2021年03月05日 [動物のこと]
プロザックと魚たち
お疲れ様です。院長です。
3月5日の金曜日でございます。
まだ寒い日もありますが、日中なんか晴れてるとそこそこ春を感じられるようになってきましたかね。
今年は冬が寒かったですから、比較的季節がキチンと回ってる感じがしますね。
となりゃ、また夏は暑いんでしょうけど、暑くなるまでに少し暖かいって言う心地よさを感じたいもんです。
ま、アッちゅう間ですけどね。
良い季節程短いですし、すぐに暑くなりますからね。
てことで、今日もネタに突入ですが、今日はこんな環境破壊もあるんだねってなお話しです。
なんと、海水に流れ込んだ抗うつ剤「プロザック」が魚をゾンビのように没個性化(群集の中で個々のアイデンティティが消滅すること)させてしまうという研究結果がでたそうなんです。
人間が飲む薬は、服用したらそれで終わりではないようで、その後思わぬ場所で思わぬ影響をもたらしていることがあるようなんです。
大抵の薬はすべてが人体に吸収されることはなく、吸収されなかった薬はやがて体の外に排出されます。
つまりはトイレへと放出され、そこから下水へ流れ込むわけです。
さらに下水処理場でも処理しきれなかったものは、最終的に海にたどり着きます。
そうなると意図せずして人間の薬を飲んでしまう海の生き物が出てくるわけですね。
彼らは人間の薬を体に取り込むことになり、魚がメス化するなど、ときに思わぬ副作用が生じることもあるんです。
そして今回の研究でわかったのは、抗うつ剤「プロザック」の成分を吸収してしまった魚は、ゾンビのように没個性化してしまうということなんです。
没個性化という言葉は聞き馴染みがないかもしれませんが、没個性化とは、集団の中に自分を埋没させ、自分を個別的な存在として捉えていないことをさします。
没個性化の状態では、社会的規範や、社会からの批判に対する意識が低くなるため、無責任な行動や攻撃行動などの行動が出現しやすくなります。
ま、これは人間の場合ですけど…。
つまり、魚がそうなっちゃうってことですね。
西オーストラリア大学の研究グループによると、向精神薬は人間の脳に備わっている受容体をターゲットにしていますが、そうした受容体は動物界にも広く見られるのだそうです。
そのために人間以外の種に効いたとしてもちっとも不思議ではないのだそうです。
垂れ流される抗うつ剤がどれほど広まっているのかはっきりとしたことは分かりませんが、食事や交尾まで、事実上、野生の魚のあらゆる行動を変えてしまう可能性があると考えることができるようです。
中でも最大の謎の1つとされるのが、それが個体レベルに影響する程度です。
これまでの関連研究は、集団単位を観察したもので、個々の魚にどのような変化が現れるのか調べたものはあまりありませんでした。
そこで個体レベルの影響を確かめるために、ジョヴァンニ・ポルヴェリーノ氏らは、抗うつ剤の一種で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬「プロザック」という商品名で販売されている「フルオキセチン」を自然の水環境と同じ濃度に溶かした水槽で、グッピーを飼育して2年間観察を続けたんだそうです。
その結果は恐るべきもので、グッピーから個性が消えてしまったのだとか…。
どのグッピーもみなゾンビのように同じ行動をとるようになってしまったそうなんです。
残念なことに、フルオキセチンに暴露した魚からは、行動の多様性が損なわれることが分かったわけです。
長い目で見てみれば、その影響は非常に大きなものになる恐れがあります。
個体レベルでの行動戦略のばらつきは種の生存にとってとても大切なことですから当然ですわね。
たとえば、リスクを物ともせずに積極的に行動する個体は、危険にも遭遇しますが、より多くのエサにありつき、それだけたくさんの子供を残せるかもしれません。
こうしたことは、種の適応度や遺伝的多様性、柔軟性を高めることにつながります。
環境は常に変化し続けますが、遺伝的多様性や柔軟性がなければ、種としてそうした変化に対応することが難しくなります。
それは絶滅のリスクを高めるということになるわけです。
実際、魚の没個性化は「変化し続け、しかも汚染が広がっている世界において、多くの魚の絶滅リスクを高めかねません」と、ポルヴェリーノ氏は懸念しています。
もちろんこれは水槽の中で飼われているグッピーの話なので、実際のところ、それが海で暮らしている魚たちにどの程度の影響を与えているのかまだはっきりとは分かっていません。
それでも決して無視できない結果であることは間違いないでしょう。
まぁ、意図的に捨てたりなんらかの形で流れ出てしまったというなら、過失って気もしますが、人体から排出されるとなるとこれはもうどうしようもないような…。
この薬が必要な人がいる以上、服薬されるわけでその方たちの排水だけ別にするなんて訳にもいかないしねぇ。
言ってしまえば、人間が寿命を延ばそうとする行為自体が自然に圧力をかけてるんですよね。
この問題は解説の糸口すら見つけられませんねぇ。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月5日の金曜日でございます。
まだ寒い日もありますが、日中なんか晴れてるとそこそこ春を感じられるようになってきましたかね。
今年は冬が寒かったですから、比較的季節がキチンと回ってる感じがしますね。
となりゃ、また夏は暑いんでしょうけど、暑くなるまでに少し暖かいって言う心地よさを感じたいもんです。
ま、アッちゅう間ですけどね。
良い季節程短いですし、すぐに暑くなりますからね。
てことで、今日もネタに突入ですが、今日はこんな環境破壊もあるんだねってなお話しです。
なんと、海水に流れ込んだ抗うつ剤「プロザック」が魚をゾンビのように没個性化(群集の中で個々のアイデンティティが消滅すること)させてしまうという研究結果がでたそうなんです。
人間が飲む薬は、服用したらそれで終わりではないようで、その後思わぬ場所で思わぬ影響をもたらしていることがあるようなんです。
大抵の薬はすべてが人体に吸収されることはなく、吸収されなかった薬はやがて体の外に排出されます。
つまりはトイレへと放出され、そこから下水へ流れ込むわけです。
さらに下水処理場でも処理しきれなかったものは、最終的に海にたどり着きます。
そうなると意図せずして人間の薬を飲んでしまう海の生き物が出てくるわけですね。
彼らは人間の薬を体に取り込むことになり、魚がメス化するなど、ときに思わぬ副作用が生じることもあるんです。
そして今回の研究でわかったのは、抗うつ剤「プロザック」の成分を吸収してしまった魚は、ゾンビのように没個性化してしまうということなんです。
没個性化という言葉は聞き馴染みがないかもしれませんが、没個性化とは、集団の中に自分を埋没させ、自分を個別的な存在として捉えていないことをさします。
没個性化の状態では、社会的規範や、社会からの批判に対する意識が低くなるため、無責任な行動や攻撃行動などの行動が出現しやすくなります。
ま、これは人間の場合ですけど…。
つまり、魚がそうなっちゃうってことですね。
西オーストラリア大学の研究グループによると、向精神薬は人間の脳に備わっている受容体をターゲットにしていますが、そうした受容体は動物界にも広く見られるのだそうです。
そのために人間以外の種に効いたとしてもちっとも不思議ではないのだそうです。
垂れ流される抗うつ剤がどれほど広まっているのかはっきりとしたことは分かりませんが、食事や交尾まで、事実上、野生の魚のあらゆる行動を変えてしまう可能性があると考えることができるようです。
中でも最大の謎の1つとされるのが、それが個体レベルに影響する程度です。
これまでの関連研究は、集団単位を観察したもので、個々の魚にどのような変化が現れるのか調べたものはあまりありませんでした。
そこで個体レベルの影響を確かめるために、ジョヴァンニ・ポルヴェリーノ氏らは、抗うつ剤の一種で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬「プロザック」という商品名で販売されている「フルオキセチン」を自然の水環境と同じ濃度に溶かした水槽で、グッピーを飼育して2年間観察を続けたんだそうです。
その結果は恐るべきもので、グッピーから個性が消えてしまったのだとか…。
どのグッピーもみなゾンビのように同じ行動をとるようになってしまったそうなんです。
残念なことに、フルオキセチンに暴露した魚からは、行動の多様性が損なわれることが分かったわけです。
長い目で見てみれば、その影響は非常に大きなものになる恐れがあります。
個体レベルでの行動戦略のばらつきは種の生存にとってとても大切なことですから当然ですわね。
たとえば、リスクを物ともせずに積極的に行動する個体は、危険にも遭遇しますが、より多くのエサにありつき、それだけたくさんの子供を残せるかもしれません。
こうしたことは、種の適応度や遺伝的多様性、柔軟性を高めることにつながります。
環境は常に変化し続けますが、遺伝的多様性や柔軟性がなければ、種としてそうした変化に対応することが難しくなります。
それは絶滅のリスクを高めるということになるわけです。
実際、魚の没個性化は「変化し続け、しかも汚染が広がっている世界において、多くの魚の絶滅リスクを高めかねません」と、ポルヴェリーノ氏は懸念しています。
もちろんこれは水槽の中で飼われているグッピーの話なので、実際のところ、それが海で暮らしている魚たちにどの程度の影響を与えているのかまだはっきりとは分かっていません。
それでも決して無視できない結果であることは間違いないでしょう。
まぁ、意図的に捨てたりなんらかの形で流れ出てしまったというなら、過失って気もしますが、人体から排出されるとなるとこれはもうどうしようもないような…。
この薬が必要な人がいる以上、服薬されるわけでその方たちの排水だけ別にするなんて訳にもいかないしねぇ。
言ってしまえば、人間が寿命を延ばそうとする行為自体が自然に圧力をかけてるんですよね。
この問題は解説の糸口すら見つけられませんねぇ。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院