッハ23.5ってことですな。
なんか、余計に分かりにくくなった気もしますが、とんでもなく早いって事です(笑)
で、このガス銃に、凍らせて、代謝をほぼ止めて乾眠状態にさせた2、3匹のクマムシをナイロン製の送弾筒に詰め、真空チャンバーに敷かれた砂めがけて秒速556〜1000メートルで射出しました。
それからクマムシが樽から復活するかどうか観察すると、秒速825メートルまでなら生きていられることがわかったと報告されています。
ただし、さしものクマムシといえどかなり堪えるようで、射出されなかった個体に比べると復活までに時間がかかったとのことです。
このことは体内にダメージがあったことを示唆しているそうです。
ある意味リアルな鉄砲玉となってしまったクマムシですが、いったい何のためにこのようなことをしたのでしょう?
英ケント大学のマーク・バーチェル氏らがわざわざこんな実験をしたのは、生命が宇宙の過酷な環境を生き延びられるのかどうか解明するためなんだそうです。
たとえば「パンスペルミア説」という仮説があります。
これによれば、地球の生命は小惑星などによって宇宙から運ばれてきたのだといいます。
しかし生命の種は本当にそのときの衝撃に耐えることができるのでしょうか?
実験で判明したのは、クマムシが耐えられる衝撃圧力の限界は1.14ギガパスカルということだそうです。
これは太陽系惑星に岩石が衝突したときに生じる一般的な衝撃よりもかなり小さいらしいです。
ですが、地球や火星から火山などによって排出された物質が衛星(惑星や準惑星・小惑星の周りを公転する天然の天体)に衝突したケースならば、その衝撃はもう少し穏やかなんだとか…。
その場合、母星の生命が衛星に運ばれることはあるのでしょうか?
火星から排出された物質が衛星フォボスに衝突するときの速度は秒速1〜4.5キロ。
クマムシといえどもこれに耐えられる可能性は低く、そこに宇宙線の追い討ちもあります。
またこれが地球から月へ排出されたものの場合、さらに生存率は上がります。
衝突の4割は、クマムシにも耐えられる衝撃しか発生しないといいますからかなりいけそうです(笑)
このブログでも紹介していますが、2019年、イスラエルの月探査機べレシートが着陸に失敗し、月面に衝突しました。
じつはこの機体にはクマムシが乗せられており、その衝撃にも耐えて月面で生きているのではないか?との憶測が流れました。
それに対する直接の答えではありませんが、べレシートが送信してきたデータからは、月面への衝突時、垂直速度は秒速134.3メートル、水平速度は秒速946.7メートルだったことがわかっているそうです。
今回の実験で秒速825メートルまでなら耐えることが判明したクマムシですから、個体差もあるでしょうけど、クマムシが生存している可能性はゼロとは言い切れないのかもしれないってオチですな。
また土星の衛星エンケラドゥスや木星の衛星エウロパは、太陽系の中で生命の存在が期待される最有力候補です。
これら氷の衛星からはときおり水蒸気が噴出しています。
もしここにクマムシのような生物が混ざっていたとしたら、それを生きたまま捕獲することはできるでしょうか?
探査機が衛星をフライバイしながら水蒸気を採取しようとする瞬間、そこには強い衝撃がくわわることになります。
今回判明したことは、そうした生命が死なないように工夫を凝らすための貴重な情報にもなるとのことです。
まぁ、クマムシも強いからと言って、いろんなトコに飛ばされ、実験させられる運命なんですなぁ。
気の毒と言えば気の毒ですが、それが最強生物の使命なのかもしれません。
頑張れクマムシ(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月17日の木曜日でございます。
この季節は毎日梅雨ですし、日々の変化が少ないんですよね。
ですから、この書き出しもそれ程変化がありません。
てな時はとっととネタにいくわけです。
さて、今日のネタは久々に登場します「クマムシ」ネタでございます。
クマムシと言っても、数年前にあったかいスープの歌で一世を風靡したお笑い芸人ではないですよ。
最強生物のクマムシです。
久々の登場ってことですが、過去にこれだけこのブログには出ています。
2016年10月、2017年4月、 2017年12月、2019年8月
なかなかの頻度ですな。
極度の乾燥、100度の高温、絶対零度近くの超低温、真空、高圧、高線量の放射線、これらは圧倒的な生命力で知られるクマムシが耐えてきたものです。
そのクマムシの不死身伝説に新たなる1ページが加わりました。
なんと銃で射出され、砂に叩きつけられても死なないことが確認されたのだそうです。
このクマムシの射出にはニ段式軽ガス銃が使われました。
この銃は、まず通常の火薬で発射物を加速させた後、水素やヘリウムで加圧することで、最大秒速8000メートルまで射出することができるんだそうです。
秒速8000メートルと言われても、普通はピンときませんよね。
そこでちょっと調べてみたところ、現在の技術でかなりレベルの高いライフル銃で、秒速1600メートル辺りが限界のようです。
因みにいわゆる「マッハ」と呼ばれる「音速」ですが、マッハ1でも秒速340メートルですから、秒速8000メートルって事は、マッハ23.5ってことですな。
なんか、余計に分かりにくくなった気もしますが、とんでもなく早いって事です(笑)
で、このガス銃に、凍らせて、代謝をほぼ止めて乾眠状態にさせた2、3匹のクマムシをナイロン製の送弾筒に詰め、真空チャンバーに敷かれた砂めがけて秒速556〜1000メートルで射出しました。
それからクマムシが樽から復活するかどうか観察すると、秒速825メートルまでなら生きていられることがわかったと報告されています。
ただし、さしものクマムシといえどかなり堪えるようで、射出されなかった個体に比べると復活までに時間がかかったとのことです。
このことは体内にダメージがあったことを示唆しているそうです。
ある意味リアルな鉄砲玉となってしまったクマムシですが、いったい何のためにこのようなことをしたのでしょう?
英ケント大学のマーク・バーチェル氏らがわざわざこんな実験をしたのは、生命が宇宙の過酷な環境を生き延びられるのかどうか解明するためなんだそうです。
たとえば「パンスペルミア説」という仮説があります。
これによれば、地球の生命は小惑星などによって宇宙から運ばれてきたのだといいます。
しかし生命の種は本当にそのときの衝撃に耐えることができるのでしょうか?
実験で判明したのは、クマムシが耐えられる衝撃圧力の限界は1.14ギガパスカルということだそうです。
これは太陽系惑星に岩石が衝突したときに生じる一般的な衝撃よりもかなり小さいらしいです。
ですが、地球や火星から火山などによって排出された物質が衛星(惑星や準惑星・小惑星の周りを公転する天然の天体)に衝突したケースならば、その衝撃はもう少し穏やかなんだとか…。
その場合、母星の生命が衛星に運ばれることはあるのでしょうか?
火星から排出された物質が衛星フォボスに衝突するときの速度は秒速1〜4.5キロ。
クマムシといえどもこれに耐えられる可能性は低く、そこに宇宙線の追い討ちもあります。
またこれが地球から月へ排出されたものの場合、さらに生存率は上がります。
衝突の4割は、クマムシにも耐えられる衝撃しか発生しないといいますからかなりいけそうです(笑)
このブログでも紹介していますが、2019年、イスラエルの月探査機べレシートが着陸に失敗し、月面に衝突しました。
じつはこの機体にはクマムシが乗せられており、その衝撃にも耐えて月面で生きているのではないか?との憶測が流れました。
それに対する直接の答えではありませんが、べレシートが送信してきたデータからは、月面への衝突時、垂直速度は秒速134.3メートル、水平速度は秒速946.7メートルだったことがわかっているそうです。
今回の実験で秒速825メートルまでなら耐えることが判明したクマムシですから、個体差もあるでしょうけど、クマムシが生存している可能性はゼロとは言い切れないのかもしれないってオチですな。
また土星の衛星エンケラドゥスや木星の衛星エウロパは、太陽系の中で生命の存在が期待される最有力候補です。
これら氷の衛星からはときおり水蒸気が噴出しています。
もしここにクマムシのような生物が混ざっていたとしたら、それを生きたまま捕獲することはできるでしょうか?
探査機が衛星をフライバイしながら水蒸気を採取しようとする瞬間、そこには強い衝撃がくわわることになります。
今回判明したことは、そうした生命が死なないように工夫を凝らすための貴重な情報にもなるとのことです。
まぁ、クマムシも強いからと言って、いろんなトコに飛ばされ、実験させられる運命なんですなぁ。
気の毒と言えば気の毒ですが、それが最強生物の使命なのかもしれません。
頑張れクマムシ(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院