2017年10月01日 [からだのこと]
(31)サンデーイルネス(仮)緑内障について
お疲れ様です。院長です。
ついに10月に入りましたね〜。
10月最初のイルネス辞典でございます。
10月っつうことは、今年も後3ヶ月となりました。
このイルネスも今日を含めて今年は後14回でございます。
そして、今その回数を数えるのにカレンダー見てたら、なんと大晦日が日曜やんかいさ。
今年最後のイルネス辞典です。とか書いてんにゃろね〜(笑)
ってな、先走りトークで始まりましたが、今日は先週の続編とも言える「緑内障」にスポットを当てたいと思います。
先週も少しお話しましたが、ヒトがものを見ることができるのは、角膜・水晶体を通って網膜上で結んだ像の情報が眼球から脳に向かって延びている「視神経」に入り、脳に色や形の情報を送るからです。
伝わった情報が脳で画像として組み立てられて、私たちは見えたものを認識するわけです。
ですが、緑内障に罹ると、その情報の橋渡しをしている視神経に異常が起こり、眼からの情報を正確に伝えられず、脳で画像をうまく組み立てることができなくなります。
その結果、視力や視野(見える範囲)に障害を起こしてしまうという疾患です。
昔は「あおそこひ」と呼ばれ、失明に至ることもある病気として恐れられてきました。
ちなみに先週の「白内障」は「しろそこひ」とも呼ばれていますの事よ。
さらに漢字で書くと「青(白)底翳」と書きます。
この「翳」(ひ)はかげという意味で、まぁ眼底に青い影が出来るってビジュアルから付けられたようです。
では原因は何かと言いますと、眼のなかには血液の代わりとなって栄養などを運ぶ房水というものが流れています。
眼球そのものは軟らかいものなので、球形を保つには内部から外側に向かう一定の力が必要です。
それを眼圧と呼んでいます。たとえばボールでは空気がその役割を果たして空気圧により硬さが左右されますが、眼球では眼球内を流れる房水の量が眼圧を左右してるわけです。
眼圧の正常値は10〜21oHg(ミリメートル水銀柱)で、21oHgを超えると高眼圧といいます。眼圧が高くなるのは、何らかの原因で房水の産生と排出がアンバランスになるためです。
緑内障の視神経の異常では、視神経がつぶされた状態になります。高眼圧の緑内障では、圧力により視神経が萎縮します。
また眼圧が正常でも、視神経が圧力に耐えられない場合に視神経に異常が起きるとされています。
緑内障には多くの病型があり、とくに眼圧が正常範囲のタイプが日本人に多いことがわかっています。
緑内障の場合、正常値の21oHg以下なら心配ないというわけではなく、視野障害の状態を加味して判断する必要があります。
つまり、障害の進行が停止するレベルまで眼圧を下げる必要があります。
眼圧は季節や時間帯によって変動し、緑内障の人ではとくにその変動の幅が大きいことが知られています。
それらを含めて眼圧の基本値を把握することが大切です。
続いて症状の現れ方ですが、緑内障の症状には、急激に眼圧が上昇し眼の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状を起こすもの(急性緑内障)と、ほとんど自覚症状がないまま病気が進行してしまうもの(慢性緑内障)があります。
急性緑内障では、時間がたつほど治りにくくなるので、すぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
一方、多くの患者さんがかかる慢性緑内障では、瞳の色はもちろん、痛みや充血などの症状はほとんどないままに進行し、視力低下も病気の最終段階まで現れません。
このため、患者さん自身が病気を自覚することが難しく、治療開始が遅れることが多々あります。
慢性緑内障の唯一の自覚症状は視野の一部に見えないところができること(視野欠損)ですが、通常2つの眼で見ているため互いの視野でカバーされ、進行するまでなかなか気がつかないことが多いわけです。
しかし、定期的に検診を受けていれば、視野が十分広いうちに、緑内障による視神経の障害を見つけることができますので、こちらも定期的な検診が一番良いんですけどね…
なかなか何にもないのに、眼科いけませんよね〜。
ですから、少しでも症状らしきものが出たらすぐ眼科にいけるよう、まずは症状を見てみましょう。
視野障害の進行は以下のような感じです。
(1)初期
眼の中心をやや外れたところに暗点(見えない点)ができます。自分自身で異常に気づくことはあまりありません。
(2)中期
暗点が拡大し、視野の欠損が広がり始めます。しかし、この段階でも片方の眼によって補われるため、異常に気づかないことが多いようです。
(3)後期
視野はさらに狭くなり視力も悪くなって、日常生活にも支障を来すようになります。さらに放置すると失明に至ります。
とは言え、ひと口に緑内障といってもひとつの疾患ではなく、病型により原因や発症、症状、治療などに大きな違いがありますので、とにかく出来るだけ早めに専門医に見せることが一番なんですよね。
では、緑内障の治療ですが、大多数を占める慢性緑内障で視野異常が進行していない場合は、まず薬物による治療(主に点眼薬)から始めます。
緑内障のタイプ、眼圧の高さ、視野異常の進行度などに合わせて処方されます。
薬物では眼圧が十分に低下しない場合、視野異常の進行が止まらない場合はレーザー治療や手術治療が行われます。
薬やレーザー治療、手術療法で眼圧がある程度下がっても、それで治療が終わるわけではありません。
定期的に視野検査を受け、視野障害が進行していないことを確認して、初めて治療が順調であるといえます。
また、眼圧はいったん安定しても治療を中断するとまた変動します。緑内障は生涯にわたる管理が必要となります。
放置すると失明してしまうほどの重大疾患と言えますから、初期症状、中期症状あたりはキッチリ知っておくことが大事と言えます。
いかがでしたか?
今回も、まず知識を持っていたら、発見は早くなります。
あなたの周りの人が、何となく視野が狭くなったなんて言いだしたら、「緑内障」を疑い、専門医へ行くことを勧めて下さいね。
「その症状はほっといたら失明するよ!」って教えられたら誰でも治療しに行きますから…。
ですから怖いのは病気ではなく、知らない事。
な。今週もためになったやろ?(笑)
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
ついに10月に入りましたね〜。
10月最初のイルネス辞典でございます。
10月っつうことは、今年も後3ヶ月となりました。
このイルネスも今日を含めて今年は後14回でございます。
そして、今その回数を数えるのにカレンダー見てたら、なんと大晦日が日曜やんかいさ。
今年最後のイルネス辞典です。とか書いてんにゃろね〜(笑)
ってな、先走りトークで始まりましたが、今日は先週の続編とも言える「緑内障」にスポットを当てたいと思います。
先週も少しお話しましたが、ヒトがものを見ることができるのは、角膜・水晶体を通って網膜上で結んだ像の情報が眼球から脳に向かって延びている「視神経」に入り、脳に色や形の情報を送るからです。
伝わった情報が脳で画像として組み立てられて、私たちは見えたものを認識するわけです。
ですが、緑内障に罹ると、その情報の橋渡しをしている視神経に異常が起こり、眼からの情報を正確に伝えられず、脳で画像をうまく組み立てることができなくなります。
その結果、視力や視野(見える範囲)に障害を起こしてしまうという疾患です。
昔は「あおそこひ」と呼ばれ、失明に至ることもある病気として恐れられてきました。
ちなみに先週の「白内障」は「しろそこひ」とも呼ばれていますの事よ。
さらに漢字で書くと「青(白)底翳」と書きます。
この「翳」(ひ)はかげという意味で、まぁ眼底に青い影が出来るってビジュアルから付けられたようです。
では原因は何かと言いますと、眼のなかには血液の代わりとなって栄養などを運ぶ房水というものが流れています。
眼球そのものは軟らかいものなので、球形を保つには内部から外側に向かう一定の力が必要です。
それを眼圧と呼んでいます。たとえばボールでは空気がその役割を果たして空気圧により硬さが左右されますが、眼球では眼球内を流れる房水の量が眼圧を左右してるわけです。
眼圧の正常値は10〜21oHg(ミリメートル水銀柱)で、21oHgを超えると高眼圧といいます。眼圧が高くなるのは、何らかの原因で房水の産生と排出がアンバランスになるためです。
緑内障の視神経の異常では、視神経がつぶされた状態になります。高眼圧の緑内障では、圧力により視神経が萎縮します。
また眼圧が正常でも、視神経が圧力に耐えられない場合に視神経に異常が起きるとされています。
緑内障には多くの病型があり、とくに眼圧が正常範囲のタイプが日本人に多いことがわかっています。
緑内障の場合、正常値の21oHg以下なら心配ないというわけではなく、視野障害の状態を加味して判断する必要があります。
つまり、障害の進行が停止するレベルまで眼圧を下げる必要があります。
眼圧は季節や時間帯によって変動し、緑内障の人ではとくにその変動の幅が大きいことが知られています。
それらを含めて眼圧の基本値を把握することが大切です。
続いて症状の現れ方ですが、緑内障の症状には、急激に眼圧が上昇し眼の痛みや頭痛、吐き気など激しい症状を起こすもの(急性緑内障)と、ほとんど自覚症状がないまま病気が進行してしまうもの(慢性緑内障)があります。
急性緑内障では、時間がたつほど治りにくくなるので、すぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
一方、多くの患者さんがかかる慢性緑内障では、瞳の色はもちろん、痛みや充血などの症状はほとんどないままに進行し、視力低下も病気の最終段階まで現れません。
このため、患者さん自身が病気を自覚することが難しく、治療開始が遅れることが多々あります。
慢性緑内障の唯一の自覚症状は視野の一部に見えないところができること(視野欠損)ですが、通常2つの眼で見ているため互いの視野でカバーされ、進行するまでなかなか気がつかないことが多いわけです。
しかし、定期的に検診を受けていれば、視野が十分広いうちに、緑内障による視神経の障害を見つけることができますので、こちらも定期的な検診が一番良いんですけどね…
なかなか何にもないのに、眼科いけませんよね〜。
ですから、少しでも症状らしきものが出たらすぐ眼科にいけるよう、まずは症状を見てみましょう。
視野障害の進行は以下のような感じです。
(1)初期
眼の中心をやや外れたところに暗点(見えない点)ができます。自分自身で異常に気づくことはあまりありません。
(2)中期
暗点が拡大し、視野の欠損が広がり始めます。しかし、この段階でも片方の眼によって補われるため、異常に気づかないことが多いようです。
(3)後期
視野はさらに狭くなり視力も悪くなって、日常生活にも支障を来すようになります。さらに放置すると失明に至ります。
とは言え、ひと口に緑内障といってもひとつの疾患ではなく、病型により原因や発症、症状、治療などに大きな違いがありますので、とにかく出来るだけ早めに専門医に見せることが一番なんですよね。
では、緑内障の治療ですが、大多数を占める慢性緑内障で視野異常が進行していない場合は、まず薬物による治療(主に点眼薬)から始めます。
緑内障のタイプ、眼圧の高さ、視野異常の進行度などに合わせて処方されます。
薬物では眼圧が十分に低下しない場合、視野異常の進行が止まらない場合はレーザー治療や手術治療が行われます。
薬やレーザー治療、手術療法で眼圧がある程度下がっても、それで治療が終わるわけではありません。
定期的に視野検査を受け、視野障害が進行していないことを確認して、初めて治療が順調であるといえます。
また、眼圧はいったん安定しても治療を中断するとまた変動します。緑内障は生涯にわたる管理が必要となります。
放置すると失明してしまうほどの重大疾患と言えますから、初期症状、中期症状あたりはキッチリ知っておくことが大事と言えます。
いかがでしたか?
今回も、まず知識を持っていたら、発見は早くなります。
あなたの周りの人が、何となく視野が狭くなったなんて言いだしたら、「緑内障」を疑い、専門医へ行くことを勧めて下さいね。
「その症状はほっといたら失明するよ!」って教えられたら誰でも治療しに行きますから…。
ですから怖いのは病気ではなく、知らない事。
な。今週もためになったやろ?(笑)
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院