2021年02月04日 [動物のこと]
カモノハシゲノム
お疲れ様です。院長です。
2月4日の木曜日でございます。
立春も過ぎましたし、春が近付いてくるはずなんですが、まだまだ寒いですな。
ここ数年、暖冬傾向でしたから、今年の冬は特に寒く感じますが、まぁ普通っちゃ普通ですよね。
てより、やはり温暖化の影響か、徐々に冬が寒くなくなってる気はしますよねぇ。
おまけに、夏はアホみたいに暑くなってますから、平均的な気温となると相当上がってる気がします。
ストップ。
温暖化。
ですわ。
てことで、今日もネタに入っていくわけですが、ネタと温暖化は全然関係ありません(笑)
今日は動物ネタとして、珍獣と言われる「カモノハシ」についてお話ししたいと思います。
オーストラリアに生息する「カモノハシ」は、哺乳類でありながら卵を産み、アヒルのようなクチバシがあり、後ろ足の爪には毒があり、しかも性染色体が10本もあるという珍獣の中の珍獣です。
「単孔類」という哺乳類の中でも異色のグループに属し、遺伝子レベルでも風変わりな彼らは、哺乳類の進化を研究するには格好の題材となっています。
コペンハーゲン大学のグループによる研究では、史上初めてカモノハシのゲノムを完全マッピングし、この奇妙なグループの進化の秘密に迫りました。
その結果、哺乳類、鳥類、爬虫類、植物との類似点が発見され、さらには人類とカモノハシの共通祖先が存在していた可能性もあるといいますからなかなかの発見です。
まず、哺乳類には3つの主要グループがあります。
「有胎盤類」「有袋類(有袋上目)」「単孔類(カモノハシ目)」です。
最大のグループは有胎盤類で、ここに属する動物たちは母親の胎盤から栄養をもらって成長し、生まれてきます。
もちろん私たち人間もまたこのグループの仲間なわけです。
その有胎盤類は、コアラやカンガルーなどが属する有袋類とまとめられ、「獣亜綱」というグループを構成します。
しかし単孔類だけは、それら2グループとは区別され、独自の系統を構成しているわけです。
この単孔類に属しているのは「カモノハシ」と「ハリモグラ」、「ミユビハリモグラ属」だけなんですね。
カモノハシが半水生動物である一方、ハリモグラは陸生動物という違いはありますが、どちらも哺乳類でありながら卵を産むというユニークな特徴があります。
今回の研究では、カモノハシのゲノムの完全な染色体マップをハリモグラのもの(こちらは不完全)と比べて、彼らがその身に宿す遺伝子レベルの秘密が探られました。
この分析からは、たとえばカモノハシには嗅覚に関連する遺伝子が、陸で生きるハリモグラに比べてずっと少ないことが明らかになっています。
このことは、カモノハシは水の中では鼻や目を閉じており、嗅覚ではなく生体電流を感知してエサを探すという事実を裏付けることとなっています。
ですが研究者がとりわけ興味を引かれていたのは、哺乳類のくせに卵を産むという風変わりな生殖戦略を持つ彼らの性染色体です。
人間の場合、性染色体はX染色体とY染色体の2本だけですが、カモノハシは動物では唯一、10本もの性染色体(X染色体5つ、Y染色体5つ)を持っています(因みにハリモグラは9本)。
XとYの染色体を持つからといって人間に似ているわけではなく、今回の分析からは、むしろZ染色体とW染色体を持つ鳥類や爬虫類との類似が見つかったそうなんです。
たとえば、鳥には「ビテロジェニン」という卵を産むために必要なタンパク質を作る遺伝子が3つあります。
一方、胎盤で子供を育てて出産する人間にはまったくありません。
ま、必要ないわけですね。
ですが、カモノハシの場合、その遺伝子が1つだけあることが判明したそうなんです。
それはカモノハシが卵を産むために鳥類ほどビテロジェニンに頼っていないということになるわけですが、それでもなお卵を産む理由を説明するかもしれません。
また単孔類の複雑な性染色体では、「減数分裂」(細胞分裂の一種)の最中やそのあとに奇妙な構造が作り出されることが確認されています。
染色体ペアの相同領域が互いに一致し、環のような構造を作り出すようなんです。
こうした環状構造は植物では見られますが、動物で発見されたのは今回が初めてなんだそうです。
まぁ、ややこしい動物ですねぇ…。
さらにカモノハシの遺伝子は、タスマニアデビルから人間までのさまざまな動物とも比較されました。
その結果、人類とカモノハシの共通祖先は1億6300万〜1億9100万年前に存在したらしいことが分かったそうなんです。
ですが、よりすごいのはカモノハシの染色体から、人間のDNAの起源について理解が進んだことです。
今回の研究によると、人間のX染色体は、有袋類から分岐したあとで常染色体領域と融合した獣亜綱のX染色体が由来であると確認されたとのこと。
このへんになってくると、もう意味が分かりませんが、カモノハシはとにかく、さまざまな種類の動物の遺伝子を持ってるって事ですね。
ではなぜカモノハシがそんなにもたくさんの性染色体を持っているのかって事ですが、その理由はまだ謎に包まれたままです。
まぁ、こうやって見ていくと不思議な生き物ですよね〜。
我々日本人には、あまり馴染みのない動物ですし、実物を見ることもなかなか難しいですが、興味は尽きないですね。
因みに日本にはカモノハシ飼育もされてないようで、見るにはシドニーの水族館まで行く必要があるんだとか…。
コロナが収まったら是非、見に行ってきてください(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
2月4日の木曜日でございます。
立春も過ぎましたし、春が近付いてくるはずなんですが、まだまだ寒いですな。
ここ数年、暖冬傾向でしたから、今年の冬は特に寒く感じますが、まぁ普通っちゃ普通ですよね。
てより、やはり温暖化の影響か、徐々に冬が寒くなくなってる気はしますよねぇ。
おまけに、夏はアホみたいに暑くなってますから、平均的な気温となると相当上がってる気がします。
ストップ。
温暖化。
ですわ。
てことで、今日もネタに入っていくわけですが、ネタと温暖化は全然関係ありません(笑)
今日は動物ネタとして、珍獣と言われる「カモノハシ」についてお話ししたいと思います。
オーストラリアに生息する「カモノハシ」は、哺乳類でありながら卵を産み、アヒルのようなクチバシがあり、後ろ足の爪には毒があり、しかも性染色体が10本もあるという珍獣の中の珍獣です。
「単孔類」という哺乳類の中でも異色のグループに属し、遺伝子レベルでも風変わりな彼らは、哺乳類の進化を研究するには格好の題材となっています。
コペンハーゲン大学のグループによる研究では、史上初めてカモノハシのゲノムを完全マッピングし、この奇妙なグループの進化の秘密に迫りました。
その結果、哺乳類、鳥類、爬虫類、植物との類似点が発見され、さらには人類とカモノハシの共通祖先が存在していた可能性もあるといいますからなかなかの発見です。
まず、哺乳類には3つの主要グループがあります。
「有胎盤類」「有袋類(有袋上目)」「単孔類(カモノハシ目)」です。
最大のグループは有胎盤類で、ここに属する動物たちは母親の胎盤から栄養をもらって成長し、生まれてきます。
もちろん私たち人間もまたこのグループの仲間なわけです。
その有胎盤類は、コアラやカンガルーなどが属する有袋類とまとめられ、「獣亜綱」というグループを構成します。
しかし単孔類だけは、それら2グループとは区別され、独自の系統を構成しているわけです。
この単孔類に属しているのは「カモノハシ」と「ハリモグラ」、「ミユビハリモグラ属」だけなんですね。
カモノハシが半水生動物である一方、ハリモグラは陸生動物という違いはありますが、どちらも哺乳類でありながら卵を産むというユニークな特徴があります。
今回の研究では、カモノハシのゲノムの完全な染色体マップをハリモグラのもの(こちらは不完全)と比べて、彼らがその身に宿す遺伝子レベルの秘密が探られました。
この分析からは、たとえばカモノハシには嗅覚に関連する遺伝子が、陸で生きるハリモグラに比べてずっと少ないことが明らかになっています。
このことは、カモノハシは水の中では鼻や目を閉じており、嗅覚ではなく生体電流を感知してエサを探すという事実を裏付けることとなっています。
ですが研究者がとりわけ興味を引かれていたのは、哺乳類のくせに卵を産むという風変わりな生殖戦略を持つ彼らの性染色体です。
人間の場合、性染色体はX染色体とY染色体の2本だけですが、カモノハシは動物では唯一、10本もの性染色体(X染色体5つ、Y染色体5つ)を持っています(因みにハリモグラは9本)。
XとYの染色体を持つからといって人間に似ているわけではなく、今回の分析からは、むしろZ染色体とW染色体を持つ鳥類や爬虫類との類似が見つかったそうなんです。
たとえば、鳥には「ビテロジェニン」という卵を産むために必要なタンパク質を作る遺伝子が3つあります。
一方、胎盤で子供を育てて出産する人間にはまったくありません。
ま、必要ないわけですね。
ですが、カモノハシの場合、その遺伝子が1つだけあることが判明したそうなんです。
それはカモノハシが卵を産むために鳥類ほどビテロジェニンに頼っていないということになるわけですが、それでもなお卵を産む理由を説明するかもしれません。
また単孔類の複雑な性染色体では、「減数分裂」(細胞分裂の一種)の最中やそのあとに奇妙な構造が作り出されることが確認されています。
染色体ペアの相同領域が互いに一致し、環のような構造を作り出すようなんです。
こうした環状構造は植物では見られますが、動物で発見されたのは今回が初めてなんだそうです。
まぁ、ややこしい動物ですねぇ…。
さらにカモノハシの遺伝子は、タスマニアデビルから人間までのさまざまな動物とも比較されました。
その結果、人類とカモノハシの共通祖先は1億6300万〜1億9100万年前に存在したらしいことが分かったそうなんです。
ですが、よりすごいのはカモノハシの染色体から、人間のDNAの起源について理解が進んだことです。
今回の研究によると、人間のX染色体は、有袋類から分岐したあとで常染色体領域と融合した獣亜綱のX染色体が由来であると確認されたとのこと。
このへんになってくると、もう意味が分かりませんが、カモノハシはとにかく、さまざまな種類の動物の遺伝子を持ってるって事ですね。
ではなぜカモノハシがそんなにもたくさんの性染色体を持っているのかって事ですが、その理由はまだ謎に包まれたままです。
まぁ、こうやって見ていくと不思議な生き物ですよね〜。
我々日本人には、あまり馴染みのない動物ですし、実物を見ることもなかなか難しいですが、興味は尽きないですね。
因みに日本にはカモノハシ飼育もされてないようで、見るにはシドニーの水族館まで行く必要があるんだとか…。
コロナが収まったら是非、見に行ってきてください(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院